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スポーツと共に進む ふうせんバレーボールの普及を目指す 株式会社マルサ斉藤ゴム
»2012年6月 4日
あなたの知らないスポーツ、そっと教えます
スポーツと共に進む ふうせんバレーボールの普及を目指す 株式会社マルサ斉藤ゴム
プログラマーとしてシステム開発会社に就職後、プログラムはそこそこに新規事業の立ち上げなどを行う。そんな経験が災いしてか、自分で会社を立ち上げることに。様々なスポーツを紹介して多くの人に楽しんでもらえるよう情報を発信していきます。ラーメンと温泉が大好き。クリック募金でスポーツを応援するサイト スポクリを運営しています。
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スポーツとともに進む、3回目はふうせんバレーボールの普及活動をされている株式会社マルサ斉藤ゴムの斉藤社長にお話をうかがいます。マルサ斉藤ゴムさんは様々な風船を作っている風船メーカーです。ふうせんバレーボールとはどのようなスポーツで、どんな想いでふうせんバレーボールの普及をされているのでしょうか?
◆まずはふうせんバレーボールについて教えてください。
ふうせんバレーボールは、直径約40cmほどの風船を使って行うバレーボール様なスポーツです。細かいルールもありますが、大きな特徴としては相手コートに風船を返すためには、自分のチーム全員が風船に触れてからでないと返すことができません。なので必然的にコミュニケーションを取ることになります。また、お年寄りや障害を持たれた方もそして子どもも一緒にプレーすることができるスポーツです。
◆ふうせんバレーボール用の風船を作ろうとしたきっかけを教えてください。
マルサ斉藤ゴムで扱っている2寸6分と言う風船があるんです。これは千葉県の銚子の工場で何十年も作り続けている風船なのですが、それがたまたま20数年前に、ふうせんバレーボールを始められた方が色々な風船を試してみた中で最も適しているのがこの2寸6分の風船でした。だから、正確に言うとふうせんバレーボール用の風船と言うものは無かったし、ふうせんバレーボール用に作ったと言うわけでもないんですよ(笑)
◆なるほど。ふうせんバレーボール用の風船を作ったわけではなかったんですね。ではなぜふうせんバレーボールの風船にマルサ斉藤ゴムの2寸6分が選ばれたのでしょうか。
普通風船は膨らますと涙型になるんですが、この2寸6分の風船は通常の風船よりも丸く膨らむようになっています。そして機械で作ってはおらず、手作りの風船のなのですが、その手作りで作っている風船の型自体が丸いため、丸く膨らむようになっています。機械だとこの丸みを出すのが難しいんです。
そしてふうせんバレーボールは高齢者や障害を持った方など筋力が衰えた方もプレーします。そう言った方でも簡単に相手コートに風船を返すことができるように小さな力でよく飛ぶ風船なんです。
さらにマルサの風船は厚みがあり、重いことも挙げられます。風船は空気抵抗が大きいものなので、通常の風船だと軽すぎてあまり飛びません。2寸6分の風船はこの重さもちょうど兼ね備えていたんです。
これらマルサ斉藤ゴムが制作していた2寸6分の風船が、たまたまふうせんバレーボール用の風船にマッチしていたから選ばれたのだと思います。
◆本当に偶然なんですね。斉藤社長がふうせんバレーを知ったのはいつのことなのでしょうか。
問屋さんからはこの2寸6分の風船がふうせんバレーボールに使われていると言うことは聞いたことがありましたが、その時はふうせんバレーボールのことは良く分かりませんでした。実際にふうせんバレーボールがどのようなものなのかを知ったのは2009年12月に東京でふうせんバレーボールの普及活動をしている、厨川さんから連絡を頂いたときです。
そして厨川さんの話が非常に魅力的だったため、実際に見学し体験してみることにしました。見学してみると、本当に驚かされました。大の大人が風船を使ってキャッキャッと遊んでいるんです(笑)その時は障害者の方が多く参加していたのですが、皆すごく楽しそうにプレーしていました。
◆ふうせんバレーボールを見て感じたことはありますか
