誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

脱雁字搦め:嫌な状況から抜け出すコツ

脱雁字搦め:嫌な状況から抜け出すコツ

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


脱ガンジガラメ・・・お題をいただいてから、「何を書こうか~」と、ずっと考えていたものの、「これだ!」と思えるテーマがなかなか見つからず、とうとう8月も末日を迎えてしまいました。ブロガーの皆さんの寄稿も、いつもよりもシャープさにかけるような・・・(笑)。その理由を考えてみたところ、ブログを書くような人たちは、ガンジガラメな状況が何よりも嫌いで、そうならないようにされているからではないでしょうか?そこで今日は、どうしたら自分にとって嫌な状況から抜け出せるかを考えてみました。

ガンジガラメとは?

せっかくなので、"ガンジガラメ"とは何か?を調べてみました。大辞泉によると、次のように記載されています。

がんじがらめー雁字搦め:1.紐・縄などを縦横に幾重にも巻きつけて、厳重に縛ること。 2.束縛が多くて自由な行動が全くとれないこと。

ちなみに「雁字」は、1.雁(がん)が一列に並んで飛ぶさまを文字に見立てていう語。2.手紙。雁書。「搦む」は、 物に巻きつく。巻きついて離れなくなる。まといつく。 他の物事が密接に結びつく。 理屈をこねたり、無理を言ったりし ...

だそうです。"何かに縛られて、身動きが取れない"⇒"自由がない"⇒"嫌な状況"という解釈で、話を進めたいと思います。

私のガンジガラメ経験 1 

生命保険会社から、転職が決まっていた人材育成会社に就職するまで、約1ヶ月間、事務系のアルバイトをしたことがありました。そのアルバイトは、次のようなものでした。朝、決められた時間に出社し、責任者の方からいただいた仕事を、指示通りに(FAXでいただいた受注票を、OCRに転記する)、それを決められた時間内でできるだけ多く、ミスなく処理する。それをひたすら繰り返す仕事でした。

その仕事に取り組み感じていたことは、"同じ場所で、同じ時間、同じことの繰り返しを毎日するのは、私には向いていないな~。"そして、"アルバイトで経験しておいてよかった。就職だったら、営業に異動願いださなくちゃ、もたないかも~。"ということでした。

この経験から、"自分は、物理的に縛られる環境が向いていない"ということがわかり、物理的に縛られにくい環境を得よう、得ようとしてきているということでした。そして現在、"起業"という道にたどりついたのも、自然な流れであるといえるのでしょう。

このことから、"自分に合わないこと"、"向かないこと"、"嫌なこと"というものを知るために、まずは、色々経験してみることは大事だと思うようになりました。

私のガンジガラメ経験 2

私が社員として営業に携わっていた頃は、成果さえあげていれば、細かなことは言われずに済んだ時代でした。直行・直帰、有給休暇の取得、働く時間(一応決められた時間はありましたが、自分である程度コントロール可能でした)など、物理的に縛られる要素はほとんどありませんでした。

しかし、その一方で、次の2つの要素は発生しました。(というか、今でも発生しています)1つは、「売上のプレッシャー」。もう1つは、「人間関係」。

売上のプレッシャーは、目標数字が達成できている時はいいですが、売上というのは、いい時もあれば、良くない時もある。特に起業後は、売上=自分の生活に直結です。赤字=借金を意味します。"売上が上がらなかったらどうしよう・・・"という心配は、年がら年中です。その心配をし始めると、そのことばかりに気を取られ、気持ちに余裕がなくなります。

気持ちに余裕がなくなると、人の言動が気になり始めます。すると、相手が自分に言ったことが、相手はそのつもりが全くなくても、悪く解釈したり、相手への対応がきつくなったりし、結果として人間関係に悪影響を及ぼします。

これは、物理的に縛られるよりもタチが悪いのです。というのは、本人にまったく自覚がないまま、心理的に縛られている状況だからです。

脱ガンジガラメ~嫌な状況から抜け出すコツ~

ある時私は、「どうしたらお金の心配をしなくて済むだろう?」と考えました。そして、人の話を聞いたり、書籍を読んだりしていました。しかし、なかなか良い解決策は見つかりません。それどころか、考えれば、考えるほど、良い解決策が得られないため、余計心配が増大します。

心配で心配で仕方がない状況の時に、ある本に次のようなことが書かれていました。

                「考えるのを止める」

「え?」と思いました。その本では、更に次のようなことが書かれていました。「嫌なこと、心配なこと、不安なこと、そうした状況を脱け出したいはずなのに、あなたは、そのことばかりに囚われ、ずっと考えていませんか?そして、考え続けても答えがでないのに、考え続けていませんか。あなたの大切な時間を、あなたはずっとそのことばかりに費やしています。あなたにとって、もっと大切なこと、楽しいこと、喜ばしいことを考えることもできるはずなのに、です。」

この一文は、かなり衝撃的でした。

そうです。私は、自分が嫌だと思うことをずっと考え続け、答えが出ないにも関わらず、多くの時間をかけ、無駄に過ごしていたのです。こうした心配をする代わりに、私がやるべきことは、

                「出来ることをする」

ことでした。「売り上げを上げるために、できること」というのは、例えば

・お客様に電話をかける、メールを送る、取引先に訪問する

・お客様に喜んでいただけそうな、新しい企画を作る

・オフィスを片付けて、いい仕事ができる環境をつくる

など、何でもいいのです。心配することから離れ、今の時間を無駄にせずに、できることを見つけてしっかり取り組む。それが大事であるといったことが書かれていました。

このことを知り、"心配するよりマシかも"と考え、その時は、オフィスをきれいにしました。すると、不思議なことに、日頃からお付き合いのあるお客様からご連絡が入り、仕事をいただくことができたのです。

この時以来、"お金のことが心配"になった時は、自分が"心配している"ことにできるだけ早く気づき、自分が今できることは何かを考え、すぐに行動に移すことにしています。その際の+αのコツとしては、できれば、自分がどのような仕事を期待されているかをしっかりつかみ、その期待を超えるためにできることをする。すると、ベクトルが合い、スムーズに物事が進みます。

この考え方は、お金以外のことでも一緒です。人間関係やその他の心配ごともです。自分が、心理的にガンジガラメであることに早く気づき、前向きに出来ることをする。そうすることで、自分にとって嫌な状況から早く抜け出すことができます。

今日のまとめ

物理的にガンジガラメな状況にある人も、実は、心理的なガンジガラメを脱け出す方法=「出来ることをする」ことで、その状況を抜け出すための第一歩につながります。というのは、例えば、「朝の通勤ラッシュが嫌」ならば、「フレックスタイムの出社」や「在宅ワーク」ができないか調べてみる、理解をしてくれそうな人に伝えてみる、など、出来そうなことに1つ1つ取り組んでいくと、糸がほどけるように解決につながることがあるからです。

からまった糸も、少しずつときほぐしていけばほどけるように、今感じているガンジガラメな状況も、解決の糸口はあるはずです。まずは自分にとって、何が嫌なことなのかを明確にし、その上で、出来ることに取り組んでみてはいかがでしょうか?きっといい方向に進むはずです。