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40代の現実

40代の現実

原田 由美子

HRD(人材育成)サービスを提供するコンサルティング会社の代表です。

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30代のうちにやっておけばよかった・・・

40代を迎え、本格的にマネジメントをするようになってからの本音です。

「得意なことを伸ばせ!!」と、言われてきたので、得意なことを中心に取り組んできましたが、40代に入り、それが半分は正解で、半分は不正解であることがわかってきました。今日はそのお話を。

 

企業の人事制度で最近多く取り入れられている制度設計に、複線型人事制度があります。複線型人事制度とは、管理職を目指すか、非管理職で技術や技能の発揮を目指すか、職種や勤務地域等を区分し、その選択を本人の意思で出来るように設計された人事制度のことです。

 

「管理職志向」の新入社員

2010年の産業能率大学の「2010年度新入社員の会社生活調査」では、「管理職志向」が44.3%であると、過去最高になった記事が紹介されています。 http://www.sanno.ac.jp/research/fresh2010.html

また、日本能率協会の2010年度 新入社員「会社や社会に対する意識調査」では、63.6%が「将来管理職になりたい」と答えたことが紹介されています。http://www.jma.or.jp/news/release_detail.html?id=91

 

ここ数年、「管理職にはなりたくない」と言う30代に悩まされてきた、人事担当者にとっては、明るいニュースと言えるでしょう。

 

新入社員は賢い?

さて、新入社員がなぜ、「管理職になりたい」と言っているかの理由はわかりませんが、彼らは、実態を良く掴んでいるのではないかというのが私の仮説です。

というのも、専門的な能力を伸ばし、そこで実績を上げ自信がつくと、不思議なことに人間"欲"というものが出てきます。「もう少し大きな仕事にチャレンジしてみたい」という欲です。そして、自分のやりたいことをやろうとすると、どうしても人の力が必要になります。その時に必要になるのが、"人をまとめる力""人を育てる力""成果を最大化する力"といった"マネジメント力"です。

そうです。専門家を目指していても、結果的には自分一人でできることは限られていて、人の力を借りざるをえない。また、技術の習熟は若い人の方が早くて確実。それであれば、最初から管理職を目指しちゃった方がいいんじゃないの?という風に感じているのかもしれません。

また、昨年放映された、山崎豊子さん原作のドラマなどに影響を受け、「世の中の役に立つ、大きな仕事をやってみたい」という考えを持って就職活動をされた人も増えたと聞きます。

複線型人事制度の成り行きをクールに見つめつつ、「なんとなくこっちの方が良さそう」と言う直観も働き、今回の調査結果にあらわれているのではないかと思うのです。

 

私の話に戻りますが、私は組織の中に居れば、専門職志向でした。そもそも、仕事の進め方がかなり職人的なので、管理職向きではないと思っています。しかし起業し、得意なことを伸ばしていたら、仕事量が増え、一人でできることはあっという間に限界を迎えました。どうしても人の手が必要です。その時に、必要になってきたのが"マネジメント力"でした。しかも、自分が最も苦手とすることばかりが必要になってきます。

"とほほ"な現状ではありますが、明日以降"マネジメント力"について少し詳しくご紹介していきます。