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様々な天災に対して 避難所の設備の革新  その1 ベッドと仕切り

様々な天災に対して 避難所の設備の革新  その1 ベッドと仕切り

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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様々な天災に対して(For Various Natural Disaster) 
避難所の設備の革新  (Proposal for Improving Facilities of Evacuation Sites)     その1 ベッドと仕切り

 大災害が起こって、数日から数週間、テレビの画面に出てくる様々な災害からの被災避難されている人たち(Evacuees)が、公民館や小学校の講堂にずらっと並んで、休んでいるのを見ると、本当に悲しい。これは世界有数の経済大国の姿ではない。

 避難してきた先が、講堂の床の上では、硬くて、冷たくて、まず寝られないのではないだろうか。更に全員が頭を並べて寝るのは、慣れる慣れないよりも、まったくプライバシーが欠如していて、一晩ならともかく、一週間を越える避難状況、これはひどいし、本当にかわいそうだ。そこに寝た切りでいると、動けなくなる人もでる。

 避難されている方々は、、少なくとも家族別で仕切りが付いていて、ベッドに寝かしてあげたい。

 大災害が発生したら公共の場所を、急きょ避難場所を仕立てるというコンセプトから、逆転して考えよう。避難場所をまず建てて、それを大災害が発生していない時は、いつも別の用途に活用するという考えが必要なのではないか。

 天災発生時に、活用するために、もともとからの設備として、災害被災者をより快適に収容できるように作る必要がある。

(1)ベッド
 まずは、ベッドに寝ることを基本とする。もちろん床に寝たいと主張する高齢者もいるだろうから、その場合は弾力的に対処すれば良い。

  家族の人数に従って、ベッド数を調整する。高齢者を別として、家族では、基本的に2段式のシングルベッドとする。すべて組み立て式である。壁際などは、3段式のベッドとする。もちろん、2階、3階のベッドは、落下防止付きである。

 男性一人ばかりのコーナー、女性ばかりのコーナー、場合には高齢者たちのコーナーも要る。特に高齢者の場合は、ベッドの方が、介護しやすい。ベッドの下、あるいは床下に私物を貯蔵できるようにすることもできる。
 
 ベッドはパイプの組み合わせで、誰でも簡単に作り上げることができる。床のシングルベッドを2階建てベッドにすることも可能だ。ベッドは、床にボルトで固定して、転倒しないようにできる。
 
 ベッドには、簡単で小さなプライバシーボックスや、プライバシーバッグが付いていて、番号鍵が付き、メガネや財布や貴重品を安全に入れることができる。
ベッドには、座卓が収納されていて、取り出せば家族で簡単な食事も可能だ。
 
 高齢者向けには、介護者コールボタンを付けることもできるだろう。ただ、シングルベッドと言っても、多人数を収納するためには、通常のシングルベッドよりも幅は少し狭くなる程度は、我慢していただく。
 
 ベッドのマットレスは、防水として、使用後はごく簡単に外側を殺菌洗浄できることと、内部は高温乾燥で殺菌できるものが良い。片面は硬めで、もう片面は柔らかめのマットレスとする。
 
 これらのベッドの組み立てフレームやマットは、全国の避難所での仕様を共通して、特定の地域で発生した災害に、一気に送ることができる。
 
 ベッド発注時の仕様として、寝がえりをうっても、ギシギシと言わないことが非常に大切だ。
 
 余談だが、私がサウジアラビアのリヤドに駐在していた時、約3000キロを走って、アラビア半島の南西部を10日間、旅行した。その時に、私は自宅の近所に捨ててあった、リビングの簡単な木製(組み立て式)サイドテーブルを車に積んで、旅行し、夜はそのサイドテーブルで寝た。夜中のサソリや蛇に攻撃されることを心配しないで、アイマスクしながら悠々と寝ていた。

(2)仕切り
 ベッドと組み合わせることができるのは、仕切り板だ。

 一時的であっても、最低限のプライバシーを守るのは、仕切り板だ。家族ごとに仕切りを使うことができる。

 仕切りには、二つの考えがある。一つは、寄り掛かったり、もたれても支えることができる、しっかり固定型の仕切りと、押すだけでも動いたり、しなう(段ボールでできたような)やわらか仕切りがある。

 ベッドの位置をボルトで固定できるなら、仕切りをハードタイプで固定することが良いだろう。

 ちょうど、日本の会社の面談コーナーや打合せコーナーの高さの仕切りでよい。病気の人の急変などを知ったりするのも、高すぎる仕切りはよくない。しきりにも、様々な工夫が考えられる。ベッドと仕切りのメリットは、現在の雑魚寝よりも、たくさんの人を収納できることだろう。荷物はベッドの下に置き、壁側には独りの人が3段ベッドで寝られることも、夜中にトイレで、横を通過する時も、頭や足を踏まれたり、蹴られたりしない。

 LEDでの仕切りランプ、小さなLEDでの読書灯なども使える。

 これらのLED照明用の電力は、その避難箇所の屋上のソーラーパネルや風力発電で、一端、外部電源が途絶えても、バッテリーに充電できるようにしたり、ハイブリッドカーなどからも、100Vの電気をもらう形を取る。

 天災の避難者の引きとり人数にしたがって、これらの避難場所のランキングやレベルが決まって、国の補助が異なる。