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「わかりやすく書く」ための地味~な習慣
»2013年5月27日
開米のリアリスト思考室
「わかりやすく書く」ための地味~な習慣
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
当ブログ「開米のリアリスト思考室」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/kaimai_mizuhiro/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
こんにちは、開米瑞浩です。
今日は珍しく(?)本業の話を書くことにしましょう。
このブログでは原発の話とか写真の話とかを書いていることが多いですが、私の本業は「わかりやすい文書を書けるようになるための基本習慣を教えるコンサルタント」です。
「うちの社員の書く説明書とか報告書がわかりにくくて困る」とお悩みの企業様から「ちょっと『書く力』をテーマに研修をやってください」という依頼を受けて実施するのが主な仕事。
実際に「分かりやすい文書を書ける」ようになるために何をすれば良いのかというと、
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も・・・とこのまま100回繰り返してもいいぐらいにです。
まあ、↑このぐらい強調すれば印象に残りますよね(^^ゞ とにかく大事なのは情報を分解して、分類する、ということです。
では、具体例を出してみましょう。ある会社が株主向けの広報資料の一部に載せた文面、という想定です。
株主総会のシーズン(そういえばそろそろが近づいてますね)になるとこういう文面を飽きるほど見かけるものですが、試しにこれを分解してみることにしましょう。
分解するといってもその粒度(どれだけ細かくするか)にはいろいろあって、キーワードレベルにまで分けてしまうこともありますが、とりあえず今回は短文に分けることにします。すると、
原文は長い一文でしたが、こうして4つの短文に分解できそうです。
実は、こうして分解してみると、
という場合がよくあります。
たとえば、S3:の「売上拡大」というのは、S2の結果でしょうか?
それともS1とS2の両方の結果でしょうか?
文法的にはどちらもありえますが、ビジネス常識から言って「売上」に直結するのは「営業活動」ですから、主にS2→S3の関係がある、と考えてよいでしょう。
異論は認めますがここではひとまずおいといて、注目したいのは、「分解」することによって得られる、
実際のところ、こうして理解が深まるから「わかりやすく書ける」ようになるのであって、「これさえ守って書けば大丈夫」という、わかりやすく書くための定番のテクニックがあるわけじゃありません。
分解して分類すること。
非常に地味~な習慣ではありますが、これが大事です、ということを徹底して何度も何度も何度もしつこく体験してもらうことが、私の研修の主要なテーマなのです。
さて、この「経営目標」例文の分解・分類はこれで終わりではありません。そもそもまだ分類してません。続きます。
・・・・次回に続く
(注:この話題は、私の著書「最強のビジネス図解ワークブック」掲載の例題を当ブログ向けに再構成して書いています)
写真は境川を飛ぶイワツバメ。本文とは関係ありません。
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今日は珍しく(?)本業の話を書くことにしましょう。
このブログでは原発の話とか写真の話とかを書いていることが多いですが、私の本業は「わかりやすい文書を書けるようになるための基本習慣を教えるコンサルタント」です。
「うちの社員の書く説明書とか報告書がわかりにくくて困る」とお悩みの企業様から「ちょっと『書く力』をテーマに研修をやってください」という依頼を受けて実施するのが主な仕事。
実際に「分かりやすい文書を書ける」ようになるために何をすれば良いのかというと、
情報を分解して、分類するという習慣をつけてください、ということを徹底的にしつこくしつこくしつこくやります。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も・・・とこのまま100回繰り返してもいいぐらいにです。
まあ、↑このぐらい強調すれば印象に残りますよね(^^ゞ とにかく大事なのは情報を分解して、分類する、ということです。
では、具体例を出してみましょう。ある会社が株主向けの広報資料の一部に載せた文面、という想定です。
例文:経営目標
【経営目標】
全社一体となって業務全般の徹底した効率化を進めるとともに、お客様満足の獲得を目指した営業活動を積極的に展開することで売上を拡大し、利益水準の維持・向上を計っています。
利益目標:連結経常利益 1200億円
株主総会のシーズン(そういえばそろそろが近づいてますね)になるとこういう文面を飽きるほど見かけるものですが、試しにこれを分解してみることにしましょう。
分解するといってもその粒度(どれだけ細かくするか)にはいろいろあって、キーワードレベルにまで分けてしまうこともありますが、とりあえず今回は短文に分けることにします。すると、
S1:全社一体となって業務全般の徹底した効率化を進めます
S2:お客様満足の獲得を目指した営業活動を積極的に展開します
S3:それによって売上を拡大します
S4:また、利益水準の維持・向上を図っています
原文は長い一文でしたが、こうして4つの短文に分解できそうです。
実は、こうして分解してみると、
どれとどれが関連付くのかが、よくわからない
という場合がよくあります。
たとえば、S3:の「売上拡大」というのは、S2の結果でしょうか?
それともS1とS2の両方の結果でしょうか?
文法的にはどちらもありえますが、ビジネス常識から言って「売上」に直結するのは「営業活動」ですから、主にS2→S3の関係がある、と考えてよいでしょう。
異論は認めますがここではひとまずおいといて、注目したいのは、「分解」することによって得られる、
分解した各要素の関連性が気になるという効果です。分解しないままで一生懸命何度も読み返しても「関連性が気になる」というところの効率が悪いので、分解した方がいいんですね。
気になって考えることで、理解が深まる
実際のところ、こうして理解が深まるから「わかりやすく書ける」ようになるのであって、「これさえ守って書けば大丈夫」という、わかりやすく書くための定番のテクニックがあるわけじゃありません。
分解して分類すること。
非常に地味~な習慣ではありますが、これが大事です、ということを徹底して何度も何度も何度もしつこく体験してもらうことが、私の研修の主要なテーマなのです。
さて、この「経営目標」例文の分解・分類はこれで終わりではありません。そもそもまだ分類してません。続きます。
・・・・次回に続く
(注:この話題は、私の著書「最強のビジネス図解ワークブック」掲載の例題を当ブログ向けに再構成して書いています)
写真は境川を飛ぶイワツバメ。本文とは関係ありません。
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