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名義貸しの深い意味

»2013年4月12日
事業のヒント

名義貸しの深い意味

神 真一

事業アドバイザーとして、滋賀、京都で「楽しく正しい事業」に導く事業アドバイスをしています。

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ステンレスプールの工事も終わりにさしかかった頃、私の会社がメーカーとして名前が挙がるのは、資質に疑問があるという話が起こりました。

それを解消する案として、実績のあるメーカーの名前を出すことを言われました。

早い話が名義貸しですね。

最初は気分が悪かったものの、何が起こるかわからない爆弾を抱えているようなものですので、よく考えたらメリットの方が大きいことに気が付き、それで進めることにしました。

そこで問題になったのは、それにかかる費用です。

名前を出すのは上場企業ですし、それなりの責任も伴いますので、正確な金額は忘れましたが、それなりに費用がかかります。

私は表面上は仕方なく受け入れるようにしていましたので、「費用も出さないし、何があっても責任は一切取らない!」と言ってありました。

私は普段は態度はでかいですが、言う時はガツンと言いますので、そうなったら誰も反論できません。(笑)

どうするかは建設会社と設計事務所が決めるのですが、私が話をしているのは建設会社の所長で、設計事務所の偉いさんは出てきませんでした。

まるで私を避けているかのようでした。

私はどっちになっても大差ありませんが、向こうは費用がかかってきますので、かなり検討したようです。

系統上は設計事務所が上になりますので、建設会社は中間的な立場になります。

建設会社の所長はサンドイッチ状態になりますので、密かにこう言ってありました。

「何があっても知らんと言いましたが、所長に迷惑をかけるわけにいきませんので、そうなることが起こったら、すぐに言ってくださいな」

きっぱりと言っておきながら、密かに助け船を出したのです。

それを聞いて、所長は安心したようでした。

どうやら名義貸し費用は設計事務所と建設会社で折半したようで、そのメーカーが施工したことになり、私の会社は表から消えました。

それと同時に、抱えていた爆弾も消えました。(笑)

名前が消えたと言っても、その工事に残る書類からは消えただけであって、実績が消えるわけではありません。

この実績はこれからバンバン出すわけですし、むしろ一流メーカーの名前になったことは、うまく使えると考えたのです。

ある意味、弱みを握ったということです。

すでに、ステンレスプール業界に大きな風穴を開けていますので、はっきり言って書類の名前なんてどうでもいいことです。

考えれば考えるほど、願ったり叶ったりだったのです。

最初は、そこまで考えていませんでしたが。(笑)

あとは、とにかく完成させて、竣工調査などを終えて引き渡すだけになってきました。