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何も買わないのに「ありがとうございます」を言うワケ

何も買わないのに「ありがとうございます」を言うワケ

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 何も買っていないのにもかかわらず「ありがとうございます」と言われますよね。

 あれって皆さんはどう感じていますか?

 「うわっ!買ってないのにありがとうなんて嫌味かよ」イエイエ、決して嫌味なんかではありません。

 折角、店まで足を運んで頂いたのに買う物がなくてスミマセン。そんな気持ちで言っています。

 というのは嘘です。
 実際に、売り場を探しまわっていたり、「あれ無い?」と聞かれて無かった場合は、確かに申し訳ないという気持ちで「ありがとうございます」を言っておりますが、雑誌の立ち読みや、トイレだけを使って帰る人にも「ありがとうございます」を、言っています。

 答えは条件反射です。

 来店時や退店時にチャイムが鳴ります。あれに反応しているのです。
 そんな対応は接客レベルとしては大変低いものですが、そうすることで、コンビニ特有の明るさを醸し出しているのです。

 そんなコンビニ店員(いや、接客業をしている人の多くは)は、ヤバイ職業病にかかります。

 他店でも、「いらっしゃいませ」を言ってしまうのです。
 ほとんどが、ピクッと反応するだけで終わりますが、ぼーっと、食事やコーヒーを飲んでいる時など危険です。ピンポーンと鳴ると思わず「いらっしゃいませ」と、言ってしまうなんてことはザラです。
 一番危険なのは、自店と同じチェーンで買い物している時です。疲れてぼーっとしていなくても言ってしまうことがあります。
 チェーン店は、店の作りから商品の配置まで、ほとんどが一緒です。目から入ってくる情報は、働いている時と何一つ変らないのですから、脳が反応してしまうのです。
 だから、極力プライベートでは、同一チェーンを利用しないようにしています。

 私服でいるのに「いらっしゃいませ」とか言っている人を見かけたら、「あ〜接客業をしている人なんだなぁ」と、優しく見守ってくださいね。

 あっ、でも立ち読みやトイレだけじゃなくてちょっと買ってね(笑)
 最近、近所に住んでいる人で、自分ちのトイレを汚したくないのか、水道代やトイレットペーパーを節約するためなのか、数時間ごとにトイレだけ使う人がいるんですよ。
 普段、トイレだけ使う人なんて気にも止めないのですが、さすがに、数時間毎に来るとコチラも認識しますよ(笑)