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バイラルメディアとニュースキュレーションアプリとネイティブアド どれが生き残るのか

バイラルメディアとニュースキュレーションアプリとネイティブアド どれが生き残るのか

衛藤 涼太

プログラマーとしてシステム開発会社に就職後、プログラムはそこそこに新規事業の立ち上げなどを行う。そんな経験が災いしてか、自分で会社を立ち上げることに。様々なスポーツを紹介して多くの人に楽しんでもらえるよう情報を発信していきます。ラーメンと温泉が大好き。クリック募金でスポーツを応援するサイト スポクリを運営しています。

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最近、ネットサーフィンとしていると「バイラルメディア」「キュレーションメディア(ニュースアプリ)」「ネイティブアド(ネイティブ広告)」って言葉をよく目にします。私がこう言った方面の記事ばかり読んでいるせいもあると思いますけど、ネタとしても色々と盛り上がっていて非常に面白いです。

それぞれご存じない方はどんなものなのか下記リンクなどを参照してください。

バイラルメディア→http://matome.naver.jp/odai/2139012994512952101

ニュースキュレーションアプリ→http://toyokeizai.net/articles/-/46675

ネイティブアド→http://matome.naver.jp/odai/2138672721516044001

それぞれのサービスで色々と問題を抱えていそうですが、今後生き残っていけるのでしょうか?

■バイラルメディア

まずはバイラルメディアですが、各方面から集中砲火を浴びています。初めのころは、なんだか面白い話や写真などを公開して一気にアクセスを集めて、注目を集めていましたが、どうもそれがほとんど他のサイトのコピペだったり盗用だったりということで、一気に勢いがしぼんできたような感じです。

バイラルメディアができた当初から、このことに気が付いていた方もいらっしゃいましたが、大多数の人はそんなことは気にせずシェアやリツイートして記事を拡散していました。

そんなわけで名のあるIT企業もこのバイラルメディアに参戦したり、出資したりと2014年の夏くらいにかけては雨後の筍のような状態でした。ただ、もともと問題を提起する人は大勢いたわけでして、あるライターさんの記事をきっかけに多くの人にこの問題が知られるようになりました。

悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた http://special.smartguide.yahoo.co.jp/kawanagare/20141028.html

今後、どうなっていくかが気になります。

■ニュースキュレーションアプリ

これは名称をニュースキュレーションアプリと言っていいのか、キュレーションメディアと言っていいのか未だにわからないのですが、SmartNewsやGunosyに代表される各ニュース媒体をまとめて読めるアプリのことです。アプリによりそれぞれ特徴がありますが、Gunosyなんかはリリース当初はユーザーの興味にあった最適なニュースを届けると謳っていたので、そこから「キュレーション」という名前が出てきたような気がします。

このニュースキュレーションアプリがリリースされた時も著作権の問題が付いて回りました。

"smartnews"なるアプリがコンテンツ泥棒と批判された件で http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20121227-00022854/

去年の時点では上記の山本一郎さんの記事の続報としてこんな感じで書かれていますが、実際のところはどうなんでしょうか。

あれから一年が経ち、スマートニュースはどれだけ適法となったか http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20131210-00030513/

とはいえ今年に入り大型出資を受け、TVCMを流すなど一般の方にも認知され始めてきたと思います。Gunosyは700万ダウンロード突破したみたいですし。

さて、ニュースキュレーションアプリは一見順調そうに見えますが、どうもそうでもないみたいな気がします。ニュースキュレーションアプリで一番気になるのが、どうやってお金を稼いでいるのか、と言うところです。

方法は非常に簡単で「広告でお金を稼いでいる」というところが多いです。アプリを使ったことがある方は分かるかもしれませんが、記事がずらっと並んでいる中に「広告」「PR」「sponsored」と言った文字が入っていればだいたいそれが広告です。

ちなみにバイラルメディアもこう言った広告で基本的に売上を立てていると思います。

じゃあ、どれだけ稼いでいるのかという話になりますが、Gunosyは月に億単位ということらしいです。

「Gunosy」500万ダウンロード突破 月次売り上げは「億円単位」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1409/02/news113.html

おー、すごい稼いでいるなー。実際にどれくらいなのかは来年の決算で分かると思います。

実はGunosyは先日、第1回事業戦略発表会を行っていました。

【全文】「グノシー5,000万人都市構想」 Gunosy代表・福島良典氏が新戦略の全貌を語る-記者発表会

http://logmi.jp/27930

売上はこの発表会では言及されていませんでしたが、気になる数字が発表されていました。

それは「アクティブ率」つまりどれだけの人がアプリを使っているかの割合です。MAU(マンスリーアクティブユーザー、ひと月にどれだけの人が使っているか)、DAU(デイリーアクティブユーザー、1日にどれだけの人が使っているか)といった指標が有名みたいです。

ではGunosyのアクティブ率はどうなのかと言えば・・・

続いてアクティブ率ですね。我々がアクティブ率を発表するのは初めてとなります。このアクティブ率の定義ですが、DAU(デイリーアクティブユーザー)をMAU(マンスリーのアクティブユーザー)で割ったものになります。(アクティブ率について)46パーセントという数字が出ております。

logmiから抜粋

MAUでもDAUでもない独自のアクティブ率を出してきました。これについても色々な方から突っ込みが入っています。700万ダウンロードされていて、46%のアクティブ率と言うことであれば半数の約350万ユーザーが使っていることになります。月か1日かは分かりませんが、かなり大きな数字です。

