その運送会社の業務は、半年か1年くらい続いていたと思います。

その次は、その運送会社の違う業務をすることになりました。

二日かけて長野、兵庫、大阪で荷物の積み卸しをして1サイクルとなる業務です。

何箇所かで積み卸しをするのですが、その工程というかタイミングがうまい具合にかみ合っている仕事でした。

運送会社の基本的な業務は、荷物を積み込んで、別の場所で下ろして帰ってくることになります。

荷物を下ろしてしまえばトラックは空になりますので、「空車」の状態で帰ってくることになります。

たとえば、滋賀で荷物を積んで長野で下ろして帰ってくれば、長野から滋賀までは空っぽの状態で帰ってくることになります。

これは普通の状態になるのですが、空で帰ってきても何かを積んでいても、帰ってくるのにかかる時間や燃料代は同じです。

空で帰ってくるのはもったいないので、下ろした場所で「帰り荷」を積んで帰るようにすれば、その分が利益になります。

そこで、どの運送会社でも帰り荷を探して積んで帰るようになります。

今回の仕事は、その帰り荷がうまく組み合わさっていました。

二日かけて2種類の仕事を組み合わせて、無駄のないルートを通るような仕事になっていたのです。

この運送会社の強みは「定期便」を確保していることでした。

確実に利益になる定期便の仕事ばかりをやっていましたので、少ない台数でも、それなりに利益が上がるようになっていたのです。

また、今回の便のように帰り荷というか、うまく仕事を組み合わせていましたので、効率良く仕事が消化できるようになっていました。

簡単に言えば、帰り荷の売上は大半が利益として乗っかってきますので、利益率は上がることになります。

実際は、下ろしたその場所で帰り荷が積み込みできるわけではありませんので、多少は移動するための時間がかかることになります。

それでも、「ついでに積んで帰ってくる」という感覚ですので、空車で帰るよりも利益が確保できるのです。

その好例が今回の便だったのです！

2種類の仕事を1台のトラックでこなしますので、単純に売上は倍になることになります。

実際は、サブの仕事の単価は少し低かったようですので、通常の1.5倍くらいの売上になっていたと思います。

それでも、一般的には難しいほどの売上となっていましたので、「さすが！」という組み合わせでした。

こうして、複数の仕事を組み合わせることができれば、今でも運送業で利益を出すことは十分にできるはずです。