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指示型プレゼンと育成型プレゼンの違いとは?

指示型プレゼンと育成型プレゼンの違いとは?

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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こんにちは。文書化能力向上コンサルタントの開米瑞浩です。

以前書いた「スライド1枚にどのぐらいの情報量を入れていいか?」という記事に関して質問いただきました。

「情報量を極力削減することが無条件で正しいのは承認要請型プレゼンの場合だけ、というのはわかりましたが、指示型と育成型にはどんな違いがあるのでしょうか?」

というわけでお答えします。

「指示型」というのは「問題の解決策を指示して実行させる」ためのプレゼンテーションで、何しろ「指示」なので、モレなく順番に明確に与える必要があります。極端な場合は

「右足を前に出して、次に左足を前に出して、これを5回繰り返して7メートル前に進んでください」

というのが「指示型」です。基本的には、「何のために何をする」という「目的と手段」の階層を考えて、相手の知識レベルに応じてその階層のどこまでを語るかを決めます。「相手が既によくわかっていることはいちいち言わない」にしても、「重要なポイントではないからといって省略する」ことはありません。たとえて言うなら、「指示型プレゼン」というのは「注文書」みたいなものです。「当学生寮の今夜のメニューはカレーですので、今から言う材料の配送をお願いします。ジャガイモ2kg、ニンジン1kg、タマネギ2kg、牛肉カレー用1kg,・・・」というような注文を出すとき、「らっきょうは主要材料じゃないし、言わなくてもわかるだろうから省略」はしませんよね。それが指示型ですので、材料が100種類あれば100項目列挙する必要があります。

一方、「育成型」の場合は「何が必要かは自分で考えろ」なので、「目的と手段の階層」のうちの一部を意図的に省略し、代わりに「考えるための手がかり」を提供します。

たぶん説明が足りてないと思いますが、今回はとりあえずこのぐらいにしておきます。気になることは、またお尋ねください。