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外国人とあっという間に親しくなれる裏技

外国人とあっという間に親しくなれる裏技

中山 順司

スキナヒト製作所 所長。

当ブログ「20年前の留学を、淡々と振り返る記録」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jnakayama/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


「おいジュンジ、一緒にサッカーやろうぜ」


毎日机にかじりついて、勉強ばかりしている私を不思議に思ったエチオピア人留学生らが、私をサッカー部に誘ってくれました。アフリカではサッカーが人気のスポーツで、エチオピアも例外ではありません。私はとくにうまいわけではありませんでしたが、「気晴らしにでも」と思い、誘いに応じました。

入部してみると、当然というか、チームメンバーはエチオピア人ばかりです。
唯一ゴールキーパーは大柄な白人のアメリカ人でしたが、フィールドプレイヤーは全員アフリカンという異様な構成です。

で、そのエチオピア人らは舌を巻くほどうまいのです。個人技は高いし、天性のバネもすごく、独特のリズムも持っています。左利きで攻撃力のない私は、とりあえず左サイドバックにおさまり、もっぱら守備専門でやっておりました。試合中も味方にボールさえ預けておけば、前線の個人技とコンビネーションでポンポン点を決めてくれるので、私がオーバーラップするまでもなかったわけです。

なので、私は後方で、「すげーなぁ」と感心しながら眺めておりました。
たいてい試合の主導権はこっちが支配して、相手に攻められることも少なく、守備の私はわりと楽をさせてもらってました。

たしかシーズンは無敗だったと記憶しています。
おかげで州大会にも出場したりしました。
(まあ、私は得点記録ゼロで貢献度は最低なのですがw)


つきあってみてわかったのですが、エチオピア人はとても陽気で、人なつこく、日本人である私にも分け隔てなく接してくれました。寮で同じ釜の飯を食う仲間であり、サッカー部のチームメイトであり、異国で暮らす異邦人同士という共通の立場もあり、急速に親しくなれたことは本当にうれしいものでした。

私の英語のコミュニケーション力はまだまだではあったものの、「あ、ここでやっていけそうだな」と思えたのはサッカーがあったからだと思います。



さて、ここで突然ですが、「外国人とあっという間に親しくなれる裏技」をご紹介しましょう。

衣食住の共同生活やスポーツを通じてでも親しくはなれますが、ある程度時間がかかります。ここでいうのは、一気に親しくなれる裏技です。私も入学後まもなくこの方法を本能的に察知し、駆使することでエチオピア人だけでなく、あらゆる国の生徒と距離を縮めることに成功しました。





それはズバリ、「互いの国のすっごく汚い単語や、お下品な表現を教えあう」です。


侮辱、蔑み、怒り、軽蔑、冒涜・・といった単語やら、エッチ系単語を教えあい、外国人に発音させて周囲がゲラゲラ笑う、これです。これで"ただのフレンド"から"ブラザー"になれるのです。

とくに私はエチオピア男子生徒の格好の的にされ、女子生徒には聞かせられないエチオピア語をかなり仕込まれました。(お下品ですみません・・)



これは(男子)留学生あるあるだと思うのですが、親しくなりかけた外国人同士が、


「お前の国の言葉で○○○はなんて言うんだ?」

とか

「相手を罵倒するときの、最低最悪の表現方法を教えてくれ」

とやりあうのは、もう完全なお約束です。



キレイごとだけでは新しい環境に入っていけません。いつまでも日本の食文化や芸者、フジヤマを話していても面白がられないのです。下世話な話で恐縮ですが、人種を超えた男同士の絆が生まれる瞬間とは、意外とこういう馬鹿馬鹿しい状況下だったりします(笑)

ただ、タイミングを間違えるとドン引きされるので、そこはご注意ください。
あと、当然ながらこの方法は男子限定です。


そんなこんなで、学校生活はとても楽しいものになっていきました。


つづく



代表 中山順司