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夢シリーズ 電気代を世界一安くする目標を立てよう

夢シリーズ 電気代を世界一安くする目標を立てよう

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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夢シリーズ 電気代を世界一安くする目標を立てよう
 今回から、今、日本人が描ける夢を提案しようと思う。

 未来の電気料金を見ると、今の状態では、未来永劫、大幅な値上げ方向しか考えられないように見えるのは、非常に悲しい。自動車の電気化に伴って、エネルギーの中の電力の重要性は、今後一層高まるだろう。これは世界中の傾向となる。電気代が高いということは、家計に響くだけでなく、すべての日本国内の工業も、ビジネスも、交通も成り立たなくなってしまう。

 今回の大震災によって、原発の停止や廃棄・補償などの費用を考えると、未来の電力料金は絶望的なまでに、高くなるようなムードだ。

 そんな時にこそ、電気代を20年後でも、30年後でも、未来のどこかで、今よりも安くする計画(マスタープラン)を立ててはどうかという提案だ。

 大震災と原発の事故で電力需給の根本的見直しが必要な現在、超長期には電力料金を下げるという計画を立てることはできないだろうか。

 ここまで書けば、読者は何を気楽なことを言っていると、反論が多数出てくるだろう。膨大な資金や新技術が必要になる。

 高いエネルギー原料費や、先端技術の部品の購入や、時には新規の発電機器を導入する必要があり、それらの費用は捻出しなければならないが、数十年間に、新しい技術開発を電気エネルギーに集約していこう。新技術をどんどん開発して、ありとあらゆる種類の自然力エネルギーを使って、発電規模を増やしていこう。

 たとえば30年後に、電力料金としてはこのレベルに抑えるという目標を造り、その目標に従って、発電設備、発電容量を決めて、設備の設置を加速していく。1000万戸の住宅にソーラーパネルを付ける計画らしいが、もっと壮大なスケールで進めよう。ソーラーパネルの効率と耐久年数を伸ばそう。

 これから日本で建設されるすべての住宅やビルや高速道路、線路の上にはソーラーパネルや風力発電を付けよう。極めつけは、洋上にメガフロートを多数並べて、海流発電、波力発電、風力発電、ソーラー発電を並べよう。宇宙からのマイクロ送電も、実際に挑戦してはどうだろうか。

 農村では、バイオ発電や小水力発電。鉄道線路の上の風力発電・ソーラー発電、すべての鉄橋や橋には風力発電を義務化する。

 電力の30年計画を立案して、進めていこう。考えられる自然エネルギー利用を国が負担する。その原資はやはり税金となるのだろうか。あるいは、世銀などの国際的資金を借りてでも、新しい技術と設備を作り上げていくことではどうか。新技術は世界中で輸出できる。真剣に考えると、これほど重要な産業計画は他にない。

 戦争で増税となったり、想定外の災害で原発の処理をするマイナスコストが掛るよりかは、前向きだ。どの程度までの増税に私たちが耐えられるか分からないが、未来の世代、私達の子孫が享受できるような再生可能エネルギーによる電力設備を設置するような計画である。

 未来の世代を助けるためになら、現在の私たちの世代がそのために、負担をしてもよいのではないだろうか。未来の日本が良くなるという夢を食べながら、もっと働いていくという未来への投資で、日本を立て直す計画を立案できないだろうか。

 税金が増えて、未来がますます暗くなることから考えると、電力を中心としたエネルギーへの加速投資によって、未来を明るくする計画を立案できないだろうか。

 実際には極めて厳しい財政状態を、更に厳しくしていくことになるが、それらが何時か実を結ぶような大胆な長期的経済計画を立案できないだろうか。

 様々な電源の多様化と分散設置、資金や新しい技術の開発や挑戦は、日本人なら必ずできる。我々の祖先が今までやってきたではないか。