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ワードダンス法(変わった選択はしばしば可能性のある新しい道へと導く)
»2011年1月 8日
力重の「ブレインストーミング考」
ワードダンス法(変わった選択はしばしば可能性のある新しい道へと導く)
アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。
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コピーライター的な作業をしていてどうもこの表現、しっくりこない、と言うときがあります。
あるいは、アイデア会議の前、発想のテーマを設定しようとして書いてみると、どうも、課題としての魅力度とか広がりがすくないなぁと思うときがあります。
こういう時に役に立つ便利な発想技法があります。CPS(創造的問題解決)の教科書に出てくる「ワードダンス法」です。
たとえば、当初、ブレストのテーマを「効果的なプレゼンをするにはどうすれば良いか」でやろうとしていたとします。でも、課題持ち込み者としては、どうもしっくりこない。もうすこし、テーマ設定にブレをおこして、テーマ候補をつくってみたい、そんなときに、こう使います。
[効果的な][プレゼンをする]の下に
言い換えられる言葉を書き出していきます。
[効果的な]
━━━━━━━━━
・強力な
・魅力的な
・わかりやすい
・カッコいい
・聡明な
・すぐわかる
・たのしそうな
・面白い
・聞きたくなる
・買いたくなる
・相手に届く
・記憶に残る
・潜在意識にすりこまれる
・イメージが浮かぶ
・とても短い
・安心出来る
・良い気持ちになれる
・未来に明るいものがあると思える
[プレゼンをする]
━━━━━━━━━
・説明をする
・トークをする
・解説をする
・伝える
・動きで示す
・実物を見せる
・提示する
・表現する
・わかってもらう
・映像と声を届ける
・スライドを見せる
・ホワイトボードに書く
・演技で見せる
・口だけで言う
・いわずに伝える
・相手にうけとめてもらう
・相手に情報を持って帰ってもらう
・相手に具体的な行動をとらせる
こんな感じに、書きだします。
そして、より、力強い組み合わせを選び出します。
たとえば
「未来に明るいものがあると思える」「実物を見せる」
を選択します。
なじませて、テーマ文にしてみます。
「未来に明るいものがあると思えるようなモノを見せるにはどうすれば良いか」
当初のテーマに比べて、テーマ持ち込み者がよりしっくりくるとおもえるものを、選べれば良いので、選択は本人次第ですが、文章として、なじむように、適用上の工夫を少しします。上記では「実物」を「モノ」と修正しています。
たとえば、今のケースで言えば、課題持ち込み者は、一般的なプレゼンテーションの効果的な方法を、出したいというよりは、新商品を会場で実演販売しようとしていて、その商品のプレゼン方法を考える場合だと、ブレストに持ち込むには、こうしたテーマの言い換えが有効であったりします。
もちろん、課題持ち込み者のテーマ設定の裁量が大きいので別の組み合わせも充分、ありえます。
「イメージが浮かぶ」「動きで示す」
を選んだなら、すこしなじませて
「イメージが浮かぶような動きで伝えるには、どうすればいいか(どんなアクションをすれば良いか)」
にとしてもいいでしょう。
ワード・ダンス法は、それ自体が、アイデアを発想している作業に近いですが、優れたテーマ設定の探索・生成の場合などに特に有効です。
追記:
CPSのその教科書のページに、以下の言葉があります。とても興味深い一文です。
『変わった選択はしばしば可能性のある新しい道へと導く』
出典:創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか? P23