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落ち込んだ人が自信を取り戻す「フィードバック」
当ブログ「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
4月に入り、昇進や昇格、或いは新しくプロジェクトやチームを任される人も多いのではないでしょうか?チームメンバーには、やる気にあふれている人もいれば、悩んだり、落ち込んでいる人もいるかもしれません。今回は、悩んだり落ち込んでいる人へのアプローチをご紹介したいと思います。
実は私・・・ちょっと落ち込んでいました
「ブログの読者の方の役に立っているのだろうか?」。今年の2月~3月にかけて、私は悩んでいました。ブログを書くことは好きです。しかし、誰かに文章を読んでいただくということは、その方の時間をいただくことになります。その時間をかけていただくだけの価値を提供できているのだろうか・・・そんなことをずっと考えていました。
言葉を変えると、自分のモノの見方や考え方や経験のうち、どのようなことが読んでいただく方の役に立つのか、全くわからなくなっていたのです。そして、ちょっとだけ落ち込んでいました。
そんな落ち込んだタイミングのある日、誠ブログのブロガーを集めたオフ会があり参加しました。オフ会は、ブログのかんりにんの澤田さんの主催で開催され、他のブロガーさんの専門分野のお話をお聞きしたり、ブログを発行する上での参考となる情報(例えば、文章の書き方、写真の撮り方など)を学ぶ機会です。それだけでも十分に刺激を受けることができますが、そこで教えていただく自分のブログへのアクセス数(全ブロガーの中のランキング)は、違った意味での刺激となります。
2013年2月~3月中旬は、全く更新できていませんでしたし、その前に書いていた記事も、さほど読んでいただけていた様子がなかったので、(ランク外かも)と思っていました。
落ち込んでいた私に、勇気を与えてくれたのは・・・
そして、自分の名前を探すと、あるではありませんか!多く読まれている方と比較すると、足元にも及ばないアクセス数ですが、それでも数千アクセスはある様子。どなたが、どのようなテーマで、何のために読み、役に立ったのか・立たなかったのかはわかりませんが、それでも読んでくれる方がいることに、(もしかしたら、ちょっとでも役に立てているのかも)と嬉しくなりました。
アクセス結果を見たことにより、自分のブログが少なからず役に立てている(かもしれない)と感じ、少し安心し、ブログを書く意欲を取り戻せました。そして、あらためて記事の右側に出る『このブログのアクセストップ10』を見ると、『新入社員育成・・・その前に』、『新入社員に負ける時』、『なんでも聞いてくる部下(後輩)に、疲れを感じたら』など、新入社員に関するテーマがよく読まれていることに、気づいたのです。
このことから、新入社員を迎える、或いは、部下や後輩を指導する上での情報が必要なタイミングかもしれない・・・と考えました。そこで、最近お客様からご相談として多い「新入社員が無反応である」ということについて、その理由や対応策をまとめてみまたところ、それが自分が思っていた以上の反応でした。
そしてしばらくして、誠Biz.IDの記者であり、誠ブロガーでもある上口さんから、「人材育成の今とこれから」というコラムとして取り上げたことと、次のようなメッセージを頂きました。
私はもう新入社員と言っていい年齢ではないのですが、とても自分のことを言われていて、そして解決策も載せて頂いていて参考になりました。ありがとうございます!!
記事チェックを担当した吉岡編集長も、以下のようなコメントを言っておりました===
何年か前に、いまどきの若い子は反応がうすい、教えた内容が分かってるのか分かってないのかがわからない、と嘆いてる人の話を何回か見かけたことがあるんだけど
そのときは「緊張してるからじゃないか」とか「今の若い子はそういうもんなんですねー」で話が終わってて、解決策は特に出てなかったような記憶が。
反応の仕方が分からない、という理由は初めて聞いた気がします。対処方法も。
===今は無表情で、LINEのスタンプ(笑顔)を送ることもしてしまうので、きちんとリアクションができるように努力したいと思います!
