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退部を認めない学校との大ゲンカ - 生徒に考えさせない学校システム(2)

»2010年10月 5日
開米のリアリスト思考室

退部を認めない学校との大ゲンカ - 生徒に考えさせない学校システム(2)

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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ただいま名古屋に来ています。

明日の仕事の準備を終えたところで、「生徒に考えさせない学校システム」の続きを少し書いてみましょう。

それは今から30年前のこと。
開米は某地方の小規模な中学校で学校側と大ゲンカをして孤軍奮闘しておりました。

ケンカの内容は

  開米:部活は辞めます!
  学校:ダメです。認めません!


というものです。

当時その中学では部活動が4つしかなく(女子については3つだけ)、全生徒がどれかに入ることを義務づけられていました。

私は正直どれもやりたくなかったのですが、「義務だからしかたなく」、ある部に入っていたわけです。

しかし、そもそも部活動には法的根拠は存在しません。
義務教育については確かに「教育を受ける義務」を定めた法律がありますが、部活動はあくまでも課外であり、参加は任意のはずです。

にも関わらず何の根拠があってあなた方は部活動を「強制」するのか? その根拠を述べよ! 根拠がないなら開米が部活を辞めるのを認めろ!

・・・・という論を立てて私は学校側に「退部の自由」を要求したわけです。

こういう要求をした生徒がそれまでいたのかどうか、わかりませんがまあものすごく珍しい事例だったのは確かです。少なくとも私は聞いたことがありませんでした。

ちなみに私は「部活動には法的根拠がない」「だからそこを突けば学校側は制度上は反論のしようがない」「部活動をやったほうがいいよ、という説得は出来ても、やれ、と強制することはできないだろう」
と考えてました。

実際のところ、私の本心は「部活をやりたくない」のではなく、「そもそも学校という場所にいたくない」でした。
当時も人間関係にいろいろと問題を抱えていたもので(笑)、学校には行きたくない!! それでも義務だというなら正規の授業の時間は行ってやるよ。だが課外活動にまで拘束されるいわれはないわ!
オレは断固として部活動への参加は拒否する!

というものだったのです。

法的根拠を振りかざして学校の命令を拒否するたあ、いったいどういう中学生だよ、とツッコまれそうですが、結果としてその時の私の要求は通り、めでたく部活動の拘束から逃れて、家で好きな本を読みふけられるようになりました。

ただ、すんなり通ったわけではなく、そのためには学校と大ゲンカをしなければなりませんでした。

そしてこのときの大ゲンカを通じて、開米は大人の世界の特殊な事情、普段は表だって言えないし彼ら(教師達)自身も忘れているような隠れた本音を目にしたのです。

もともと学校もそこで働く教師達も好きではありませんでしたが、この事件で彼らが行動で示した「本音」は、私の教師不信を一気に引き上げました。

それがつまり「生徒に考えさせない学校システム」です。

だから、私は「学校」を一切当てにしないようになりました。
そして、理不尽な要求には黙って従っていてはいけないこと、
それを変えるためには自分が行動を起こさなければいけないことを、身をもって学びました。


自分で行動を起こすためには、
自分で考えなければいけませんよね?

だれかがやり方を教えてくれるわけじゃありません。
なにしろ前代未聞の要求をしていたので、それを実現する方法は自分で考えなければいけませんでした。

思えばこれが今の開米の仕事につながっているようです。

            ・・・つづく(^_^)


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