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映画「ソーシャル・ネットワーク」公開の意義
»2011年1月12日
コンテンツとメディアの近未来
映画「ソーシャル・ネットワーク」公開の意義
山口哲一(音楽プロデューサー)と、ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)によるプロデューサー・ユニット。インターネット上のソーシャル・マーケティングを実践的に研究。エンタメ・コンテンツとソーシャルグラフの関係を分析し、具体的なプロデュースワークにフィードバックする活動を行っている。2011年に『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)を刊行。 2012年4月よりトークイベント『sensor 〜it&music community』を開始。毎月完売の人気イベントになっている。 https://www.facebook.com/happydragon.page
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今週末、映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開されます。
世界最大のSNS「フェイスブック」の創業者、
マーク・ザッカーバーグの伝記的映画です。
マーク・ザッカーバーグの伝記的映画です。
私は、昨年秋に慶應大学で行われた試写会で観ました。
正直、観る前には、サービスとしてイマイチ掴みきれない「フェイスブック」への
理解が深まるかなという、仕事的な下心もあったのですが、
その期待は全然満たされませんでした(笑)。
その期待は全然満たされませんでした(笑)。
主人公が、恋人に振られた腹いせにウエブサービスを始めるという
シーンはありますが、「フェイスブック」というサービスが何故、
アメリカで成功したのかのヒントはありません。
シーンはありますが、「フェイスブック」というサービスが何故、
アメリカで成功したのかのヒントはありません。
既に、「フェイスブック」の存在がアメリカでは当たり前すぎて、
描く必要が無いのかもしれませんね。
描く必要が無いのかもしれませんね。
これからご覧になる方のために,ネタバレは避けますが、
今日的な青春サクセスストーリーとして観れば、とても面白いです。
アメリカでは、昨年秋に公開され、興行的にも成功しています。
(Wikipediaによると北米2771館で封切られ、公開初週末3日間で
2244万5653ドルを稼いで初登場1位だったそうです。)
2244万5653ドルを稼いで初登場1位だったそうです。)
アカデミー賞の有力候補とも言われています。
監督は『エイリアン3』や『セブン』を撮ったデヴィッド・フィンチャーで、
サウンドトラックは、「ナイン・インチ・ネイルズ」のトレント・レズナーですから、
適度にエッジ感もあり、エンタテインメントしても楽しめます。
現在進行形の事実に基づいているので、創業者同士の仲間割れなど、
生々しい部分も、しっかり描かれています。
生々しい部分も、しっかり描かれています。
ちなみに、ザッカーバーグ本人は「主人公が着ている服だけは、
自分が学生の頃と同じだ(つまり他は、事実とは違う)」
と言っているそうですね。
自分が学生の頃と同じだ(つまり他は、事実とは違う)」
と言っているそうですね。
ということで、映画としては、お薦めですよということなのですが、
ちょっと違う観点でも論じさせてもらおうと思います。
マック・ザッカーバーグは1984年生まれです。
20代の若者の伝記映画というのも珍しいと思いますが、
そもそも伝記的な青春映画の主人公にIT企業の創業者が選ばれていることに
私は注目しました。
20代の若者の伝記映画というのも珍しいと思いますが、
そもそも伝記的な青春映画の主人公にIT企業の創業者が選ばれていることに
私は注目しました。
以前なら、青春映画の主人公は、スポーツ選手かミュージシャンだったような
気がします。
気がします。
1960年代のジョン・レノンの頃から、古い権威から若者をして、
熱狂的支持をされたのは、ロックスターでした。
今、若者から支持される革命家の役割がロックスターから
IT創業者に移っているような気がします。
熱狂的支持をされたのは、ロックスターでした。
今、若者から支持される革命家の役割がロックスターから
IT創業者に移っているような気がします。
日本にも同様に感じることがあります。
例えば、ソフトバンク社長の孫正義さんの言動は、非常にトリックスター的だと
感じています。
感じています。
社会の気分として、以前なら、ロックスターが担っていた場所に孫さんがいるように
思えるのです。
思えるのです。
危うさとロマン(と、少しのペテン)が、入り交じった言動は、
大衆の心をつかみます。
大衆の心をつかみます。
個人的には、人気ロックアーティスト、たとえば、矢沢永吉さんや布袋寅泰さんの様な
ビッグアーティストに担ってもらいたいという願望があるのですが、
昨今は、むしろミュージシャンは、煽動者ではなく、人格者になっているように
感じます。
感じます。
子供の頃から音楽が好きで、音楽の仕事をしている者としては、
正直、寂しい気持もありますが、それも、時代の要請なのかもしれませんと思ったり。
正直、寂しい気持もありますが、それも、時代の要請なのかもしれませんと思ったり。
この映画も「ソーシャルメディア」が社会の中心になることを象徴しているのだと
思います。
思います。
あまり映画のお薦めにはなりませんでしたが、
まずは、映画「ソーシャル・ネットワーク」をお楽しみ下さい!
山口哲一(音楽プロデューサー・株式会社バグコーポレーション代表取締役)
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