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【書評】江戸商人・勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本

【書評】江戸商人・勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本

貫洞 沙織(かんどう・さおり)

社長業5年目です。接客、営業の仕事をしております。趣味は体を鍛えること、読書、ドライブ、漫画です。自由に生きましょう!

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こんにちは! 走る社長、貫洞です。
今日は楽しく読める、江戸時代のある物語をご紹介します。タイトルは「江戸商人・勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本」です。

一番やさしい儲けと会計の基本.jpg


この物語は、江戸時代の呉服屋で幕を開けます。ある日、丁稚奉公の「勘助」が丁稚を卒業して外商のお仕事を任されます。勘助の周りには、個性ゆたかなキャラクターが、江戸時代を舞台にイキイキと生活しています。かわいらしい女の子も、頭の切れるお風呂好きな青年も、毎日を一生懸命生きています。

自然に読み進められてしまう小説仕立てのこの本。実は、読んでいくうちに大切な「会計の基本」が学べるようになっています。「原価」と「売値」から始まり、もうちょっと突っ込んだところまで。そして、面白いのは物語の細部で語られるちょっとした落とし穴に気づかせてくれることです。

私自身、自分に重ねながら読みました。一番面白かったのは「仕入諸掛」に関する一連の流れでした。勘助は反物を仕入れる時「○両で仕入れなさい」と言われていたので、その通りの金額で仕入れてしまいます。しかしそこには落とし穴がありました。反物そのものの仕入れ金額に上乗せして、船で運ぶための船代がかかる暗黙のルールを知らなかったのです。「原価」と「売値」を考える時に必要なのは、反物そのものの仕入れ金額、船代、着物に加工する仕立て費用の3つを合計して「原価」と考えなければならなかったのです。

これは、営業マンにも、個人事業主の方にも読んで欲しいと思いました。私自身、営業にかかる費用などをきちんと把握せずに値決めをしてしまっている時期があったことを思い出しました。そして、今の仕事の中で、誤った値決めをしていないか、改めて思い返すことができました。

「会計は難しそうだ」「経理がやっているから自分は営業に専念しよう」こんな風に考えている方にこそおすすめの一冊です。(まさに私です)
物語が始まってしまえば、「会計は難しそう」なんていう気持ちはいずこへ、勘助や魅力的なキャラクター達の成長を見守りながら、自然に会計の基本について触れていくことができます。体感ですが、予想していたより20倍くらいわかりやすかったです。

最後になりますが、この本の著者は誠ブロガーの眞山徳人さんです。眞山さんのブログ記事「5円玉って、何グラムだか知っていますか?」は「トリビアか?」と思わせつつ、実はシャレが効いている、眞山さんらしい記事です。こちらもどうぞお読みください。
眞山徳人さん 「公認会計士まーやんのロジカるつぼ」
http://blogs.bizmakoto.jp/mahyan-cpa/entry/17563.html