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人事責任者のパフォーマンスはRPEで測る!?

»2011年10月17日
未来の人事を見てみよう

人事責任者のパフォーマンスはRPEで測る!?

クレイア・コンサルティング

人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリはHR Examinerより。
貴社の人事部長のパフォーマンスは何で測られているでしょうか?
著者のKriss Dunn氏によると、最適なのは以下のものだそうです。


Revenue Per Employee: The Only Performance Goal You'll Ever Need for HR Leaders
従業員一人あたり収益: 人事リーダーにとって唯一必要な業績目標


How do you measure the effectiveness of an HR Leader?

人事責任者の有効性をどうやって測っているか?

3月決算の会社では、上期が終わり、目標管理制度(MBO)の評価を行っているところも多いのではないでしょうか。
ところで、人事部長の業績って何で測られているのでしょう。
会社によってはバランストスコアカード(BSC)の学習と成長の視点の達成度を人事部や人事部長の評価指標としているところも多いかもしれません。

今回の記事の著者、Dunn氏によると、人事部長だけでなく、事業部や支社など、一定の組織の人事を管轄している人事責任者については、きちんとそのパフォーマンスを測定する必要がある、といいます。しかし、

Talking about the effectiveness and performance of HR is a black hole. You've got the transactional side, performance, talent acquisition, etc. All sub-areas of HR have metrics, and HR leaders have been told that measurement is the key to the HR function being viewed as strategic.

But the top 20 metrics you can cite are really just white noise when it comes to measuring the effectiveness of an HR leader.

人事の有効性やパフォーマンスを議論することは、いわばブラックホールのようなものだ。扱う領域は事務的なものもあれば評価や採用などまで多岐に渡っている。人事のそれぞれのサブエリアについては評価基準があり、人事機能が戦略的と見られるためにはこういった評価測定がキーになる、とは人事責任者が常々言われていることでもある。

だが、ここで上位20個の評価基準を挙げたとしても、それらは人事責任者の有効性を測るにはただの雑音にしかならない。

ただ、一つだけ、人事責任者の成果を測るのにふさわしい指標がある、とDunn氏は語ります。

There's only one metric that really matters when measuring HR. It's called Revenue Per Employee (RPE). Take the revenue produced by your company or business unit and divide it by your total number of employee.

人事を測定するのに唯一役立つ評価指標が存在する。それはRPE(Revenue Per Employee / 従業員あたり収益)と呼ばれるものだ。全社やビジネスユニットで生み出された収益を従業員の人数で割ることによって求められる。

日本でも「従業員一人当たり売上高」と表現されるものですね。この上下動の推移を年間ベースで追っていくことが望ましい、と。でもなぜこれが唯一の評価指標なのでしょう。Dunn氏は5つの理由をあげています。

1. If it's about the business, there's no better measurement than revenue.

1. ビジネス上のことで言えば、収益(売上)に勝る評価指標は無い。

利益は、という話もあるとは思いますが(苦笑)。その他の項目はガラクタであり、ライン長は理解しないか気にしようとしない、とのこと。

2. Your HR leader influences the biggest cost center in most companies - the people.

2. 人事責任者は全ての会社で最も巨大なコストセンター ― 人 ― に影響を与える。

売上の急激な上昇や人員削減によるコストカットなどを行った場合も、1年から5年ほど中長期的にRPEを観察することでバランスの取れた視点を得ることが出来る、と。

3. Everyone's situation is different and needs change from company to company.

3. 会社によって人にまつわる状況は異なり、必要性も千差万別である。

タレント人材を強化するコツは環境によって大きく異なりますが、優秀な人事責任担当者を適切なポジションに据えれば、食品会社であれITベンチャーであれRPEを高めることは可能だといいます。

4. All the stuff HR people love to argue about is embedded in the Revenue Per Employee formula.

4. 人事の人々が話題にしたい内容は全てRPEの公式の中に包含される。

イノベーションを推進するにせよ、営業を強化するにせよ、文化を変革するにせよ、全ては売上と紐付いて初めて効果があったといえます。短期で直接的な結果が出るかどうかは不透明な部分が多いのですが、全ての人事施策はビジネスの成果をドライブする必要があります。重要なのは、そこでROI(投資対効果)が高い取組は何か?ということであり、それこそが人事のゲームの面白さだと語ります。

5. Revenue Per Employee is a great litmus test for an organization's HR MBOs.

5. RPEは組織人事の目標管理における優れたリトマス試験だ。

RPEか、もしくは何らかのBS(バランスシート / 貸借対照表)にプラスのリターンを生むものでない限り、お金を出してまで行うべきプロジェクトはない、ということです。


結局のところ、人事は人事的な語彙によって、様々な理想的な施策を語りますが、結局は経営にとってプラスのインパクトを与えるものでなくてはなりません。Dunn氏は次のようにまとめます。

Revenue Per Employee. The smart CEOs don't need the details of what you're doing with the workforce, they just want to see that metric over time, then have a little conversation about the top 5 things your team is focusing on that's going to drive that number up.

RPE(従業員あたり収益)こそが重要だ。本当に賢いCEOは人事が社員に関してどのようなことをやっているか、その詳細には興味はなく、ただ一定の時間軸における評価指標が知りたいのだ。そしてその数字を上げるために人事チームが注力している5つの施策について、短くも有益な話がしたいだけなのである。

人事の部門や個人の目標を立てるにあたって、参考になれば幸いです。もっとも、長期の推移を見ていくことが重要で、他社/他組織とのベンチマークで使うには難しいところがあるのはご承知おきいただければ。
ご一読ありがとうございます!



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