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日本が発展していく、3つの理由
»2010年11月24日
「さあ、エコジョイしよう!」
日本が発展していく、3つの理由
2008年より“地域再生の仕掛けニスト”として活動しております。 主な活動内容はコチラにまとめております。 http://matome.naver.jp/odai/2138270881064964401
当ブログ「「さあ、エコジョイしよう!」」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/ecobrand/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
以下の記事を読んで、違和感を感じました。人口減少予測はほぼ確定した未来であるために、異論の余地はありませんが、それによって経済が縮小していくことが、どうして衰退に繋がるのかが分からないのです。
まず、そもそも国家の適正人口がどのくらいか、という議論があります。人口論では有名な、マルサス理論というものがあります。農業を主体とした社会においては、収穫量は投下した労働量に比べて次第に逓減していくという理論でしたが、大規模産業化や化学肥料、品種改良の成果によって、この「マルサスの罠」は起こらずに20世紀は人口が爆発した世紀となりました。
つまり、労働力というのは量の問題ではなく、質の問題であると定義することができます。20世紀は科学技術の発展によって食糧生産という生死に関わる問題をクリアしましたが、20世紀後半からはより多くの分野での発展が見込める基礎技術が確立されています。
1.労働の質に対するイノベーション
日本がトップクラスの技術を誇る分野には、LSI技術があります。スマートフォンから太陽光発電まで、集積回路の技術力においては日本は韓国と争う位置におり、いずれにしても今後の情報化社会の趨勢を握る立場にあります。
また、PCR法の確立によって、バイオサイエンスの分野は飛躍的な発展を遂げました。20世紀が化学による産業発展の歴史であったならば、21世紀は生物模倣(バイオミミクリー)による産業発展の世紀となるとも言われており、医療や環境の分野においての応用技術が有望となります。
この分野においては、今後発展するであろう中国やインドのアジア圏と気候や文化が近い日本は、技術移転をするのに有利な立場となります。アジア圏においていち早く産業を発展させた日本が、今後これらの国々が「マルサスの罠」に嵌まらないために果たすべき役割は大きく、フロントランナーとして産業革新を実現していく立場となります。
日本の第一次産業は、類い稀なる好条件によって窒素、リン、カリウムという三大栄養素が自給できる環境にあります。農業技術は今後、これらの栄養素を微生物の力を使って発展させるフェーズに突入しますが、アジア圏において同じ水稲文化の国がフロントランナーを走っていることは非常に心強いことでしょう。
2.高い労働意欲
これらのイノベーションを支えるのは、日本人が誇る勤勉性です。たとえ定年を迎えても、働き続けたいと語る高齢者が多い希有な国であり、そのような人材が農業などに参入し続けている状況となっています。農業生産については、前述のとおり科学技術によってイノベーションがいち早く達成されており、農業で生計を立てる必要のない高齢者層がどんどん参入すればそれだけ余剰生産物が増えていきます。
少子化においては、1人の子どもに投下できる資本が増大することを意味しますから、これら高齢者層が支える社会福祉モデルというものを構築することも可能です。つまりまだまだ働ける高齢者たちが、子孫のために自然資源を活用して自給率を高めていけば、教育や生活にかかるコストを低減することができます。
実際に、いろどりモデルと呼ばれる徳島における事例では、元気な高齢者の活躍によって自治体の歳入が増加し、孫への教育投資が増加したという実例があります。高齢者をお荷物にしているのは戦後につくった勝手な制度であり、それによって紋切り型で高齢者が働けない世の中にするのは大きな損失でしょう。
3.民間主導による導入容易性
人間は保守的な生き物であると言われていますが、日本人はどちらかというと新しい物事を導入するのに積極的であるように感じます。黒船の来航から日露戦争までをわずか50年で走り抜け、終戦を迎えてアメリカ主導の経済発展を受け入れて25年で世界2位の経済大国となった経験を持っている国です。
つまり、産業の革新になるような技術をいち早く取り入れて自分のものにすることが得意な国であり、それはどちらかと言えば民間の活力によって支えられている分野でもあります。前提となるのが教育水準の高さであり、明治維新後の廃藩置県や地租改正が一気に進んだのも、江戸時代の寺子屋による教育が大きかったと言われています。
逆に言うと、現在はゆとり教育と揶揄されている世代においては、若いうちからデジタルネイティブとして多くの情報に触れられるメリットが大きく作用しそうな現象が起こり始めています。16歳で公認会計士に合格したり、うめけんくんをはじめとした世代はソーシャルメディアを駆使して海外と普通に繋がっていたり、これまでは考えられなかったような可能性を開花させています。ここまでITツールを使いこなしている若者たちがいるのは、日本くらいのものでしょう。
ニューズウィークの内容に反論して、概ね楽観的に書いてまいりました。でも、近い未来の予測としては要点は外していない自信もあります。そしてそれらを裏付けるために、しっかりと元気な日本社会を次世代にバトンタッチしていかなければいけないのだと、私自身も決意を新たにした次第です。
