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『マイホーム購入、消費増税よりもインパクトの大きいものとは?』 ~住宅価格に影響を与える三要素の動きをよく見ておきましょう~
世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる
『マイホーム購入、消費増税よりもインパクトの大きいものとは?』 ~住宅価格に影響を与える三要素の動きをよく見ておきましょう~
ハイアス・アンド・カンパニー取締役常務執行役員。都市銀行・大手経営コンサルティング会社・不動産事業会社取締役を経て現職に。住宅・不動産・金融の幅広い経験を元に、個人の資産形成支援事業を展開中。
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こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。
マイホームを買おう、建てようと思っていらっしゃる方は消費税の行方が気になりますよね。
でも実は消費税よりももっと注意した方がいいことがあります。
■「消費税、やっぱり上がるんでしょうか?」
私、住宅相談会をよくやっています。これからマイホームを買おうとか建てようとか考えていらっしゃるお客様からの質問で今一番旬なのはやはり「消費税」ですね。
「消費税ってやっぱり上がるんでしょうか?」
...と聞かれましても、それはさすがにわかりません。
予定では来年10月に今の8%から10%へ上がることになっています。ただ、景気の回復状況が思わしくないのもあって、最近はどうも上げないような雰囲気が強くなっているように感じますが...、さて、どうなるのでしょうね。
ご存じの通り、住宅において消費税は土地にはかからず建物部分にかかってきます。
例えば、3,000万円の建売住宅を購入した場合で、土地部分が1,000万円、
建物部分が2,000万円としますと、建物部分の2,000万円に対して8%、160万円の消費税がかかります。
消費税が今の8%→10%に上がりますと、160万円→200万円と40万円ほど消費税が増えるわけですね。
40万円の支払い増は決して馬鹿にはできない金額です。気になるのも当然ですね。
消費税がどうなるかは、もう間もなく12月の中旬くらいにははっきりすると思います。
■消費増税よりも気になるのは...
でも、住宅購入金額に関していうと消費税と同じくらい、もしかするともっと気をつけた方がいいものがあります。
それは「建築価格」です。
実は住宅の建築価格はすでにじわじわと上がってきています。
<建材高、実体経済に影 マンション発売減、セメント値上がり>
(2014年8月26日 日本経済新聞)
『建設資材や人件費などの上昇がマンションなど建物価格に波及している。野村証券の調査では、マンションなど建築物の建築着工単価は今年6月で1平方メートルあたり18万5600円。1年前に比べ9%高い。人件費の高騰に加えて資材価格の上昇が建築費を押し上げているという。「労務費や資材費を含むトータルのコストは1年前に比べ10~20%上昇している」(大手ゼネコン)』
これは8月の記事ですが、今でもマンションだけでなく一戸建て住宅も建設部材や労務費の上昇の影響を受けて建設価格は上がっています。原因は、円安による原料や燃料価格の高騰、現場作業員の人手不足などですね。
住設機器大手のLIXILさんもこの11月から建材や住設機器の値上げを発表しています。
<LIXIL、2~15%値上げ 建材や設備機器など>
(2014年9月26日 日本経済新聞)
『LIXILは26日、一部の建材や設備機器の価格を11月1日以降順次、2~15%上げると発表した。ガラスや樹脂などの原材料の価格などが高騰しているため。同社の値上げは6年ぶり。対象はトイレや洗面化粧台、窓、玄関ドアなどの一部。主力のトイレ「サティス」で約5%、窓・シャッターで2~8%程度引き上げる。9月になってガラスメーカーが建築用ガラスを1~2割値上げしたほか、衛生陶器を焼くための燃料費も高騰している。今後も上昇傾向が続くとみて転嫁を決めた。』
消費税は増税されたとしても2%アップですが、建築価格の上昇は2%どころではなく、部材によっては10%くらい上がっているものもあります。
もし消費税の増税が見送られたとしても、「やれやれよかった。ゆっくり考えよう。」などとのんびりしているうちに建築価格の上昇で家のお値段が上がっている可能性があるわけです。
建築価格は消費税のように「いつからいくら上がります」ということが一般消費者の皆さんにはわかりにくくなっています。気づいた時には上がっていた、となってしまうので注意が必要ですね。
住宅会社やマンション会社は今この価格高騰に頭を抱えています。
「家が値上がりしますから早めに買った方がいいですよ」
などと住宅会社の人が言うと早く買わせるためのセールストークに聞こえるかもしれませんが、これは実は本当のことなんですね。
注文住宅の場合には、家のプランが決まりますと住宅会社さんが見積もりを出してくれますが、最近は見積もりに期限がつけるところが増えました。その見積もり額で数か月間ゆっくり検討されているうちに値段が上がってしまう可能性があるからですね。
■住宅価格に影響を与える三要素とは?
この建築価格の上昇は一時的なものではなく、しばらく続くかもしれません。
デフレ脱却を目指している日銀は、持続的に2%の「インフレ」になることを目指しています。
「インフレ」、すなわち「物価上昇率」ですね。
世の中全体がインフレに向かっているのに加えて、住宅業界は職人不足や省エネ化・高性能化への対応など、価格上昇要因がいっぱいあります。
毎年1%ずつインフレになったとすると今、2,000万円の建物が5年後にはおよそ5%上がることになるので、100万円以上の価格上昇になります。インフレ率2%なら5年後には200万円以上のアップになります。
もし、消費税が上がることが決まったら恐らくまた「駆け込み需要」が起きるでしょう。また現場が忙しくなって、人件費も資材もさらに上がるかもしれません。
もし、ここに加えて住宅ローン金利まで上がったりしたら...
「消費増税」、「建築価格高騰」、「金利上昇」のトリプルパンチですね。
総支払額は数百万円単位で増えてしまうでしょう。
幸いまだ当分ローン金利の急上昇はないと思いますが、消費税だけでなく、建物価格の上昇には気を付けておかれた方がいいと思います。
「税制」「価格」「金利」、この3つは住宅購入価格に大きく影響を与えます。今のようにこの三つの要因が大きく動いている時には要注意です。タイミングをよく見極めてくださいね。
今回は以上です。
もっと日本がよくなりますように。
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