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損をするのは誰?ー今はお得。でも、将来は?
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GW中に旅行をされた方も多いことでしょう。私も国内旅行に行ってきました。そこで、今後の人材育成に必要な視点と思えることがありましたのでご紹介します。
インターネットの活用なくして、旅行は成り立たない
旅行や出張などで宿泊先を選ぶ際、どのように選んでいるでしょうか?私は、以前は、雑誌から人気の宿泊先情報を得て、インターネットの予約サイトの口コミ欄を確認し、その中からプラン内容と価格を比較し予約していました。
しかし今は、雑誌などで情報収集はしなくなりました。全て、インターネットの予約サイトを中心に情報収集し、特に口コミ欄を参考にしながら宿泊先を決めています。
面白いことに雑誌などで情報収集していた時よりも、「お値打ち感」は増しています。
その理由は、口コミ欄を見る際に2つの視点で見ているからです。1つは、口コミ欄の「コメント」です。高評価のコメントももちろん参考になりますが、より参考になるのは「低評価」のコメント。どのようなことに対して低評価なのか。個人の感じ方、タイミング、すぐに改善が可能な内容なのか、その度合いと価格のバランスを見て判断できるからです。
そしてもう1つは、低評価のコメントに対する、「宿側の対応コメント」。対応コメントを見て、似たような低評価コメントが続いていなければ、利用する価値ありと判断しています。
インターネットにより、実質的な情報収集ができる上に、旅行会社などに申し込む手間も省ける。インターネットの活用無くして、旅行は成り立たないなぁと感じています。
しかし、利用者側としては良いのですが、最近気になっていることがあります。それは、「価格が安すぎるのではないか・・・」ということです。
安すぎることへの懸念
利用者の立場から、インターネットの予約サイトの活用は、プラン内容に大きな違いがないと感じられれば、1円でも安い方を選ぶでしょう。(或いは、ポイントなどの加算から、よく利用する予約サイトを活用するでしょう)安ければ安いほど、得した気分になります。
しかし最近、人気の安いプランの価格に、全体の価格が引き下げられているように感じます。例えば、本来1泊2万円取れる内容で、提供価格が1万4千円~1万8千円に。1万5千円取れる内容で、提供価格が1万円前後~1万2千円に。大体1割~3割は価格を低くしているような印象です。
以前は、宿泊で利益が出にくい分を、飲料(アルコール類の提供)、付帯施設利用、お土産の売上、或いは団体利用で補っていましたが、今は、「余分なお金は使わない」時代です。そうした売り上げも利益が見込めるほどとは思えません。
利用者側としては、安いにこしたことはないのですが、提供者側に立つと「このままでやっていけるのだろうか・・・」と、心配になります。
情報の偏りは、長期的には「買い手」の損につながる
「情報の非対称性」という理論をご存知でしょうか?1970年代に、提供者側が正確な情報を発信しないことで、消費者は価格のみを判断材料とするため、安い物ばかりが世の中に出回るようになり、その結果市場が多くの劣悪品によって占められることを伝えた理論です。
そして現在は、インターネットなどの普及により、提供者側は正確な情報を発信できる環境にありますが、現実は必要最低限の情報発信しかできていない上、更に消費者の口コミ情報が付加されるため、情報のバランスは以前にも増して悪くなっているように思います。
このバランスの悪さを解消するためにできること。それは、まずは提供者自身が自社商品やサービスに期待される基本的な価値をしっかり把握することです。
次回は、「基本価値」について考えます。