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上司の言動に一喜一憂の20代

上司の言動に一喜一憂の20代

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

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20代の会社員時代、営業をしていた私にとって「やりたいこと」というのは、「営業そのもの」でした。それ以外に「やりたいこと」は全くありません。基本的に「やりたいこと」というよりも「会社から設定された目標」に取り組み、お客様に喜んでいただけたり、目標達成により評価されることが喜びであり、やりがいでした。

毎年1~2割目標が上がるのはなぜ?

会社の目標と言うのは不思議なもので、1度目標達成、或いはそれに近づけることができると、その次の期の目標は、自動的に前に達成した業績の1割~2割増しです。

この根拠を、自分なりには、毎年継続する仕事が大体7~8割。それをベースにしながら自分を成長させることで+αの仕事を獲得する、その成長分が3~4割。継続分と成長分で対前年比1~2割増しなのかなぁ・・・と解釈していました。

そんな解釈をしつつ迎えたある年の期初の目標設定面談。上司から「それじゃぁ原田さん、今年は〇〇〇でお願いね」と言われました。毎年同じように上がっていく数値なので、大体自分でも予測はしていたのですが、その話に「わかりました」と答えると、それでおしまい。後は取りとめもない話に。

数値以外の期待が欲しい・・・

しかしその面談後、私はなぜかとてもがっかりしました。それは「会社としてはこういう方向でやっていきたいから、この売り上げはこのように頑張って欲しい」とか、「原田さんには、こういうことを期待しているから、今年は数字だけでなくこんなところも頑張ってほしい」とか、そういう話がなかったからです。

そして「営業って、数字稼ぎマシンなんだ・・・」

と、感じたのです。

その後、仕事そのものは好きなので一生懸命取り組みましたが、ただ「数字だけ」を期待されるのであれば、この会社で私が仕事をする意味って何なんだろう・・・ということを、繰り返し考えるようになっていきました。

そんな、ある意味モチベーションがあがりきらない状態で、他の上司とのコミュニケーション上にいくつかの問題が発生します。私のモチベーションは更に下がり、「この会社で仕事をしていくのつらいな・・・」という気持ちが芽生えます。

 

そしてある日、一番身近な先輩から「私、会社を辞めて起業しようと思うから、一緒にやらない?楽しい会社をつくろうよ」と声がかかります。

その一言で、急に目の前が明るくなるような気がしました。

なぜならば、私が求めていた「会社の方向性」や「私がそこにいる価値」を感じられる言葉だったからです。

・・・とまぁ、「自分がやりたいこと」や「目標」がなかった私は、周囲の影響を多大に受け、一喜一憂していました。そして「楽しい会社をつくろうよ」という先輩の「やりたいこと」に乗っかることに。

この話の続きは次回に。