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オレは部活動を維持する道具じゃない! - 生徒に考えさせない学校システム(3)

オレは部活動を維持する道具じゃない! - 生徒に考えさせない学校システム(3)

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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前回の「退部を認めない学校との大ゲンカ - 生徒に考えさせない学校システム(2)」記事の続きです。

・・・なんて書き出しても誰も覚えてないぐらいの時間が空いてしまいました(^^ゞ

やはりどうもネガティブ系のネタは書こうとするとハードルが高いですね。
そして一度ためらいを感じると、なかなか書く踏ん切りがつかずに時が経ってしまいます。

まあ、気を取り直して再開するとしましょう。

さて、前回こんなことを書きました。

 部活動を辞める、と要求したときの学校との大ゲンカを通じて、
 開米は大人の世界の特殊な事情、普段は表だって言えないし彼ら
 (教師達)自身も忘れているような隠れた本音を目にしたのです

その「本音」とはいったい何だったのでしょうか?

■ホンネその1:放課後を自由にさせたくない

ざっくばらんに言うと、暇な時間を与えると悪いことをする恐れがある、
だから自由にさせないために部活動を強制していた、というわけです。

表だってこういうことを言う教師はあまりいないと思いますが、
この時の大ゲンカを通じてそういう空気はひしひしと感じました。

まあ、実際のところこの効果は否定できないので、あまりこの
ホンネ1については悪くは思っていません。先生方もチューボウの
管理は大変だよね~とある意味同情的に思うところですが、問題は
この後です。


■ホンネその2:退部者が続出して部活が成り立たなくなると困る

これはハッキリ言われました。
「部活強制参加」を撤回して開米の退部を認める、という前例を
作ると、万一退部者が続出したら部活動そのものが成り立たなく
なって困る、と。

率直に言ってこの発言を聞いたときは唖然としました。
本末転倒もいいところです。
生徒は部活動を維持するための道具じゃない。
強制加入やめただけで退部者続出して成り立たなくなるような
魅力のない部活動なら即刻潰れろよ、馬鹿野郎!!

と思いましたね。

だいたい、「退部者続出」なんて起きるとは思えませんでした。
私は他にやりたいことがあったし「学校にいたくない」ので
退部を申し出ましたが、他の大多数の生徒は別にそうは思って
いなかった様子です。

だから、「部活を辞められる」という前例が出来ても退部者
続出なんてことにはならないだろう、と私は思ってましたし、
実際その通りになりました。

もし本当に生徒の絶対数が極端に少なくて、例えば野球をするのに
9人ギリギリしかいないとかで1人欠けても存続が危ぶまれる、
というのであれば事情は違います。

そういう場合の「オマエに辞められると部活が成り立たなくなる。
なんとか残ってくれ」という話なら、嘘偽りのない真実ですから
私もできるだけ真剣に対応しましたが、そういう状況ではあり
ませんでした。

ただ単に「今までやってきたしくみを崩したくない」だけで
「退部者続出されると困るから強制加入維持」なんて理屈は
通りません。

でもそんな理不尽な理屈に何の疑問も持たず、それが正しい
と信じているのが当時の体制だったのです。


当時の学校を運営していた教師達に悪意はなかったと思います。
彼らは彼らで正しいと考えていることをしていたのでしょう。

でも、「善意に動機づけられた、誤った行動」というのは
時として「悪意に基づく行動」よりもはるかにたちが悪い
ものです。

私が「部活動をやめる」ために戦わなければならなかったのは、
そういう「善意で間違った行動を取っている大人達」の集団でした。

しかもその大人達は学校の先生であり、つまるところ生徒にとって
の針路を左右する権力を握っています。

さてこの戦いにどうすれば勝てるのか?

      ・・・つづく