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「図解」をする主な理由は自分が「理解」するため

「図解」をする主な理由は自分が「理解」するため

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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こんにちは。本職・文書作成能力向上トレーナーの開米です。

先日、「「文書」に関するワークフローと各工程での着眼点」という記事を書きましたが、今日はその中の「読解・図解・理解」という工程について触れます。

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あたりまえのことですが、「ある状況」に対して、どうしようか、という「方針を立てる」ためには、その前に自分がその状況を「理解」していなければなりません。

「理解」するためには、「ある状況」そのものか、あるいはそれを記録した「文書」を読み取る必要があります。
「文書」というのはたとえば報告書や説明書と名のつくものが代表的です。営業マンが客先を訪問して書いた数行の報告も「文書」ですし、大きな事故が起きると作られる,数百ページに及ぶような事故報告書も「文書」です。

私が「わかりやすい文書を書く」ための研究をしていてわかったのは、

人が「文書」を読む精度は予想以上にはるかに悪い
ということです。あるとき、分解すると10項目になる情報を含んだ文書を研修受講者に渡して「この内容を極力正確に図解してください」という宿題を出したことがありました。私の予想としては、10項目全部は無理にしても7項目ぐらいは書けるだろう、と思って出題したのですが、実際はほとんどの受講者が3~4項目しか書けず、しかもそのうちの1つは事実関係の理解を間違えている、というものが多かったのです。

要するに、

正確に書いて渡したからといってそれが理解されるとは限らない

だからこそ、誤解が無いようにわかりやすく書かなければならないのですが、そのためには何よりもまず「自分が理解」する段階で「文書」を正確に読みとることが欠かせません。

しかし、2003年から、図解を中心とする文書作成能力関係の研修を行っていますが、これが意外に難しいのです。文章を正確に読む、というのは予想以上に難しい。(率直に言ってこれは学校の国語教育の失敗です)

そこで、「読む精度を上げる」必要があります。

「図解」というのはまず第1に、そのための手段なんです。
誰かが書いた報告書、説明書を「正確に読み取る」ための手段。


そしてそのために

並列・順序・工程
因果・相関
全体・部分
抽象・具体
・・・(以下略)
といった観点で情報を精査します。

「文章」を前から順番に100回読み直しても気がつかなかった間違いに、因果関係や全体・部分関係を整理することであっさり気がつくことも珍しくありません。

「図解」というのは、文章が表している「状況」を、その本来の構造に近い形で感覚的に理解できるようにするための表現手段です。
「その本来の構造」というのが、「並列・順序・工程」・・・・以下並んでいる観点です。だから、

単に「文章」を何回も読むのではなく、
役に立つ「観点」に気をつけて情報を分解し、
構造が見えるように図解する
という習慣をつける必要があります。
それができると、「理解」までたどりつきます。

・・・・続く。