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復興増税と痛税感
色々やってる社長のブログ
復興増税と痛税感
大阪・東京を中心に、これまで様々な業態の事業を展開中。それらの体験・実践をもとに、IT関係・外食産業・商業施設・M&A投資などのコンサルタントとしても活動。特技は、不動産投資。趣味は、ゴルフに音楽。最近は和服にも凝っている。
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平成23年9月29日現在、
政府、与党民主党は、東日本大震災復興財源として、
11.2兆円の増税案をまとめた。
その内訳は、
・所得税は、2013年1月から4%アップを10年間。
・住民税は、2014年6月から500円を一律増額5年間。
・法人税は、恒久減税5%と同時に
2.5%増税を3年間(実質今よりは減税)。
・たばこ税は2012年10月から1本当たり2円を10年間。
となっている。
果たして今回の増税に関しては、
◆国有の資産を売却するなどしてまかなうべきだ
◆建設国債を発行して、消費税の増税と一緒に考えればいい
◆行政、立法のコストダウンが先である
◆なぜ、10年で決着しようとしているのか判らない
◆お札を刷っちゃえ!
などという一理ある反対意見も多いが、
この議論は、また別の機会にするとして、
今回は、この11.2兆円を
増税でまかなうことを前提で意見を述べたい。
はっきり言って、所得税・住民税による増税は、
この消費が落ち込んでいる現状においては、
ボディブローのように悪影響をもたらすことだろう。
これは、平均的家庭でいくら増税されるのか
といった金額の問題ではなく、
国民全体に与えるイメージが悪すぎるのである。
「税金」という言葉だけでめいってしまう国民が多い中、
「増税」と聞けばさらにその財布の紐を締めてしまうことだろう。
つまり、所得税・法人税による増税は、
「痛税感」が大きすぎるのである。
おそらく多くの国民は、
復興のために多少の負担は仕方ないと思っているはずだから、
同じ11.2兆円を増税するにしても、
もっとうまい方法があるはずである。
その方法としては、広く薄く課税することであろう。
増税しても「復興のためならこれくらい仕方ないな」
と思えるような「軽い気分になれる増税」である。
例えば、JR・私鉄などの電車の初乗り運賃に、
10円ずつ課税する方法はどうだろう。
1日のべ乗降客数を少し調べたが、
明確な数字を見つけられなかったので、
概算で1日2,000万回とすると、
1日で、2000万回×10円=2億円
1年で730億円となる
これを30年続ければ、2.19兆円もの資金が出来る。
また、これは、
BSのある地味な番組で、
衆議院議員の与謝野 馨氏が話していた意見だが、
携帯電話回線に毎月数百円課税する方法も悪くないだろう。
携帯電話の契約数は、現在1.2億回線位あるので、
1ヶ月200円課税するとすれば、
1ヶ月で、1.2億×200円=240億円
1年で、240億×12=2,880億円
これを30年続ければ、8.64兆円もの資金が出来る。
この方法なら、税金の徴収も、
携帯キャリア数社を相手にすればいいので楽である。
さらに、高速道路の料金に、
10円づつ課金するといった方法も考えられるだろう。
つまり、この増税に関しては、インターネットやケータイの
コンテンツ料金課金方法を参考にすればいいのである。
毎月数百円程度の安い価格で多くの人々に会員になって貰い、
出来る限り長期継続してもらうモデルである。
ちなみに、私などは、
大して利用もしないのにヤフーの有料会員であり、
毎月346円をもう10年以上払い続けている。
だからといって、
毎月346円の支払いがあるから、
他の消費を抑えようとは思わないものだ。
今回の復興増税も、こうあるべきではないだろうか。
なお、これらの方法を採用するには、
数十年単位での増税が必要となるが、
道路や港湾にしても数十年以上利用できるものであるし、
まったく構わないと私は考えている。
逆に、今政府・与党が言っている
「10年で決着を付ける」という理由がよく判らない。
まぁ、どちらにしろ、
「増税する前に、色々やることあるだろ!」
というのが私を含め、
多くの国民の意見であることは間違いないのだが。。。