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仕事の質がぐっと高まる、理論やケースの活用法

仕事の質がぐっと高まる、理論やケースの活用法

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


ご自身、或いは職場の仕事の質を高めるために、書籍やネットの情報から、様々な理論やケースを学ぶ。しかし、どうも上手く使いこなせない。そんな風に感じることはないですか?そこで今日は、理論やケースを自分なりにアレンジして、仕事に生かす方法をご紹介します。

「顧客価値」を例に考えてみる

いつの頃だったか、「顧客感動サービスを目指そう」といったことが、流行った時期がありました。その時私は、自分が買い手の立場であれば、感動すれば間違いなくリピーターになることから、その考え方を肯定的に捉えていました。しかし、肯定はしたものの、感動するようなことはそうそうないことや、全てのことに当てはまらないように感じ、もやもやした状態が続いていました。

そんなもやもやを抱えていた時に知ったのが「顧客価値」という考え方でした。顧客価値の考え方は様々ありますが、ベーシックかつ、使えそうだと思ったのが、図にまとめた2つの考え方でした。

1つは、「顧客価値の4段階」という考え方です。顧客が期待する価値には4つのレベルがあることを伝えています。
もう1つは、「純顧客価値」という考え方です。お客様が得る価値は、お客様が得られる価値から、その商品・サービスを選択するまでのプロセス、購入後のプロセス、廃棄時のプロセスまでを顧客にかかる負担=コストと捉え、価値がそれを上回る場合に、本当の意味での顧客にとっての価値が発生するという考え方です。

 

顧客価値の再確認.GIFのサムネール画像のサムネール画像さて、このような考え方はこうして提示されると「なるほど!」と思えるのですが、それを具体的に自分事に置き換えて考えると、意外と難しいものです。

そこで私は、「顧客価値の4段階」と「総顧客価値」を表にしました。そして、自分が洋服を買う時の2店舗を比較してみることにしました。すると、面白いことに気づいたのです。(両ブランドとも、同じデパートの中にある、似たような価格帯のお店です。両店は隣り合っているので、立地条件もほぼ一緒です。)

価値の段階

顧客価値

Aブランド

Bブランド

予想外価値

省略

特になし

特になし

願望価値

製品価値

サービス価値

従業員価値

イメージ価値

⇒「こういうのが欲しかった」

という商品が見つかる確率高い

⇒必要なサイズを、他の店舗からも取り寄せてくれる

 

期待価値

製品価値

サービス価値

従業員価値

イメージ価値

⇒品質がよく、サイズもある

⇒買いやすい価格帯

⇒提案力がある

⇒人気ブランド

⇒デザインが良い

⇒少し値段が高い(と感じる)

 

⇒人気ブランド

基本価値

製品価値

サービス価値

従業員価値

イメージ価値

⇒長く着られる

⇒会員サービスがある

⇒バーゲン案内をしてくれる

⇒安心感

⇒長く着られる

 

⇒試着がしやすい

⇒安心感

整理してみると、行くとついつい買ってしまうA店と、時折買うB店では、自分が異なったことに価値を感じていることが見えてきました。無意識に買い物をしているようで、価値の捉え方はずいぶん違っていることがわかります。

このように自分が使えそうだと思った理論は、一度「表」にして、考えやすいことに置き換えて整理してみると、使えることが多いのです。言葉を変えると、最初は自分の仕事は脇に置いておく方が、近道とも言えます。

「顧客価値」について考えてみたい方のために
それではここで、上記の表を活用して、仕事に生かしたい方のために、取り組み方をご紹介します。
まずは表をつくり、最初は遊び感覚で、よく利用するお店や、二度と行かないお店、満足度が高かった商品やサービス(或いは低かった)を記入し、楽しんでみてください。ただし、簡単に見えるこのシートに記入するだけでも、最初は時間がかかることもあるでしょう。それは日頃、意識して着眼点を見る訓練をしていないからです。

しかし、定期的に遊び感覚で整理していると、着眼点が養われます。すると、感性も磨かれます。そうなると、自分の仕事を見る目も変わってくるので、自ずと仕事の質を高めるポイントをつかむことにつながっていくのです。

この取り組みが面白いところは、自分が選んでいる商品やサービスについて、客観的に捉える訓練をするうちに、自然と仕事力が向上するという効果があることです。

ということで、つかみどころがなく感じてしまう理論やケースも、「表」にしてみると使えることが多々あります。よかったら、試してみてくださいね。

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