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塗装工事が終わろうとした頃、一つ問題が出てきました。
私の会社がステンレスプールメーカーとして私立小学校の建設工事に関係しているのですが、プールメーカーとしては問題があるということだったのです。
建設現場の元請けは大手企業ですし、その下請けも大きな会社です。
しかし、メーカーとして名前が挙がっている私の会社は、どこの馬の骨かもわからない会社です。
従業員は30人以上いますし、年商も億単位ですので、そんなに小さな会社ではありませんが、ステンレスプールメーカーとしては、明らかに小さすぎます。
しかも、2年くらい前には売上が一時期ゼロになった見事な実績もあります。(笑)
そこから破竹の勢いで事業を拡大してきたのですが、悪い見方をすれば、打ち上げ花火のように一発屋になる可能性もあります。
そう考えれば、メーカーの資質には疑問があります。
というか、そもそもプールの「プ」も知らない会社がメーカーなのですから、資質がどうこう言う前に、普通ならあり得ない状態です。(笑)
今になって何癖を付けてきたのは、設計事務所でした。
設計事務所は、系統図を書けばJVや建設会社より上になります。
建設会社の所長に聞くと、その設計事務所には難しい顔をした偉いさんがいて、そのおっさんが言い出したらしいということです。
そのおっさんとは所長を交えて話をして、ここまでやってきました。
それなのに、完成間近になって何癖を付けてきたようなのです。
見るからに「小難しい顔」ではなく、「難しい顔」をしていましたので、今は「大難しい顔」になっているのでしょう。
その顔を直接拝みに行ってやろうと思い、現場事務所に来る時間を所長からこっそり聞いておき、その時間に行きました。
今の私はとても上品で、たまに熱いギャグを飛ばすことはありますが、箸より重いものを持たないイメージがあるかと思います。(笑)
でも、当時は現場バリバリ人間ですし、実は人並み以上に力は強く、片手でリンゴを砕くこともできます。
言葉遣いも現場風で荒く、年齢の割に態度はでかいのです。
さらに、行け行けどんどんで鼻息も荒い上に、後出しじゃんけんのように何癖を付けられて、頭に血が上っています。
そんな状態で相手に会えば、「あ、いつもお世話になっております~」とヘコヘコして、腰が低くなることはありません。
もちろん、手を出したり暴言を吐いたりすることはありませんが、正論をガツンとぶちかますのは自然といえます。
何を言ってやろうか考えながら現場事務所に行ったのですが、そのおっさんはいませんでした。
どうやら急いでいたらしく、すぐに出ていったということでした。
その怒りの矛先は、所長に向かいました。(笑)
いつもの倍くらいの声で「しょちょー!話がちゃいまんがなー!」と言うと、「すまん!申し訳ない」と平謝りでした。
偉そうに怒ったのではなく、冗談半分の会話です。
どうでもいい話を書いたかも知れませんが、それだけ所長と仲良くなっていたということで、それが物事がスムーズに進む要因になっていたということです。