今までは風船は子供向けの商品だと思っていましたし、実際に子供向けの商品を販売していました。でもそれは自分の中で作られた固定概念だったと気がつかされたのです。今後、子どもの人口は減っていくことになると思います。そのような状況でどうやって風船を売っていこうかと言うことが課題でした。その突破口、新しい可能性をこのふうせんバレーボールは教えてくれたんだと思います。
お年寄りでも障害をお持ちの方でも皆で遊ぶことができる。風船はそもそも遊び方が決められているものではありません。風船を買った人がそれぞれの発想力で遊び方を発見することができる。風船が皆に喜ばれている理由がこれなんだと気付かされました。
◆ふうせんバレーボールのよさを知ってもらうためにどのような活動をされていますか
私が社長になった1年目に墨田区の若手後継者を育成する塾に入りました。そこで卒業のプレゼンの時に、ふうせんバレーボールを普及することが風船メーカーが生き残る道ではないかと発表をしました。その後、ふうせんバレーボール振興委員会さんが主催する練習会や普及事業のイベントなどに参加して理解することに勤めました。墨田区内でも定期的に練習できるような場所を確保したり、自主サークルのようなものを作って普及活動をしていきたいですね。
方向性は少し変わりますが、マルサ斉藤ゴムのふうせんバレーボール用風船は2011年末に「すみだモダン」の認証を受けました。「すみだモダン」とは墨田区の特産品を認定するブランドです。この認証を受けることにより、墨田区の広報紙などに掲載されより多くの方にふうせんバレーボールの存在を知ってもらえます。それと先日、スカイツリーが開業しました。東京そらまち5Fの産業観光プラザ「すみだ まち処」でも販売しています。さらに多くの人の目に触れることにより、ふうせんバレーボールが知ってもらえるものと思います。
◆マルサ斉藤ゴムがふうせんバレーボールの普及に力を入れる理由はなんでしょうか
マルサ斉藤ゴムはゴム風船の会社です。そしてふうせんバレーボール用以外の風船も作っています。それらの風船は海外の機械生産されている風船と勝負しなければなりません。しかし、コストの面で言えばどうしても太刀打ちできません。そうするとふうせんバレーボール作っている銚子の工場も存続できなくなります。もっとふうせんバレーボールが普及すれば2寸6分の風船ももっと作られて工場も存続することができます。これが1つの理由です。
もう一つの理由は、先ほどの後継者育成塾の中でコアプロダクトを考えようと言うテーマがありました。その時に気がついたのは、「確かにマルサ斉藤ゴムが販売している商品は「風船」だ。でも実際にお客様に届けているのは風船を使って遊んでもらったときに出る「笑顔」を届けているのではないか。」と言うことでした。ふうせんバレーボールはまさにこの笑顔を届けるのに最適なんです。だから我々はふうせんバレーボールの普及に努めています。
◆今後の夢を聞かせてください
ふうせんバレーボールを通じて、皆がコミュニケーションを取って、一緒に楽しみ喜んでもらえるようにしたいですね。身近なところにもっともっと広がってもらいたい。そして世界中に広がっていってほしい。実はふうせんバレーボールは世界にも広がりだしています。ドイツでも普及活動をされている方がいらっしゃるんです。もしかしたらふうせんバレーボールの形は変わっていくかもしれませんが、とにかくふうせんバレーボールで皆が楽しんでもらうのが夢です。
そして風船がどうやって作られているかをもっと知ってもらいたいです。今は大量生産大量消費の時代で、風船も100円ショップなどで買うことができます。でも、中には銚子の工場で天然ゴムを使い、手間暇かけて手作りで作られていて、想いのこめられた風船があることを知ってもらえると、風船で遊ぶ時にまた違う価値観を感じてもらえるのではないかと思います。今の子供たちに物づくりと言うものをもっと知ってもらえるといいですね。
◆斉藤社長ありがとうございました!
販売しているのは風船ではなくて「笑顔」なんだという言葉がしびれますね。
ふうせんバレーボールの普及はこれからますます進んでいくと思います。ぜひ皆さんも遊んでみてください。
ふうせんバレーボールは下記のサイトで購入することができます。
株式会社 マルサ斉藤ゴム
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