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原子力論考(109)「信じない」と宣言するのは自由ですが・・・

»2013年10月 3日
開米のリアリスト思考室

原子力論考(109)「信じない」と宣言するのは自由ですが・・・

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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こんにちは。文書化能力の向上トレーニングが本職の開米瑞浩です。

今日は久しぶりに原子力関係の話。

原子力発電を推進するかどうか、というのは本来、

リスクとリターンの勘定の問題
であって、

感情の問題
ではないはずです。

にもかかわらず「私は政府・東電の言うことなんか信じない」あるいは「推進派の言うことなんか信じない」と言い出すのは、「俺は考えることを放棄した」と宣言するも同然の行為ですよ。

もちろん、法律で規制されているわけではありませんから、思考放棄を宣言するのは勝手ですが、その瞬間、利害得失の計算の出来ない奴、と見られるのは覚悟しておいてください。

客観的に見るなら、「福島原発事故の放射能漏れによってとんでもない健康被害が起きる」という主張はすべて事実によって否定されつつあり、避難区域の設定もあまりにも広すぎたというのは明らかになっています。

それを認められない人々は今まで、トンデモ学者の主張に頼って「莫大な被害!」を主張してきたわけですが、それがすべて破綻してきたからこそ出てくるのが、「推進派の言うことなんか信じない」という言葉です。

信じるか信じないかは、それこそ個人の信仰の問題です。「信じない」と主張した瞬間にその主張は宗教になっていることを自覚するべきです。

まあ、こんなことを言っても一番肝心な「信じない」と宣言している人には届かないのはわかってますけどね・・・・

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