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日本が衰退していく、3つの理由
「日本人が理解していないのは、経済の病状が歪んだ人口動態と複雑に絡み合っていることだ。この問題に取り組まない限り、日本の衰退はどうしようもなくなる。その理由は3つある」
同誌が指摘する3つの理由とは、労働力人口の減少、引退世代に対する現役世代の数の減少、そして高齢化と人口減少によって需要減少、である。同誌はこのうち労働人口(15~64歳)の減少を最も重要な問題と指摘している。労働力の減少率を生産性でカバーしない限り、アウトプットすなわち総生産は減るという理屈だ。「1995年には8700万人でそれがピークだった。それが2050年には約5200万人となり、第二次大戦直後とほぼ同じになると推定されている」
まず、そもそも国家の適正人口がどのくらいか、という議論があります。人口論では有名な、マルサス理論というものがあります。農業を主体とした社会においては、収穫量は投下した労働量に比べて次第に逓減していくという理論でしたが、大規模産業化や化学肥料、品種改良の成果によって、この「マルサスの罠」は起こらずに20世紀は人口が爆発した世紀となりました。
つまり、労働力というのは量の問題ではなく、質の問題であると定義することができます。20世紀は科学技術の発展によって食糧生産という生死に関わる問題をクリアしましたが、20世紀後半からはより多くの分野での発展が見込める基礎技術が確立されています。
1.労働の質に対するイノベーション
日本がトップクラスの技術を誇る分野には、LSI技術があります。スマートフォンから太陽光発電まで、集積回路の技術力においては日本は韓国と争う位置におり、いずれにしても今後の情報化社会の趨勢を握る立場にあります。
また、PCR法の確立によって、バイオサイエンスの分野は飛躍的な発展を遂げました。20世紀が化学による産業発展の歴史であったならば、21世紀は生物模倣(バイオミミクリー)による産業発展の世紀となるとも言われており、医療や環境の分野においての応用技術が有望となります。
この分野においては、今後発展するであろう中国やインドのアジア圏と気候や文化が近い日本は、技術移転をするのに有利な立場となります。アジア圏においていち早く産業を発展させた日本が、今後これらの国々が「マルサスの罠」に嵌まらないために果たすべき役割は大きく、フロントランナーとして産業革新を実現していく立場となります。
日本の第一次産業は、類い稀なる好条件によって窒素、リン、カリウムという三大栄養素が自給できる環境にあります。農業技術は今後、これらの栄養素を微生物の力を使って発展させるフェーズに突入しますが、アジア圏において同じ水稲文化の国がフロントランナーを走っていることは非常に心強いことでしょう。
2.高い労働意欲
これらのイノベーションを支えるのは、日本人が誇る勤勉性です。たとえ定年を迎えても、働き続けたいと語る高齢者が多い希有な国であり、そのような人材が農業などに参入し続けている状況となっています。農業生産については、前述のとおり科学技術によってイノベーションがいち早く達成されており、農業で生計を立てる必要のない高齢者層がどんどん参入すればそれだけ余剰生産物が増えていきます。
少子化においては、1人の子どもに投下できる資本が増大することを意味しますから、これら高齢者層が支える社会福祉モデルというものを構築することも可能です。つまりまだまだ働ける高齢者たちが、子孫のために自然資源を活用して自給率を高めていけば、教育や生活にかかるコストを低減することができます。
実際に、いろどりモデルと呼ばれる徳島における事例では、元気な高齢者の活躍によって自治体の歳入が増加し、孫への教育投資が増加したという実例があります。高齢者をお荷物にしているのは戦後につくった勝手な制度であり、それによって紋切り型で高齢者が働けない世の中にするのは大きな損失でしょう。
3.民間主導による導入容易性
人間は保守的な生き物であると言われていますが、日本人はどちらかというと新しい物事を導入するのに積極的であるように感じます。黒船の来航から日露戦争までをわずか50年で走り抜け、終戦を迎えてアメリカ主導の経済発展を受け入れて25年で世界2位の経済大国となった経験を持っている国です。
つまり、産業の革新になるような技術をいち早く取り入れて自分のものにすることが得意な国であり、それはどちらかと言えば民間の活力によって支えられている分野でもあります。前提となるのが教育水準の高さであり、明治維新後の廃藩置県や地租改正が一気に進んだのも、江戸時代の寺子屋による教育が大きかったと言われています。
逆に言うと、現在はゆとり教育と揶揄されている世代においては、若いうちからデジタルネイティブとして多くの情報に触れられるメリットが大きく作用しそうな現象が起こり始めています。16歳で公認会計士に合格したり、うめけんくんをはじめとした世代はソーシャルメディアを駆使して海外と普通に繋がっていたり、これまでは考えられなかったような可能性を開花させています。ここまでITツールを使いこなしている若者たちがいるのは、日本くらいのものでしょう。
ニューズウィークの内容に反論して、概ね楽観的に書いてまいりました。でも、近い未来の予測としては要点は外していない自信もあります。そしてそれらを裏付けるために、しっかりと元気な日本社会を次世代にバトンタッチしていかなければいけないのだと、私自身も決意を新たにした次第です。
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