誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
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10年後を見据え、今の30代について考える
当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
2015年。年初のブログとなるため、あらためてごあいさつ申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
今年、私は2つの節目を迎えます。1つは、起業10年目を迎えること。もう1つは、人材育成の仕事に携わるようになってから、まる20年が経つこと。ここまで続けることが出来たのは、多くの人のご支援あってのこと。この場を借りて感謝申し上げます。
そこで今回は、20年間で最も力を入れて取り組んできた「30代の強化」について、30代とその層の人材育成に携わる方、30代の部下を持つ方と共有しておきたいことを書きます。
10年後の組織のイメージ
10年後の2025年。東京オリンピックも開催され、今の30代が40代になっている頃はどんな社会になっているでしょうか?全く予想もつきませんが、このような議論の中でよく使われるのが、人口ピラミッド図。下図をご覧下さい。2025年の人口動態です。
わかりやすいように、現在の30代の位置に赤枠をつけました。特に注目したのは図の「青い部分」。この部分は「主たる働き手」となる層です。私が図をみて瞬間的に思ったこと。それは、10年後の組織では
・50代、60代のベテラン層が多い
・20代、30代の若手~中堅が少ない
・子育て世代と介護世代が混在
・海外からの人材の活用、または、海外拠点の責任者としての赴任の可能性
・市場から必要とされる商品やサービスが大きく変わる可能性
などです。
現在の30代が置かれている位置づけ
現在の30代層の位置づけとして特徴的なのは、消費世代のボリュームゾーンが、自分達よりも上の世代にあることです。このことから推察されるのは、常に、自分達よりも年上の人たちに対する商品やサービスの開発・提供に主な投資が回り、自分達や自分達より若い世代への投資が控えられる可能性があるということです。
このことを示す1つの考え方として、最近の80年代ブームや、1970年代に流行したアニメや商品が再注目されているのも、今、意思決定に当たっている人が誰かを考えると、わかりやすいのではないでしょうか。
このことから言えることは何か。「自分達がやりたいこと、やってみたいことが、理解されにくい(または、わからなくなっている)世代」だということです。
本来、30代に求められていることは、お客様や取引先に最も近い立場で情報を得て、それを組織にフィードバックし、問題や課題の解決を図るための提案をしていくことです。あるいは、自分がやってみたいこと、やりたいことを提案し、形にしていくことです。また、それが出来る活力があり、失敗もその後の糧となる時期です。
しかし、企業で研修企画のためにお話を伺うと、「上の層は元気があるが、下の層(30代前後)に活力がない」という話がよく出ます。この要因の背景に、上述のことがあるのかもしれません。ただ、実際に30代層と接すると、業務遂行力は非常に高いです。また、問題解決などのテーマで取り組んでもらうと、それぞれに問題意識はあり、その着眼点も鋭いものがあります。一方で、自分の中から沸き起こってくるもの、自分にしかできないこと、自分がやりたいこと、といった「欲」のようなものは薄い様子です。これが、上の人たちからみると「活力がない」と見える要因なのかもしれません。
30代に活力を取り戻す?ために
30代に活力がなくても、それ以上の世代ががんばればいいじゃないか・・・という意見もあるかもしれませんが、私は、国も組織も、30代が夢を持って取り組めていると、魅力が増すように感じています。周囲や自分の経験からも、30代は「可能性に溢れている」と思います。(気力や体力の面も大きな影響があると考えます)その可能性の芽を引き出し育むこと。それが、10年後の社会を見据えたときに、必要な取り組みだと感じています。
それでは、どのように可能性の目を引き出し、育むか。それは、30代で次のことに意識を向け、行動することです。
1.自分の仕事にテーマ(夢・希望・やってみたいこと)を見つけること
2.自分のやりたいことを周囲に伝え、提案(し続けること)と自分のできる範囲でやり始めること
3.社外の人との交流を持つこと
です。
誠ブログをご覧になっている30代であれば、既に取り組んでいらっしゃることでしょう。ですので、諦めずに粘り強く取り組んで欲しいと思います。また、本稿をご覧になった方が、30代の育成に携っている、あるいは、上司というお立場であれば、30代の状況をご理解いただき、出来れば、現在の30代に、1.に関する対話をすること、2.~3.に必要な取り組むきっかけや場をつくって欲しいと思います。また、その取り組みは、成果を期待せずに、投げかけだけで十分です。あとは、任せてみることです。
なお、1.~3.の考え方は、世代を問わない考え方です。今回は、特に意識的に働きかけが必要な層として、30代に焦点をあてました。
30代が、10年かけて色々なことを考え経験できれば、人口動態からは推し測れない、新しい世界が生まれているかもしれません。
それでは、2015年もどうぞ宜しくお願いいたします。
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毎回好評をいただいている、人材育成ご担当者様同士の交流などを兼ねた、ワークショップを開催致します。
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