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コンサルタントの持ち物チェック! デジカメ編

コンサルタントの持ち物チェック! デジカメ編

野原 淳

キングジムファイリング研究室でファイリングや机の整理のしかたなどの指導・提案をしています。

当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。

 私自身が実際に持っているもの、今回はデジカメ編です。

nex5.jpg 欲しいと思ったスペックのデジカメがなく、何度も妥協しそうになりながらも耐え、数年待ってようやく購入に至ったプロセスをお話しします。自分にとって「必要なもの」とは?それを定義していくプロセスの参考になれば幸いです。

 

【どこで使うのか?】

 デジカメの場合、ほとんど「持ち歩き」となるでしょう。では、どの頻度で持ち歩くのか?これによって許容できる重さは異なって来ます。

 私は、コンパクトデジカメを常に持ち歩いていましたし、新しいデジカメにもそれを求めました。それには使わないかもしれないと思っても躊躇なく持って行ける重さでないといけません。

 これには体を鍛えて重いものでも苦もなく持ち歩けるようになるという解決方法もあります。山根一眞氏は自著の中でそうおっしゃっています。私はやはり軽い方を求めますが。

 

【何に使うのか?】

 デジカメの場合「何を撮るのか」となるでしょう。

 私の場合、大体は子供や家族、全ての自分の趣味の記録、パワーポイントや壁紙の素材、あとはメモ代わりの記録媒体として、と言う所です。そこに、こだわりを付加したいと思ったわけです。それが、画質レンズ交換と、広いマニュアル設定でした。これをコンパクトデジカメとデジタル一眼レフの2台体制ではなく、1台で済ませたいと思ったわけです。

 さらに、子供の誕生と共に購入したビデオカメラも、デジカメに統一したいという気持ちが湧いて来ました。旅先にデジカメとビデオカメラの2台をを持っていくのは嫌だったし、ビデオって撮っても結果的にあまり観ない。メイン静止画、時々ビデオ、これのスタイルが体験的に確立されたのです。

 と、なれば、デジカメにビデオ機能が付いたもので十分、となってきます。これでビデオも1台減らせます。

 

【いくら出せるのか?】

 趣味に散財するのもまた華々しくていいのですが、度が過ぎてもいけません。

 私は趣味も多く、カメラはまだそれほど優先順位は高くありません。となれば、あまり高価な物に安易に手を出すわけにもいきません。デジカメに出せるのは、無意識的に7~8万円くらいで設定していたように思います。

 ただ「これだ!これなら間違いない!」って言う衝撃的な出会いって、ありますよね。この「出会い」があった場合、無意識的な価格設定は崩壊し、若干のオーバーしてしまうことも...。結局こうして散財していくわけですが...。

 

【待ちに待って、欲しいスペックのものを手に入れた】

 デジタル一眼レフは、もう数年前-子供が産まれた頃-から欲しいと思い続け、ずっと迷っていました。

 どこに迷っていたかというと、当時、世の中に存在していた機種では、自分のニーズに合致するものがなかったのです。

 奇麗な写真が撮りたい。しかし、高価なデジタル一眼レフを使いこなせるか、結局持ち歩かないのではないか?画質の向上はファイルサイズの大きさにつながり、ファイル保管の方法も検討しなければならなくなるでしょう。

 デジタル一眼のスペックは実務レベルを超えて趣味の域に達していると思います。趣味として追い求める気持ちを維持できなければ意味がないし、それが実務までスポイルしてしまうのは最悪です。

 

【悩みに悩んだ日々】

 やがてマイクロフォーサーズ機が登場しました。機種によってはフルハイビジョン動画も撮影でき、そこそこ小さい。

 キヤノンからはデジタル一眼レフとしてはかなり小さく、動画機能も申し分ないEOS Kiss X4が発売されました。

 でも、結局どちらも買いませんでした。

 マイクロフォーサーズはイメージセンサーが小さく、画質もボケ味も期待するものではありませんでした。このスペックならもっと小さくなれるはず。つまり「待ち」と判断したのです。

 EOS Kiss X4は確かにデジタル一眼レフとしてはかなり小さいけれど、やはり毎日持ち歩くサイズではありませんでした。「撮るぞ」という時に持っていくのでいいなら、重くても7Dとか5Dとか、上位の機種の方がいいわけです。

 そんな折、韓国ではサムスンからAPS-Cサイズの画素を持ったレンズ交換式ミラーレスが発売され、これは日本でもどこかが出すんじゃないか、という期待が持てるようになりました。

 

【ついに「衝撃の出会い」へ】

 そしてソニーがAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載した、ミラーレス一眼「NEX-5」を発表したのです。本体だけの重さはたったの229gしかありません。フルハイビジョンビデオ撮影も可。

 αシリーズのレンズをつけられるマウントアダプターもあり、独自性も追求できそうです。7コマ/秒の連続撮影やスイングパノラマなど、期待以上のスペックも搭載されていました。

 しばらくすると、別のメーカーから、ニコンやキヤノン、ライカなどのレンズを取り付けられるマウントアダプターが発売され、レンズの選択肢は一気に広がりました。

 そして、購入を決定づける最後の事件が。それまで「毎日持ち歩ける」カメラとしての役割を担っていた、ペンタックスのOPTIO WPiというカメラ(下の写真)がついに壊れてしまったのです。水深1mで30分まで防水という極めてタフな機能を有したカメラでしたが、夏に行った海で、それを超えてしまったようです。

optio.jpg 手元に持ち歩けるカメラはなくなりました。

 その場で(旅行中に)インターネットで購入し、帰宅した日の夕方にはNEX-5を手にしました。

 

【自分の使い方を定義し、追い求めた結果は?】

 結果、このカメラは自分の中で2010ベストバイに自信を持ってノミネートする大満足さです。

 今は、ニコンのレンズをつけられるマウントアダプターを購入して楽しんでいます。「撮るぞ」と言うときはニコンのレンズをつけていき、そうでないときは標準のレンズをつけていきます。いやー、サイコーですね!

 ビデオもデジカメに一本化されました。もちろん、毎日持ち歩いています。

 今回はうまくいった例でしたが、当然失敗もたくさんしています。だから、より慎重にモノを選ぶようになって、本当に後悔しないかどうかを見定める技術が身についたのかもしれません。

 本当に必要なものを選ぶには、価格や流行り、評判だけに流されてはいけません。自分自身の使い方をはっきりさせ、現在不足している部分はどこかを洗い出し、これから買おうと思っているものが、それを解決してくれるのかを精査します。

 例えば、今まで二つだったものを一つにまとめてくれるとか、遅いと思っていた部分が速くなるとか、ランニングコストが安くなるとか。それを得るのに出せる金額だ、と思えば、買っても後悔はないでしょう。

 そこまで考えて選ばれた精鋭だけに囲まれてする生活は、とても楽しいに違いありません。