引き続きよろしくお願いいたします。
このメッセージをいただいたことで、ようやく自分が何をすれば役に立てるのかわかり、出来ることが見え、勇気づけられました。
メンバーの自信が増す時
そして、そのメッセージをいただいた時にちょうど読んでいたのが、オフ会でいただいた『1年で成果を出すP&G式10の習慣』杉浦里多著祥伝社刊。著者は、P&Gジャパンで、SK-Ⅱ、パンパース、ブラウンジレットなど多くのブランドのコミュニケーション戦略や、マックスファクターブランドの再起に尽力。売上増に貢献し、社長賞を獲得した実績をお持ちです。
結果を出すことを常に求められ続ける外資系企業で、成果を出し続けた著者の、書籍の第1章「言葉を変える」P54~56の次の部分に惹きつけられました。
「あの人とまた仕事がしたい」と思ってもらえるメール
(中略)
仕事仲間はあくまで仕事仲間。
プライベートも仲良くするに越したことはありませんが、
一番大切なのは、仕事上で信頼関係、尊重する関係を作ることです。
私がそのために熱心にやっていたことは、プロジェクトの一区切りができたときに、結果報告についての簡単なメールを必ず出す、ということです。
その際に、特に意識をしていたことは2つ。
・チームメンバー全員をTOにして、自分の部署カテゴリーの直属から
トップまで&チームメンバー全員の上司をCCに宛てる。
・末文に、チームメンバー一人ひとりの名をあげ、貢献してくれたことを
具体的に紹介して、感謝の意を載せる。
例えば、
「最後に、この素晴らしい結果は、
営業部、Aさんの力強い交渉による店舗スペースの獲得、
資材部Bさんの臨機応変な商品手配、ウェブチームの迅速なニュース拡散、
調査部のコンテンツの肝となるデータサポート、
獣医師チームCさんの説得力のあるミニ講演・・・(以下続く)」
著者は、ビジネスでは協力者が不可欠。その協力者に信頼してもらうための方法として上記を紹介していましたが、私は、チームメンバーの成長という視点から、次の部分が素晴らしいと思いました。
それは、「メンバーの強みを把握し活かす」ことの重要性をよくご存知で、その上で「的確にフィードバック」されていたからです。
例えば文中の、営業部のAさんは「強い交渉力」、資材部のBさんの「臨機応変さ」、ウェブチームの「迅速さ」など、その人の強みを、本人にも周囲にもわかるように伝えています。
ビジネスでは、何かしらの結果が出ている時でも、自分がその仕事に貢献できているのかどうかわからないものです。貢献できているかどうかわからないと、不安になったり落ち込んだりします。そしてその不安や落ち込みは、自信を削ぎ、その人の持てる力を半減させます。しかし、結果が出ている時、結果が出ていない時でも、自分の仕事がどのような役に立っているのかが分かれば、その部分は自信を持つことができます。そしてその自信は、仕事を進める上でのよりどころとなり、もう一歩踏み込んで頑張ろうという原動力になります。
特にプロジェクトなどは、試行錯誤の連続となり、その過程では非常に多くの課題を乗り越えなければなりません。その課題を乗り越えられた要因についてしっかりフィードバックをし、それを周囲にもアピールすることは、関わったメンバーの大きな自信につながります。そのフィードバックをする際のポイントが伝えられていたので、素晴らしいと思ったのです。
私の例で言えば、「ブログのアクセス数」、「読まれている記事」、「上口さんと吉岡編集長のコメント」などが、自分に対するフィードバックでした。
特に、上口さんと吉岡編集長のコメントは、何に困っていて、どのようなことが役に立ったのかを具体的に示してくださったので、迷いが晴れました。
そして、このフィードバックをいただけたことで、元々書こうと思っていた関連記事「なぜ新入社員は受け身なのか?」、「なぜ新入社員は打たれ弱いのか?」はとても書きやすくなりました。その結果、関連する記事全てが誠Biz.ID掲載へとつながったのです。
フィードバックはみんなにする
落ち込んでいる人を探したり、無理に「立ち直らせよう!!」と躍起になって取り組む必要はありません。誰に対しても「おはよう」と言ったり、声をかけたりしていれば十分です。そして、誰かが何かをした時に、したことへのフィードバックが効果的です。
例えば、一斉配信のメールをもらった時でも、「ありがとう」と返信する。
その時に、少しでも良い点があれば「ここがいいね!」と伝える。
更に、その人が他の人と違った点があれば「あなたのここがいいね!」や「私にとってよかった」、「助かった」など伝える。
小さなことの積み重ねで、十分フィードバックになります。
そして、落ち込んだ本人が相談に乗ってもらいたいという姿勢を示し、具体的に話を聞くことができれば、そこからまた一歩踏み込んで、フィードバックができます。その際、「私はあなたのここがいいと思っているよ」ということを、具体的に伝えることができれば、前向きな気持ちになり、自信を取り戻せるでしょう。
今回は、ご紹介した書籍の著者の杉浦さんがされていることをちょっとだけ真似て、締めくくりたいと思います。
ブログをお読みくださっている方、「いいね!」やツイートをしてくださる方、コメントをくださる方、ありがとうございます。お役に立てている実感を持つことができ、自信となります。感謝申し上げます。
今後も、少しでもお役に立つ記事がご提供できるよう努力して参ります。引き続き、宜しくお願い致します。
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