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閉塞感の正体(4)閉塞感の定義と、閉塞感を生みだすメカニズム《2》
»2012年12月27日
未来の人事を見てみよう
閉塞感の正体(4)閉塞感の定義と、閉塞感を生みだすメカニズム《2》
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
2012年12月7日に発表しました、本年6月に実施したビジネスパーソン1,000人を対象とした意識調査の解説の4回目。今回は、閉塞感が職場で生まれていくメカニズムの続きを見ていきましょう。
閉塞感を生みだすメカニズム《2》キャリア形成や教育機会の減少
今回(2012年)の調査の結果から、閉塞感が生じる背景として、まず組織内の動きが停滞し、
組織の「動き」や「変化」が減少する中、組織の至るところで、「身動きが取れない状態」「壁に囲まれた状態」に追い込まれた社員が増えている
ことがわかりました。具体的に見ていきましょう。
まずは中長期的なキャリアの描きやすさ/描きにくさです。今の組織で中長期のキャリアを描けない場合には、将来に対する見通しが立たないため、「今の会社で仕事を続けていくことが、自分のキャリア形成にとって意味がある」という実感を得られず、閉塞感を感じるようになる傾向が見られます。
教育機会を提供し、成長機会を与えることは、社員のキャリア形成の支援につながります。しかし、「教育機会が減っている」会社の社員ほど、「今の会社でこのまま働き続けても自分の能力やスキルを高めることは難しい」「結果的に将来のキャリも描きにくい」という感情を抱き、閉塞感を抱くようになる傾向が見られました。
キャリアも不透明で、目の前の業務を行うのに必要なスキルを獲得する研修も受けられない、ということは、社員にとっては成長する機会が失われることを意味し、閉塞感に大きな影響を及ぼすことがわかっています。
閉塞感を生みだすメカニズム《3》コミュニケーションと協働機会の減少
先ほど身動きが出来ず、壁に囲まれた社員が増えている、という表現を行いましたが、そうした社員が
「壁」から抜け出そうとしても、周囲の上司や同僚からサポートを受けることもできず、一人立ち往生したまま今の閉塞状況から抜け出すことができない。
という現状が、今の職場の辛さを物語っています。
コミュニケーションは同僚との横のコミュニケーションと、上司との縦のコミュニケーションの2つが存在します。それぞれを見ていくと、
まずは横のコミュニケーションです。会社の方向性や将来の展望が見えにくい状況でも、一緒に働く同僚と協力し、支え合うことで前向きな意欲を維持することが出来れば、まだ現状を打開できる可能性があるのですが、周囲から受けるサポートに代表されるような、「横方向(同僚関係)におけるコミュニケーションや協働機会」が十分に確保されない状況では、同僚からの励ましや支援を得る機会が減り、閉塞感を感じるようになっていることがわかります。
さらに一体感の状況をみると、
お互いの仕事が細分化されてしまい、仲間と協力しながら物事を進める機会が減っていくのに伴い、「組織として仲間と仕事を進めている」という「一体感」を感じることが無くなり、閉塞感を感じるようになることが明らかになっています。
次に縦のコミュニケーションを見ると、
部下にとって、上司の助言や支援は閉塞状況を打破する重要な方策の1つであり、仕事を進める中で分からないことや上手くいかないことが生じた場合、上司の助言を通じてその状況を打開できる場合があります。しかし、「上司とのコミュニケーションの機会が少ない組織」では、上司から十分なサポートを受けることができず、孤立無援となり、閉塞感を感じる事態に陥ってしまいます。
ちなみに、この上司とのコミュニケーション機会の有無については、2010年から2012年にかけて、「ある」と答えた層が58.3%から46.2%へと大幅に減っています。当社としては、この背景には管理職の「プレイングマネジャー化」の一層の進展や、成果主義に伴う業績達成へのプレッシャーの強化などにより、管理職が部下の指導・育成に時間を割けなくなった事情があると考えています。
今回は成長機会とコミュニケーションの減少について見ていきました。次回は閉塞感を生みだすもう一つのメカニズムを解説します。
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