誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

バレンタインデー・ホワイトデー終了のお知らせ

バレンタインデー・ホワイトデー終了のお知らせ

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 3月14日が終わったところで、本年度のバレンタインデー・ホワイトデー販売状況を確認しました。バレンタインデー・ホワイトデー共にお菓子カテゴリーの催事モノとして陳列棚のエンドスペース(レジ前であったり入り口すぐの棚のこと)を使う重要な商材でした。
 「でした」そうです。昭和50年代から日本に根づいたこの行事も、終わりを告げる時がやってきたのです。

 高らかに宣言します。来年はバレンタインデー・ホワイトデー共にまともな展開はしません!したくありません!廃棄ロスが山盛りなんじゃぁ!!

 では、どうしてこうなったのか考えていきましょう。
 まず、ココ数年の当店バレンタインデー・ホワイトデーの販売推移から見て行くことにします。(余りにもリアルな数値を出すのが、最近、危険になってきましたので、端数は四捨五入した数値になります。)
バレンタインホワイト.JPG
 と、突然のように販売数が急落している状況です。

 何故こんなことになってしまったのか。

◯デフレ不況の影響
 長期のデフレ不況により個人消費の低下、徹底的に不必要なモノを買い控えるといったことがおきてます。コンビニのバレンタイン・ホワイトデーは義理チョコの需要によって賄われてきたのに、義理チョコ需要が減ってきている。いや、ほぼ無くなってきたのです。
 バレンタインデーに義理チョコを男はもらうと、お返しであるホワイトデーにもキャンディーが売れます。ところが、義理チョコが無くなれば、当然お返しも無くなるのです。
 上記、販売数からも分かる通り、ホワイトデーはバレンタインより売れます。それは、男性は女性と違い、デパート等での専門店購入が少ないからです。バレンタインは以前から販売が落ちてましたが、ココ数年はホワイトデーが急落。これは、女性からの供給がなくなったものと判断いたします。

◯学校へのお菓子持ち込み禁止令
 バレンタインデーの日、学校行きたくなかったですよね。筆者は、小学生の頃はバレンタインなどという行事があることは知らなかったので幸せでしたが、中学生時は授業が終わったら速攻学校から逃げ出しました。高校生時代にいたっては学校をサボって友人宅で麻雀をしてました。
 そんな非モテ系男子に学校が助け舟を出してくれました。現在では学校にバレンタインだのホワイトデーだの、「お菓子を持ってくるな指令」が保護者へも含めて徹底通達されてきたのです。
 小中学生のチョコ・キャンディー代など、親から出資されてるものです。親にとってもこの通達は、デフレ最中の家計には助かるで、渡りに船です。お陰で更にバレンタインデー・ホワイトデーの販売ダウン。

◯簡単手作りチョコの台頭
 最近のバレンタインチョコなどは、既製品のお菓子を買うより家庭で手作りすることの方が多いようです。母親と一緒に手作りすることで、女同士のコミュニケーションを取っているのでしょうか。調理器具の技術進歩により、家庭のオーブンレンジ等で簡単に手作りチョコが出来るようになったのも手作りチョコの追い風となったのでしょう。うちの娘も手作りして配ってました。レシピもあちこちで公開されてますしね。
 そんな手作りチョコが流行ることで、コンビニの売上も落ちてきます。100円均一ショップにお客様を取られているのです。100円均一という安さに引かれていると言うより、手作り用のパッケージが一緒に買える利便性により奪われていると言った方がいいでしょう。

◯友チョコの戦略失敗
 「友チョコ」解説しよう。
 友チョコとは女子同士バレンタインデーにチョコを渡し合うという、バレンタインデーの根源を否定する風習である。
 女子にとってある意味無駄な出費であった義理チョコを無尽蔵に配るくらいなら、友達にあげた方がいいじゃん的な感じだろう。

 ここで一言、男子も義理チョコなんて要りませんから!!

 しかし、この「友チョコ」なる風習、突然降って湧いてきたようなものです。誰がなんと言おうが、これは、自然発生したものではないのです。明らかに、バレンタイン需要が減ってきたことで、お菓子業界が仕掛けてきたことでしょう。まぁ元々バレンタインデーこそ、ステマの原点みたいなものですから、今更驚くことではないでしょう。

 友チョコはバレンタイン商戦の盛り返しに一役買ったかも知れません。でも、お菓子業界さん、ホワイトデーの単価の方が高いって分かってますか?昔から男の方が金遣いは荒いんですよ。荒いというより、「お返しは3倍返し」とか言われてましたからね。
 友チョコでバレンタインデーに金を使っても、お返しのホワイトデーはありませんからね。チョコレートだけ扱っているならまだしも、キャンディーやクッキーの販売を落としているというのは明らかに戦略的失敗です。

 と、言うことで数十年という間、お菓子業界が仕掛けてきた戦略が終焉を迎える時がやってきたのです。

バレンタインデーもホワイトデーも終了しましょう!!

 大体、勝手にチョコを送り付けといてお返しをあげないと文句を言われる。しかも、そのお返しがショボかったら更に文句が出るような、男にとって理不尽極まりないバレンタインデー・ホワイトデーなどなくなった方がいいのです。


 余談ですが、筆者の好きな「非モテ記者・ホリウチシリーズ」連載が再開されました。がんばれホリウチくん!!