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仕事を「決めた時間内に終わらせる」本当の価値
当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
「時間内で業務を終わらせるためには?」と考え、周囲の仕事が効果的、効率的に進むように取り組んだKさんの仕事を知っていた私ではありました。しかし、数年を経た私は、そんなことをすっかり忘れ、そのために多くの人に迷惑をかけていたのでした。
一気に増えた「やらなければならないこと」
生命保険会社から人材育成コンサルティング会社へ転職し、さらに当時の上司が起業するというので、一緒に仕事に取り組むことにした私。何もないところから会社を立ち上げ、お客様に認知していただく過程は本当に大変でした。
社員時代は営業活動だけに集中していればよかったものが、会社の方向性を考えること、経理、営業活動(新規開拓~お取引先のフォロー)、研修の運営支援など、ありとあらゆる業務をしなければなりません。
更に、会社設立2年目には「社員を採用しよう」ということになり、2名の営業社員を採用。その2名が一人前になるまでは、自分で業績を上げつつ彼らの支援もしなければなりません。
今考えると、次から次へと降って湧いてくる業務をとにかくこなすために、場当たり的に仕事をしていました。
「会社に住んでるんだよね」と言われる日々
2年目の会社に余裕などあるわけはありません。とにかく業績は上げなければならない、やらなければならないことは増える一方。それを誰かにやってもらうこともできない。
周囲からは「会社に住んでる」と言われるほどの仕事量になりました。
3年目以降、営業社員が退職したので、その代わりに事務担当社員を採用。そこで一部の仕事は楽になりました。それでも私の仕事のスタイルは変わることはなく遅くまで仕事をしていました。
1通のメール
そんな仕事を続けていたある日、お仕事をご一緒させていただいている経営コンサルタントの先生から
「メールの時間がいつも遅いようですね。それでは戦略的な仕事ができないのでは?まずは19:00に終わらせると決めて仕事をしてみてはいかがでしょう?」
というメールをいただきました。
そのメールで私ははっとします。確かに、遅くまで仕事をしているので、先のことを考える時間も、気持ちの余裕もありません。また、遅くまで仕事をするスタイルになっているので、昼間の時間帯で効率的に進めればよいことも、何となく「夜やればいいや」という考え方になっていました。
また、会社も4年ほど経ち、次のステップの事を考えるタイミングにもなっていました。
そこで私は、自分の仕事のスタイルを見直すことにしました。
19:00に終わらせる
「19:00に終わらせる」と決め、まず最初に取り組んだことは、仕事の洗い出しでした。よくよく見ると、毎日は無理でも、週3日ぐらいは19:00に終わらせることが出来そうです。
しかし「19:00に終わらせる」ことの一番の敵は、自分の気持ちでした。「本当に帰って大丈夫なんだろうか(業績は落ちないだろうか)」とか、早く帰ってもやることがないので「だったら、もう少しこれもやってしまった方が・・・」と考える癖がついていたからです。
そのことを経営コンサルタントの先生に打ち明けると、「周りのためですよ」と言われました。
私は好きで仕事をしているかもしれないけれども、周りにも都合があり、できればプライベートな時間も大切にしたい。私は、自分のことに精一杯で、周囲の事に気がついていなかったのです。
周りの事に全く気が付いていなかった自分。そのことに気づき、時間と言うのは、自分さえよければいいというものでもないという当たり前のことに改めて気づかされたのでした。
「場当たり的」な仕事から「余裕を持った」仕事へ
19:00に終わらせるよう努力してみると、自然に心にも身体にも余裕ができたのでしょう。それにより、少し先を見ながら仕事をすることができるようになります。
それまでは、「これをやってほしい」「あれをやってほしい」と急に依頼することが多かったのが、余裕を持って「いついつまでにお願い」と言えるようになり、仕事相手も段取りがしやすくなったようでした。
また余裕ができたため、将来取り組むべき仕事に関する情報収集をし、新しい仕事のテーマを考えることもできるように。
仕事のテーマを考えることができたことは、後からわかることですが、とても貴重なことでした。
時間を決めて仕事をすることというのは、「業務の見直し」レベルの話ではなく、「周囲のため」でもあり、「将来の準備」にも必要という話だったのでした。
次回は、「自分らしい仕事」についてお伝えします。
本ブログは、職場で20代(若手)を育てたい方のために、どなたでも、5分でできる人材育成のヒントをご紹介しています。