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「分解・分類」は、分かりやすく書くための超・基本
技術屋のためのドキュメント相談所
「分解・分類」は、分かりやすく書くための超・基本
IT技術者経験をバックグラウンドに、技術系の専門的な情報を「分かりやすく書く」スキルの指導を得意とするドキュメント・コンサルタント。技術者向け文書作成研修経験多数。
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こんにちは。技術屋のためのドキュメント相談所長の開米です。
複雑な技術情報をわかりやすく! 書くための重要なポイント、それは「分解」「分類」です。見かけは単純な作業なんですが、これをやっていないために理解しづらくなっている文書が世の中にはいかに多いことか・・・・
「複雑な技術情報」はどうしても情報量が多くなります。そこで、それを「分解」「分類」するわけです。それだけでわかりやすさが段違いに上がることが多いので、ぜひやるように習慣づけてしまいましょう。
分解・分類の作業の単純なイメージを載せておきます。
↑AからUまでの「大量の情報」を、適当な単位に分解した上でそれを分類し、「長所」「短所」「用途」の3種類に分類したイメージです。
「分解」するときは頭の中でやらずに手を動かしましょう。付箋紙に手書きをするか、パソコンでエディタやワープロ、描画ソフトを使っておこなうのがおすすめです。私の場合は、
- 自分でも考えがまとまっていない場合は付箋紙に手書き
- 既にある程度答えが見えている場合は Visio か PowerPoint
を使う場合が多いですね。
しかも、「分類」すると、当初見えていなかったことが見えてくることがあります。これは非常に大事なところで、「自分自身の、その問題についての理解を深める」とともに、「読者にとっても理解しやすく」書くための重要な手がかりになります。
たとえば、上記イメージで言うと「分類」することによって、「あれ? ひょっとしてこういう関係なんじゃないか?」 といった気づきが得られることがあります。たとえば上図の分類結果を見ているうちに、「長所と短所は裏返しになっているんじゃないか?」と気がつくと、こんなアイデアが沸くかもしれません。
↑長所と短所が裏返しの関係にある(例:ABCとDE)のなら、IJKLとFGHの裏返しである(1)と(2)がそれぞれ何かあるはずで、原文に書かれていなかったとしてもそれを補ってあげるほうがわかりやすくなります。
また、原文がいくら「大量の情報」だったとしても、分類してみると妙に情報量の少ない部分があったりします。「用途が一個しかないのは物足りない。他にもないんだろうか?」と考えるきっかけになるので(3)に気づいたりします。
こういう「気づき」を得るためにも「分解」「分類」は非常に大きな力を発揮するので、単純な作業ですが馬鹿にしないでやってみてください。こういう「明示されていない関係」に気がつくので、書かれていないことまで理解できるという効果、非常に非常に非常にと「非常に」を3つ重ねてつけたいぐらい大きいのですが、これを意識的に活用している人があまり多くないのが残念です。
実際にある技術解説文についてこの「分解・分類」をやっている例を別記事に書いたものがありますのでご参考にどうぞ。
【説明書を書く悩み解決相談室:誠 Biz.ID】
新技術を説明する――素材→加工→用途のフローに分ける考え方
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1111/10/news011.html
簡単な練習問題でこのワークを実習するセッションを含む公開講座も近々開催予定です。
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