昨年は多くの大企業が通気の決算を赤字見通しであると発表し、なかでもパナソニックやシャープなどは数千億規模の赤字予想と大きな衝撃を与えました。そんな中、パナソニックの男子バスケットボール部と女子のバドミントン部が休部するとのニュースも流れて、また企業スポーツが縮小していきそうな予感です。ちょっとインターネットで検索してみたら2012年に休部廃部した、する予定と発表した企業スポーツは下記の通り。他にもあるかもしれません。
株式会社栗山米菓 Befcoビービースターズ(バレーボール)
本田技研工業株式会社 ホンダルミノッソ狭山FC(サッカー)
大鵬薬品工業株式会社 ソフトボール部
佐川急便株式会社 佐川滋賀FC(サッカー)
S&B食品株式会社 陸上部
パナソニック株式会社 女子バドミントン部 男子バスケットボール部
どのような理由で休部や廃部をするのかはそれぞれの企業によって事情が違うのでしょうが、パナソニックは下記のように発表しています。
当社は、業績回復に向けた様々な経営合理化の取り組みを進めており、企業スポーツの在り方についても、多面的に検討してきました。今後は、より一層「多くのファンから支持され、常にトップを目指す」スポーツに集中していきます。
これにより、当社の企業スポーツは、野球部、バレー部(パナソニック パンサーズ)、ラグビー部(パナソニック ワイルドナイツ)の3部体制となります。
多くのファンがいて、優勝争いをするスポーツを支援していく、と言うことになるのでしょうか。ちなみにパナソニックはJリーグのガンバ大阪のメインスポンサーでも知られていますが、こちらはJ2に降格となる来期もスポンサーを継続するとの発表がされています。
<企業スポーツはやめても、宣伝広告はやめられない>
企業スポーツは業績が悪くなると休部や廃部となることが多いですが、一方宣伝広告は業績が悪くなっても行っています。パナソニックは山手線の車内ではかなりの量の広告を見ることができます。ちなみに2011年度のパナソニックの広告費は746億円にも上ります(http://www.advertimes.com/20120928/article87681/)。
つまり企業にとって、特に消費者向けの商品を製造販売している企業にとっては広告は必要不可欠なものなのです。スポーツにより色々な人に商品やサービスを訴求する力があれば、その維持費は広告費としてとらえられて休廃部はしなくてもすんだのかもしれません。
ただ現実としては、企業スポーツでそこまでの広告効果を出すことは難しいとは思います。そもそもの設立した意義としては社員の結束を高める、会社への帰属意識を強くするなどのどちらかといえば社員の士気向上を目的としていることが多いです。
<企業がスポーツを支援する3つの案>
しかしこのままでは企業スポーツは衰退し、スポーツ全体の活気もなくなってしまいます。そこで私は3つの提案をします。
1、若く伸びている企業がスポーツを支援しよう!
例としては株式会社ディ・エヌ・エーがわかりやすいです。プロ野球の横浜ベイスターズを買収し、先ほど休廃部の一覧に挙げたS&Bの陸上部の受け入れも表明しています。まだ若い企業は当然のことながら歴史の長い企業に比べたらまだ知名度・信用度は劣ります。そういった意味では有力なチームを支援すればマスコミにも報道され知名度も上がり、スポーツを支援することはイメージ向上にもつながります。2年前まではDeNAを知らなかった人も、昨年は名前を多く目にしたのではないでしょうか。
2、大企業、歴史のある企業はマイナーなスポーツを支援しよう!
バレーボールやバスケットボールなど多くの企業は誰でも知っているスポーツを支援しています。そのためマスメディアにはちょこちょこ取り上げられますが、多くの企業が支援をしているため、どうしてもサポートしている企業の存在感が希薄になります。そこでほとんど注目されていないスポーツに大企業は支援をするといいでしょう。
これはミキハウス(三起商行株式会社)が良い例になります。昨年のロンドンオリンピックでは、所属する蟹江美貴さんがアーチェリー女子団体で銅メダルを獲得し、多くのメディアで取り上げられました。その際に蟹江さんを雇用しているミキハウスも、その会社がなぜスポーツを支援するのかなど好意的なイメージでメディア露出をしています。これはアーチェリーがマイナーなスポーツで、支援している企業がほぼミキハウスだけなのがこのような結果になったものと思います。
3、障がい者スポーツを支援しよう!
マイナーなスポーツと言えば障がい者スポーツもその範疇に入るかもしれません。昨年はパラリンピックもあり、その他の障がい者スポーツの報道も増えてきて、少しずつ障がい者スポーツも身近なスポーツになって来ています。
パラリンピックは今後より一層のメディア露出の機会が増える大会です。現在、2020年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致をしようと活動をしていますが、その中でもパラリンピックは以前よりも大きなウェートを占めるようになってきています。さらに障がい者スポーツに支援をするということは企業イメージの向上にもつながります。
<スポーツを育てる感覚で支援を>
多くの企業にとっては、現在スポーツを支援する余裕はないと思うかもしれません。それはスポンサーになるということは多くの費用が掛かると考えているからでしょう。スポンサーのイメージというと、有名なチームのユニフォームに企業名が入って年間1億円とかそんな費用感だったりするかもしれません。
しかし、マイナーなスポーツであれば数万円、数十万円からスポンサーになることもできます。そしてマイナーなスポーツだからこそ享受できるメリットもあり、場合によってはそれは有名なスポーツを支援すること以上の対価として返ってくる可能性もあります。
ぜひ企業の広報広告、CSR、スポンサーのご担当者の方はマイナーなスポーツにも目を向けてスポンサーになっていただければと思います。どんなスポーツがあって、お勧めのスポーツが何か知りたい方はお気軽にご連絡ください!→お問い合わせは
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