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前回の続きです。
契約ができるとすぐに施工の段取りに入りました。
塗料や道具などは注文するだけですが、問題は施工内容と人材です。
平日は社員全員が工場や現場に入っているため、まとまった人数を集めるのが難しくなります。
日曜日だったら何とでもなるのですが、日曜日は現場に入ることが難しいので、適当に人材をかき集めました。
適当な人材を集めたのではなく、適当に頭数を集めたのです。(笑)
その時は全然違う事業もやっていましたので、普段は営業専門のおっちゃんも入っていました。
言うまでもありませんが、現場に入れば全員がバリバリの作業員です。(笑)
現場責任者を指名すると、「来ると思ってましたわ・・・」という諦め顔です。
「ワシは塗装なんてやったことありませんで。それに、この人材はもうちょっと何とかなりませんの?大変でっせ・・・」
「塗料はこの比率で混ぜてタッチアップしていくだけや。難しかったら、まあ適当に何とかしてくれ!人材は頭数がおるだけマシや。それを使うのが責任者の仕事やでなあ!」
「そう言うと思ってたけど、ちょっと無茶でっせ・・・」
「やればなんとかなる!それから、このプールは公共施設やし、わかってると思うけど、今回はゼネコン直の重要な仕事やで、しっかりプロの仕事を頼むぞ!ガハハハ~」
こんな調子で無茶に加えてプレッシャーを足しました。(笑)
工事の初日は私も見に行き、どう見てもプロ集団には見えない動きで施工スタートです。
試しに責任者が塗ってみたところ、あまりに色が違うので驚きました。
同じペンキを塗っているのですが、プールは色あせて薄いブルーです。
元のペンキは普通のブルーですので、塗った跡がまるわかりだったのです。
知識としては知っていましたし、色が違って見えて問題ないのですが、あまりに違いすぎるので不安になりました。
とりあえず作業をスタートさせて見てみると、プールの底に青い斑点が付いいていて、とても目立ちます。
「遠くから見たら大丈夫かな」と思いましたが、遠くから見ても汚いものは汚いです・・・
「色合せをした方がいいのでは?」という声もありましたが、色合せする塗料もありませんので、そのまま進めることにしました。
ゼネコンの責任者に聞かれると、「これで普通ですわ。ここは室内プールだからまだマシな方で、屋外だったらもっと目立ちます。こうして見ると目立ちますが、水を張れば全然大丈夫ですわ!しばらくして色あせてくると、きれ~いになりまっせ!」と答えました。
半分くらいは想像ですが、納得されたようでホッと一安心です!(笑)
こうして毎度のことながら行き当たりばったりで、無事に施工が完了しました。
一面斑点だらけの汚いプールに蘇ったのです!
その後、検査について聞かれたのですが、検査があるかどうかも知らなかったので、「これに検査はありません。まあ、これで当面は大丈夫ですなあ。ガハハハ!」と適当に笑ってごまかして終わりです!(笑)
民間ならともかく、今回は公共施設だったのですが、終始こんな調子でした。
今ならこうは行かないと思いますし、そもそも直で契約できることもありませんが、工事は小規模といえども、非常に大きな相手との契約が問題なく完了したのです。
問題なくスムーズに進んだのは、やはり所長との人間関係ができていたからだと思います。
それは先方の現場責任者とかも知っていますので、私がOkと言ったら、それでOKという感じでした。
当時は毎度のことなので何とも思っていませんでしたが、何か問題でも起こったらえらいことですので、怖いもの知らずとはこのことですね。(笑)