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"粗密のほどがよい"~後漢光武帝のタイプ~

"粗密のほどがよい"~後漢光武帝のタイプ~

細島 誠彦

株式会社TransamManagementSystem代表取締役。 中央大学法学部卒業後、ベンチャー企業その他企業の経営企画室長、管理本部長、CFO、取締役を歴任。経営戦略構築、マーケティング戦略構築、新規事業の立ち上げや財務戦略、M&Aなど、企業の参謀業務に従事。

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『"粗密のほどがよい"
上に立つ者は、粗であるところは粗に、
密であるところは密にしなければならない。』

「草原の風(中)」(宮城谷昌光)の中にある言葉である。
この本は、後漢の光武帝・劉秀が、漢を倒した新を倒し漢王朝の復活をさせ、
皇帝にまで上り詰める話である。

人をマネジメントする立場にいて、よく思うことに、
上記の言葉がぴったりくる。

人にはいろいろなタイプがある。
いい加減で、細かいことなどぜんぜんできないタイプ。
そうかと思えば、ただただ数字をいじっていたいなど、
細かいことが大好きですというタイプ。

それぞれ、能力に応じて働くべき場所もあり、
向いた仕事があるのだとは思うが、
もし、こういった人たちが、マネジメントラインを目指そうとすれば、
これらの極端なタイプだけで進むことは困難となる。
まさに、
"粗密のほどがよい"と言われるタイプになる必要がある。
しかし、ほとんどの人は2つのタイプに大別され、
両方のタイプを併せ持つ人はかなり少ない。

大胆なところもあるし、細かいところは徹底的に細かくやれる能力。
言葉に書けば簡単そうであるが、これがなかなかできない。

もし社長ならば、取締役ならば、
細かいことはやらなくてもいいだろうという風に考える向きもあるが、
そんなことは絶対にない。
社長がそれをいい加減にやれば下の人間もいい加減にやるものである。
細かい指示を要求するからこそ、細かいアウトプットがでてくるのだ。

かといって、どうでもいいようなことにばかりに気を止めている社長も困りものである。
社長といえば、全体を見ていなければならない。
些末なことばかり考えていては全体像が見えなくなる。

つまりは、"粗密のほどがよい"人間でなければ、
マネジメントは難しいのである。

では、どうやってこれらの能力を伸ばすのか?
経営の勉強をすればいい。
経営とは"粗密"なことの集合体である。
全体像も見えなくてはならないし、
経営数字など細かい部分も気にしなくてはならない。
経営を突き詰めて考えていけば、"粗密のほどがよい"人間にはきっとなれる!