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パレートの法則は本当なのか?~学べる店舗数値力8

パレートの法則は本当なのか?~学べる店舗数値力8

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


お客様に時々言われる「あれ無いの?これ無いの?」
この店なら「あるかもしれない」と、思って頂けることは大変嬉しいことだ。
しかし、悩める原因の一つだ。店舗はスペースに限りがあるので、スーパーの様な品揃えは不可能だ。狭いスペースの中で、より多くのお客様に満足してもらおうと、あれこれ悩むのだが、そんな時に役立つのがABC分析だ。

多くの小売店ではABC分析を取り入れていると思う(ABC分析とは商品カテゴリー別の単品を販売数順に並べて分析することです)
同時に耳にするのが「パレートの法則」です。
※パレートの法則とは、経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。(上記パレートの法則から引用)
本来の趣旨、意味合いとは違うらしいが、80:20の法則と考えていた方が覚え易いかもしれない。「2割の顧客が全体の8割の売上を作っている」こんな言葉を聞いたことがある人は多いだろう。ABC分析もこの2割の商品を確認する為に多く用いられる。重点商品というわけだ。

当店においても、品揃えのことを教育するときにパレートの法則に触れて教えていたのだが、ふと疑問に思った。
本当に2割の商品が全体の8割の売上を作っているのか?

計算し直してみよう!!
◯コーヒーの数値を見てみよう
コンビニの飲料としては、充分な品揃えが有り、売上もそこそこあるので調べてみた。
当店では、現在25種類の缶コーヒーがあり、先週944本販売されていた。25種類の20%は5種類なので、この5種類が755本(944本の8割)を販売していたら、パレートの法則は正しいとなる。
計算してみた。
5種類の販売数は321本。缶コーヒー全体の34%だ。
あれ?

統計だからね、小さなカテゴリーには通用しないのかもしれません。
◯店全体の数値を見てみましょう。
店の売上を大きなカテゴリーに分けてみると12項目に分けられる。2割は2,4カテゴリーだ。
計算してみた。
上位2項目の売上と、3位カテゴリーの中から4割を足して、全体からの構成比を計算しました。
結果は47%でした。
あれ?
パ、パレートさん!ち、違いますけど(汗

最近の流行りは、やはり「ロングテール」ですからね(汗
これは、FREEの著者でお馴染みのクリスアンダーソンさんが提唱した理論ですね。
パレートの法則と反しているわけではなく、パレートの法則では無視されがちな80%の部分に目を向けた理論です。

そこで、私は2割のお客様が言ったレアなアイテムを品揃えすることで、8割のお客様が満足するのではないだろうかと、パレートの法則とロングテール論を混ぜた勝手な理論を展開中です。
学術的根拠は一切ございませんが、品揃えのヒントにと思っています。

今回、結果は、80:20の割合にはなりませんでしたけど、一部の上位商品が大きな割合を得ていることは正しいですね。
パレートの法則通りにはいきませんが、上位商品を見ていくことは大切な事でしょう。と、同時に、ロングテール論に目を向けると面白い売り場が作れるかもしれませんね。