誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

【iPad】 8つの付箋で強制発想しよう

【iPad】 8つの付箋で強制発想しよう

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


iPadをビジネスパーソンのアイデア道具として使い切る!という切り口で、私の使い方を紹介してみます。

今回は、優れた発想技法である「マンダラート」手法を、iPadの無料アプリを転用して実践する方法です。

iPad_md.PNG

「マンダラート」は、簡単に言いますと、発想テーマを取り囲む「8つの枠」に連想することを書いていく方法です。テーマの周囲に配置された「枠」には、ある種の選択的集中力が働き、自然と連想を引き出してくれます。そういう発想活動の特性を活用したノート記法です。単純でいて深い。この発想法が向く人には、好きなだけ思考の階段を下りていくことができ、ノートと紙だけでさっとできるところも大きな魅力となっています。

マンダラートの手順は以下。
  1. 紙に、3×3の升目を書きます。
  2. 中央の枠に発想のテーマを書きます。
  3. 周囲のセルに思い浮かぶことを書きます。

説明はこれだけのシンプルな技法ですが、周囲8セルを埋めようとしてみると、意外や意外、うめることができるんですね。そして、更に発想を広げたい時は、周囲のセルに書いたものを新しいマンダラートの中央に入れて、それから連想することを周囲の枠に埋めていく。といったものです。

ある時ふと、新幹線移動中に、紙っぽいiPadのインターフェースでならできるんじゃないだろうか、ということで試してみました。初めは紙と機能が近い「こくばん」アプリで。しかし、枠線を指で書き、9分割されたセルに指で書くのは、結構きつい。指が太いので文字が大きくなるからです。文字は「描く」より「打つ」ほうがいい。ということで、いろいろ試して次の2つのアプリが使いやすいと気が付きました。

(1)Infinote

上の写真のような感じで、ポストイットを並べます。右上の「+」をおすとポストイットが現れます。まずは9枚出して、並べます。整列機能もあるので、3×3に、ピシッときれいに並べることもでき、指で好きな位置に並べることもできます。ただ、整列機能を使った場合は、アプリを一度切って再度立ち上げると順番が入れ替わってしまいますので私は指でならべています。スライドつまみでフォントの大きさを多段階に調整できます。全体的に直感的に使えて気持ちいいです。

中央のポストイットに「発想のテーマ」を書いたら周囲のポストイットに、そこから思い浮かぶことをうっていく。結構紙のような深い集中ができます。シンプルな操作感が良いようです。

ちなみに私は無料版を使っています。無料版は、一画面しか使えない設定です。有料版(今は350円と表示されています)という選択肢もあります。私は一画面書いたらカメラロールに送ってしまって、消せばいいと割り切っています。



(2)Stickyboard

こちらも付箋のアプリです。画面よりも大きな領域に付箋をおけるので、「まず、最初のマンダラート」を完成させた後に、近くに新しいマンダラートを作って、そこに展開することもできます。ポストイット入力の際に画面が大きく移動するのでInfinoteよりもやや直感的な感じがそこなわれるのと、フォントサイズの調整が粗いので、感性的な意味で、ちょっと「のりにくい」感じがします。ですが、こちらはホワイトボードペン機能のあるので、いろいろマンダラート中に思いつくことのコメントや図示、マンダラート間のつながりを書くなどができる良さもあります。

iPad_md2.PNG

以上です。

マンダラートや紙を用いた発想技法は、その効果の大部分を人間の頭の機能に依存しているので、本来はデバイスがなんでもいいはずなのですが、iPadも含めてデジタルデバイスのUIは、直感的につかうということにおいては、まだまだギャップがあります。それをできるだけ埋めたい。ということで、マンダラートのワークに使いやすそうなものを専用アプリと勝手に位置づけて使っています。


補足:

マンダラートの和泉さんのメルマガには、以前からiPad用のアプリ開発が示唆されていました。もうすぐ、マンダラートのiPadアプリが登場するようです!画面の広いiPad版は、iPhoneのアプリとは違う魅力的なコンセプト盛り込まれる模様。紙でマンダラートを使っている人々から非常に期待が寄せられている一本で、私もその登場を待ちわびています。


※ カテゴリーを作りました。 ⇒ 「iPadをアイデアワーク道具として使い切る」



追記


1_twitter_blog.jpg 2_books.jpg 3_cards_tools.jpg 4_profile_people.jpg 5_mail.jpg 6_links.jpg 7_infoboard.jpg


midashi.gif

amazon.gif  ochanoko.gif