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責任者が私の顔を見ると駆け寄ってきて、こう言いました。
「社長、すんまへん!ワシがあいつらにきつう怒って、うじうじしとるんで「とっとと辞めてしまえ!」と言ったら、そのまま全員辞めていきましたわ。ほんまに根性なしの腑抜けですわ」
責任者に任せてありますし、すでに後の祭りですので、私は「そうかあ~」と聞いていました。
「言いすぎてすんまへん。ほな、ワシは仕事に戻りますで、あとは頼んますわ!」
「おいおい、勘弁してくれよ~」と心では泣きたい心情ですが、「おお!あいつらの分も頑張って仕事せえよ!」と明るく言うしかありません。(笑)
責任者のケツを拭く形になりますが、いずれにしても私が話に行かなければなりませんので、ちょうどいいタイミングかも知れません。
考える間もなく事務所に向かい、工場長に言いに行きました。
人材派遣契約ですので、いきなり数人が辞めるのは、工場に大きな迷惑をかけてしまいます。
しかし、この場はどうしようもありませんので、工場長に謝りに行きました。
「工場長、すんまへん!うちの若い数人がいきなり辞めよったんですわ!」
「ほんまかい?何でや?どうするんや?」
「○○にきつう怒られて、そのまま集団で帰りよったんですわ」
「ひえ~、それは困るなあ。何とかしてもらわんとなあ・・・」
「まあ、話をしたら辞めるのを撤回するかも知れませんし、ダメだったら新しい人材を入れますわ。ちょっと迷惑をおかけしますけど、まあ、工場の方は何とかなりますやろ?ガハハハ!」
「そうやな。何とかするしかないなあ・・・」
「すんまへんけど、よろしゅう頼んますわ!ほな、段取りがありますで、もう行きますわ!」
こんな感じで、心を込めて謝罪しました。(笑)
派遣している人材の3分の1くらいが一気に辞めましたので、普通なら契約にも影響する大問題ですが、普段から人間関係ができていましたので、何も問題ありませんでした。
すぐに数人の誰かに電話したところ、1人だけ出て話ができました。
ちょっと話をしたところ、全員で絶対に戻らないという約束をしたので、辞めるということでした。
こうして、一気に数人が辞めることが確定したのです。
あの時、私が話の途中に入っていけば、間違いなく展開は違っていましたので、そう思ったら引っかかるものが残ります。
辞めたのは自己都合としても、そのきっかけは責任者にあります。
でも、今回は辞めることがなかったとしても、早かれ遅かれ同じようなことが起こり、辞めていたような気もします。
また、別のきっかけでやめることになっていた可能性もあります。
そう考えると、そういうタイミングだったのかも知れません。
いろんな意味で考えさせられ、勉強になった出来事でした。
ちなみに、その後はすぐに人材を入れることができず、現場からもクレームが出ましたが、「まあ、近いうちに入れますわ!ガハハハ!」と笑ってごまかしていました。(笑)
しかも、こちらのペースで人材を入れるパターンは続きました。
普段から付き合いというか、人間関係ができていましたので、相変わらずのペースだったのです。