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今日は台風の影響で午後から3回も短い停電がありました。
短時間の停電なので不便なことはありませんが、停電が起こると、いつも電気があるありがたさが少しわかりますよね。
停電も何もないのが当たり前ですが、その状態を維持するために電力会社は仕事をしています。
何を隠そう、かつては私もその一員でした!
別に隠しているわけではなく、隠しているのは会社名だけで全部暴露しているわけですが。(笑)
短時間でも停電があると、その地域を管轄している営業所は大変です。
一度停電があるということは、続けて停電する可能性も大きいので、すぐに現場出動しなければなりません。
休日や夜間の営業所の当直は一人か二人程度ですので、「呼び出し」がかかります。
当直者が技術社員に片っ端から電話して、「いますぐ出勤せよ!」と命令があります。
その命令は絶対で、受けると最短で営業所に行かなければなりません。
寝ていようがデート中であろうが、トイレでうんこをきばっていようが、すぐに飛んで行かなければならないのです!
今日は日曜日ですが、日曜日もへったくれもありません。
日曜日の夜中でも早朝でも停電があれば呼び出しがあるのです。
私がいた時代は携帯電話がありませんので、家にいなければ次の日に「あっ、そうだったんだ」と知る場合もありますが、今は呼び出し率も高いのではないかと思います。
台風の日の復旧作業は超大変です。
昔、台風19号が関西圏に甚大な被害をもたらしたことがあり、その時は私もいたので現場出動しました。
私が行ったのは比叡山付近で、周囲は全部停電していました。
現場に到着すると、木が倒れて電線が切れていて、地面に垂れ下がっている状態でした。
応急処置のため電柱に登らなければなりません。
暴風雨のピークとも言えるタイミングでしたが、そんなことは言ってられませんので、電柱にしがみつきながら必死に登ったことを覚えています。
その怖さと言ったら半端ありません!
電柱は電線を支えているわけですが、電線が電柱を支えてもいるのです。
太い高圧線がピンと張ってあるので、電柱は安定して立っているわけです。
その証拠に、電柱に車が激突して折れても電柱は立っているのですが、それは電線に電柱がぶら下がっているからなのです。
今回はその電線がないばかりか、木も倒れるような暴風雨の中、10メートルも電柱を登らなければならないのです。
もう振られまくって風と一緒に飛んで行くかと思いました。(笑)
まさに決死の思いで応急処置が終わると、次は本復旧に入ります。
そこからが腕の見せどころと言いたいところですが、実は本復旧できる腕は営業所にはありません。
それ以前に、その材料すらありません。(笑)
工事は一通りできますが、営業所のレベルでは、そんな悪条件だったらいつ終わるかわからないレベルなのです。
ということで、本復旧は現場工事専門の下請けの出番になるのです。
工事に関しては下請けのほうが技術、スピード、品質、精度ともにはるかに上ですので、下請け会社にも呼び出しがかかっていて、少し後に現場に到着するわけです。
その後の復旧まで完全にお任せで、私達は次の現場に向かうことになります。
こうして、ひどい事故があったとしても、短期間で復旧できるのです。
今日は台風の中の停電でしたので、そんなことを思い出しておりました。
普段は停電がないのが当たり前ですが、その当たり前の状況に感謝しなければなりませんね。