しかし、Gunosyの言うアクティブ率はDAUをMAUで割る。つまり1日当たり50人が利用していて、1月当たり100人が利用であればアクティブ率は50%と言うことです。

700万ダウンロードされていて月に100人しか使っていないとしても、1日に50人が利用していればGunosyの言うところのアクティブ率は高くなる可能性があるということです。と言うわけでなんでGunosyは素直にMAUとDAUを発表しなかったんだろうという疑問をいだく人もいると思います。

IT系のメディアの多くがこのGunosyの発表会を記事にしていましたが、ほとんどこのアクティブユーザーについては触れられていませんでした。IT系の記者の方ならすごい気になると思うんですけどね。触れちゃいけないのかな。ちなみに毎日新聞ではこのような感じで掲載されていました。

グノシー:スマホポータルへ、買い物や旅行サイトと提携へ

同社の発表によるとグノシーは現在、700万ダウンロード。アクティブユーザー(実際のサービス利用率)は46%

http://mainichi.jp/feature/news/20141111mog00m020009000c.html

いいのかな、これ。

実はGunosyは自社の媒体資料の中で次のようにアクティブ率?を記載しています。

Gunosy媒体資料 2014 10-12 の10ページ目

週に1度以上Gunosyを見るユーザーが全体の80%

http://gunosy.co.jp/files/gunosy_salessheet_2014_10-12.pdf (PDFが開きます)

MAUでもDAUでもない週のアクティブユーザー?が80%と書いてあるのですけど、うーん。

Gunosyのことばかり書いてしまいましたが、SmartNewsなどに関してはあまりネットに資料がないんです。Gunosyさん、すいません。

バイラルメディア程でもないですが、ニュースキュレーションアプリも様々なサービスが出てきています。これからどうなるのでしょうか。

■ネイティブアド

バイラルメディアとニュースキュレーションアプリは聞いたことがある方も多いと思いますが、ネイティブアドは初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

ネイティブアドは人により解釈が違うのでこれがそうだと言いきれるものでもないかもしれませんが、例えば雑誌の記事と記事の間に挟み込まれる「記事広告」や記事のタイトルとタイトルの間に挟み込まれる「インフィード広告」などがネイティブアドと呼ばれています。

色々な人が色々定義をしているのでよく分からないのが正直なところですが、私の解釈では「読者をだます」広告だと思っています。だますと言うと聞こえが悪いですけど、いかに広告臭さを消して、読者に広告と思わせずに広告する手法なんじゃないかなと。以下の記事が私の理解に近いかな。

グーグルやNYタイムズまでが、「広告」であることをなぜ隠したがるのか

http://www.huffingtonpost.jp/zenichiro-tanaka/native-ad_b_6051602.html

他にもこんな記事もあります。

ネイティブアド 6類型と評価フレームワーク

http://ceo.bil.jp/2014/05/nativead.html

ちなみにニュースキュレーションアプリはこのネイティブアドを使った収益を上げるモデルを考えているみたいです。

話題のニュースキュレーションアプリ動向(2)「収益源の柱、ネイティブアドに期待」 http://www.advertimes.com/20140820/article168048/

インフィード広告がそれにあたるのだと思います。

ただこのネイティブアドについては、クリックしてみると「おいおい、結局広告かよ」といった見た後に不快感を感じる方が多いと思います。少なくても私はそう感じてしまいます。

ネイティブ広告で騙された気分に? ジャストシステムがスマホ広告印象調査 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20140703_656393.html

ただ広告を出す側としては誰にも見てもらえない広告は意味はないと思いますし、もう少し違った形のネイティブアドが出てくるような気がしないでもありません。

■まとめると

長くなりましたが

ネイティブアド>バイラルメディア>ニュースキュレーションアプリ

の順で生き残ると思います。

ネイティブアドはまずなくならないでしょう。インターネット広告の分野はまだまだ伸びますし、企業が全く広告を打たなくなるということもまず考えられないですから。形と呼び方は多少変わるかもしれませんが。

バイラルメディアは地下にもぐって存続すると思います。少なくとも企業としての動きはとれなくなりますが、2ちゃんねるまとめサイトのような形で生き残っていくと思います。著作権に関しても利用者のほとんどは気にしないと思うので、シェアも相変わらずされるような気がします。TPPの著作権交渉の行方と、google先生がそういったサイトに対して厳正な処置をすれば無くなるとおもいますけど。

ニュースキュレーションアプリは自社でコンテンツを作っていないため、アプリのポータルを目指していたグリーやDeNAのようになるのではないかな、という気がします。各提携メディアに対してどれだけメリットを与えられるかがカギなんじゃないでしょうか。NewsPicksは自社でコンテンツを作ろうとしていますが、はたして既存のメディアに対抗できるのかどうか。既存のメディアが手をつないでニュースアプリを作ればいいような気もしますが、・・・無理ですかね。

さてさて、来年の今頃はどうなっているのでしょうか。楽しみにしていたいと思います。