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塗装工事は天候の影響で予定より少し遅れましたが、大きな問題もなく終了しました。
溝ぶたやコースロープなどもギリギリのタイミングで入りましたので、ステンレスプール一式が完成したことになります。
あとは、竣工調査などを残すのみとなりました。
正確な名前は忘れましたが、設計事務所、建設会社、施主の代表者が集まって、説明を聞きながら現場を見るのを「竣工調査」とします。
何か違う気がしますが、細かいことは良しとしましょう!(笑)
他にも調査がいくつかありましたが、この竣工調査が一番の山場でした。
山場といっても、何かあってもやり直しをすることはできませんので、今までの修羅場をくぐり抜けてきた私にとっては砂場のようなものです。
しかし、重要な調査であることは間違いありませんし、何があるかわかりませんので、万全の体制で挑みました。
その万全の体制とは、雑談トークの発動準備になります。(笑)
何かを指摘されたり、良からぬ雰囲気になった時は、私が得意とする雑談トークを発動して、話をそらすわけです。
そうして、「あら?何の話だっけ?」というくらいに話をそらし、うまく丸め込むという作戦です。
でも、万全の体制といっても、今まで何度も雑談トークを発動して成功してきましたので、何の準備もなく当日を迎えました。
建設会社の所長が説明をしながら、数人がプールをジロジロ見ながら歩いて行きます。
予想はしていましたが、誰かに塗装面について聞かれました。
「少しムラがあるようですし、表面がざらついているようですが?」
「屋外の塗装は天候の変化もありますので、屋内のようにはいきません。特にここは吹きさらしで、砂ぼこりやゴミが飛んできますので、どうしても塗料が乾くまでに付着します」
「なるほど」
「これでも、できる限りの対策をして塗装したんですよ。同じような条件にある屋外のプールをご覧になったことはありますか?」
「いや、ないですね」
「他の屋外のプールを見てもらったらわかりますが、もっとムラがあってざらざらしていますよ。この条件だったらこれが限界くらいですわ」
こんな感じで、他のプールを見たことがないのをいいことに、最もらしいことを言いました。
ちなみに、私も他の屋外のプールを見たことはありません。(笑)
こうして堂々と説明していれば納得されたので、特に雑談トークを発動することはありませんでした。
意識的に雑談トークはしていませんが、半分くらいは雑談というか違う話をして、うまく竣工調査を終えることができたのです。
ちなみに、こうした調査では、よほどのことがない限りは問題が出ません。
溶接をやり直すことは不可能ですし、もし色ムラをなくすために塗装をやり直すのであれば、全面塗装が必要です。
そんなことをするわけにいきませんので、少々のことなら「まあいいでしょう」と目をつむるのです。
他の調査も問題なく終わり、こうして無事にステンレスプールが完成しました!
「問題なく」と言うよりも、問題が見えないだけですが。(笑)