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「大切な人がいなくなる」ということは「どういうことなのか」考えてみる

「大切な人がいなくなる」ということは「どういうことなのか」考えてみる

細島 誠彦

株式会社TransamManagementSystem代表取締役。 中央大学法学部卒業後、ベンチャー企業その他企業の経営企画室長、管理本部長、CFO、取締役を歴任。経営戦略構築、マーケティング戦略構築、新規事業の立ち上げや財務戦略、M&Aなど、企業の参謀業務に従事。

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私は、片腕をもがれた。

10数年、ともに働いてきた同志を失った。

永遠に続くかと思われた関係が、
ある日突然、ピリオドをうち、二度と戻らないただの思い出になってしまった。

昨年末に起きたこの事態以来、
すべてを忘れられるよう仕事に、読書に、子供との遊びに必死でがんばった。
もう何年もやっていなかった朝まで飲むということもやってみた。
それでも、自分の中の失望は埋められない。
まったく埋められない。
あーしておけばよかった、こうしなければよかった・・・
後悔しか浮かばない。
文句も言いたい。
なぜ、突然いなくなったのか。なぜ、何も言わずにいってしまったのか。
詮無きこととはいえ、頭をよぎる。
そして、日々が過ぎていくと、今度は、自分の中で、
それまでの日々が思い出に、ただの記憶になっていってしまう。
そんな自分が許せなくも思う。

私たちは、毎日を誰かと関わって生きている。
感謝されたり、尊敬されたり、嫌われたり、
憎まれたり、笑われたり、怒ったり、怒られたり・・
そのすべての事象、すべての人々に感謝し、
今を大事に、生きなければならない。

この世から誰かがいなくなるということは、
何十億人もいる世界から見れば、小さな小さな出来事かもしれない。
私たちは、残念ながら、毎日をそんな大きな世界では生きていない。
ごくごく小さな世界で生きている。
だから、私たちの人生で、関わる人というのは、
ひとり一人が意味があり、ひとり一人が大事な人たちのはずだ。
人生において出会うということが奇跡といってもいい。
それほど、人は、限られた小さな世界で生まれ、死んでいく。
だから、ひとりの人がいなくなるということは、本当に大きなことだ。

だから、感謝しなくてはいけない。
どんなに嫌いな人でも、どんなに合わない人でも、どんなに不愉快な人でも。
会った以上は意味があるのだから。
その中でも、大事に思う人はもっともっと大事にし、今、感謝しなければならない。
後悔がないように。

だから、やらなければならない。
大事な人たちとの日々を大事に生きなければならない。
深刻になる必要はない。
気楽に、そして日々を大事に生きなければならない。
後悔がないように。

私はいなくなってしまった同志から宿題を残された。
まったくひどい部下だと思う。
勝手にいなくなった上に、宿題を置いていく。
その果てしない宿題を終わらせなければ、天界で会うことはできそうもない。
微力を尽くして、その志を少しでも叶えることで、
残りの人生を過ごしたい。
日々を大事にして。

後悔がないように。