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採用の権限を渡す

»2013年5月11日
事業のヒント

採用の権限を渡す

神 真一

事業アドバイザーとして、滋賀、京都で「楽しく正しい事業」に導く事業アドバイスをしています。

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大手のコンクリート製品製造工場2社の元請けの仕事をメインに、現場工事にも手を出し、ステンレスプールメーカーも立ち上げて、手当たり次第に事業を拡大していきました。

少し前には仕事がゼロになったのですが、あっという間に年商が億を突破して、従業員は40人近くになっていました。

私は20代後半で鼻息は荒く、まだまだ事業拡大しか頭にありませんでした。

経営者としての能力や知識は、まったくありませんでしたが。(笑)

でも、振り返ってみると、結果的に組織化はできていました。

この規模の会社が新規採用しようとすると、社長が面接して条件などを提示して、採用を決定することになります。

でも、私は直接現場には入っていませんし、私が採用を決定するよりも、実際に現場で使う管理職が決定した方がいいと判断しました。

そこで、専務や部長に採用の権限を渡したのです。

面接と合否だけを決めさせるのではなく、採用計画から雇用形態、給料や待遇など、すべての権限を持って採用させるようにしたのです。

その結果、より良い人材が採用できることになりました。

おそらく、私が面接して決定しても同じ結果になっていたでしょうが、現場が自分で決めた人材ですので、思い入れも違ったようです。

そうした採用が何人か続き、名前は何となく知っていても、顔を知らない従業員が何人かになりました。

時々現場を見に行って、そこで初めて名前と顔が一致していたのです。

当時からこの話をすると、驚く人が多かったですね。

もう少し規模の大きな中小企業のような採用形態を取っていましたので、同じような規模の会社の社長からは、「勇気があるなあ~」と言われることがありました。

確かにそうかも知れませんし、ものすごく責任のある業務ですが、何から何まで社長が動いていては、その規模やレベルを超えることはできません。

能力のある人材にはどんどん権限を渡して、社長がいなくても会社が回るようにするのが社長の仕事です。

実際に、そうなっている事業所は伸びていますし、社長が先頭を切って働いている事業所は伸び悩んでいることが多いですね。

何から何まで社長が首を突っ込んで、従業員がやる気をなくしているような事業所は衰退しています。

当時の私はゴルフがメインですし、私がいてもいなくても会社は回っていましたので、結果的に組織化はできていたことになります。