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PCB廃棄物処理基本計画まえがきを分解整理してみました

PCB廃棄物処理基本計画まえがきを分解整理してみました

開米 瑞浩

IT技術者経験をバックグラウンドに、技術系の専門的な情報を「分かりやすく書く」スキルの指導を得意とするドキュメント・コンサルタント。技術者向け文書作成研修経験多数。

当ブログ「技術屋のためのドキュメント相談所」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/doc-consul/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


長雨が続いて野鳥撮影に行けないことを残念に思っている、技術屋のためのドキュメント相談所・開米です。写真は先日近所で撮影したツバメです。

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さて今日は先日開催した「開米のドキュメント道場」リアル開催第1回の話題を書きます。

「自分が仕事で扱っているとか、関心がある文書で、わかりやすく書き直したいものを持ち寄ってください。一緒に改善案を考えましょう」

という企画趣旨なので、私が予想していないような文書が持ち込まれるわけですが、たとえば今回はこういうものが出てきました。

ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画 (出典:環境省)
http://www.env.go.jp/recycle/poly/plan/191018.pdf

ポリ塩化ビフェニル、略称PCBです。現代ではあまり聞かなくなりましたが、40年ほど前にカネミ油症という公害事件を起こすなどで知られており、現在全廃に向けて取り組みが進められている物質です。

この文書の「まえがき」部分、文字数にして約1500字を扱いました。

「まえがき」を読んでいただくとわかるのですが、文字だけがベタベタと長~~~~く並んでいて、少なくとも普通の人が読む気を起こすような文書ではありません。もちろんこの計画書自体は誰もが関心を持つようなものではないのでそれはそれでいいとしても、もし一般の人に説明しようとすると大変です。

開米:なるほど、これは難しそうな文書ですね。
Aさん:そうなんですよ。だからPCB廃棄物処理というのがどんな仕事かを自分の友人に理解してもらうのは大変で・・・

 この文書を持ち込まれたAさん(注:環境省の方ではありません)が言うとおり、このままでは関係者以外には理解されないでしょう。

 そこで、私がヒントを出してAさんと一緒に整理をしてみた結果を公開します。何しろ長いので読むのはそれなりに大変ですが、その分、

文章だけでダラダラ書いたもの
分解整理・構造化して図解を含めて書いたもの

 がどれほど違うか、その差は見えやすいと思います。どうぞご覧ください。

PPTとPDFの内容は同じです。後半は分解整理・構造化のポイント解説になっています。
http://ideacraft.jp/T/PCB-note.ppt (PowerPoint版)
http://ideacraft.jp/T/PCB-note.pdf (PDF版)

 これだけ長い文書ですと、事例としてこのブログで書いたり、セミナーで使ったりはなかなかできないのですが、実際に職場で「わかりにくくて困る」文書というのはこれぐらい長いのは普通なんですよね。(中には100ページを超えるというようなのもありますし・・・)

 リアル開催の「ドキュメント道場」では、こういう課題文書の持ち込みを歓迎しています。あなたが気になった「わかりにくい、けれど自分では改善案が思いつかない」そんな文書をお持ちください。一緒に考えましょう。

 次回のドキュメント道場リアル開催の予定は近々お知らせします。

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エンジニアのための伝わる書き方講座 (2014/6/28発売)
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