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レシートブロック誕生物語
»2012年9月28日
とあるコンビニオーナーの経営談議
レシートブロック誕生物語
とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。
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一部の方々によって命名された"レシートブロック"。釣銭お渡し時、レシートと釣銭を同時に渡すことで、お客様の手に触れないようにしているかのように見えるため、そう命名されたのだろうと、筆者は考えている。
しかし、これは大きな誤解であって、決して手に触れたくないからやっているのではない。
従業員にとってレシートの取り扱いほど厄介なものはない。新人時には、レシートは「絶対に渡して」と、教育する。これは、登録明細をハッキリとお客さんに提示するためだ。今やレシートは税務署も認める財務書類だ(金額だけしか表示されていない領収書より信用度が高い)。
しかし、このレシート受取拒否をする人が大半である。その受取拒否の態度が尋常じゃない。中には怒鳴り声と伴に拒否する人がいる。怒鳴らないまでも、ほとんどの方が汚物でも渡されるかのように嫌がるのだ。
レジの横には不要レシート入れというものがほとんどの物販店にある。不要ならばそこに捨てれば良いだけなのに、その行為すら煩わしいらしい。
バイトは、渡す渡さないの判断を瞬時に行なうことが求められるようになるのだが、そんな判断、完璧に出来るようになるわけでもない。バイトは指示通りにやっているので落ち度はないのだが、お客さんに怒られる。次第に言われなければ渡さなくなるのも、仕方ない。
ところが、渡さないければ渡さないで、また怒られる場合がある。その場で「レシートくれ」と、言ってくれるならばまだしも、わざわざ本部のお客様相談センターまで電話してくれる方がいる。
そうなると、また全員に渡せと指示を出さないといけなくなる。
堂々巡りである。
そこで編み出されたのが、冒頭の"レシートブロック"と、称される行為だ。
釣銭は受け取りたいので、必ず手を出してくれる。そこに、すーっとレシートを挟み込むのだ。これにより、格段にレシート受け取り率が上がる。それでもまだ、レシートと同時に釣銭を出すと、コチラがレシートを引っ込めるまで釣銭を受け取らない方もいる。「レシート要らない」と、一言言ってくれればいいのに、無言で手を引っ込めるのだ。
こんな感じで、オーナー店長からは「レシートは渡せ」と、指示され、お客さんからは「んなもん要らねぇんだよ」と、罵倒され、渡さなければ「レシート渡さないとか、ありえないでしょ」と、嫌味を言われる。考えに考え生まれたレシート渡しの技が、今度は「お前がキモいから、レシートでブロックされるんだよ」と、言われてしまう。
不憫だ。
不思議な事に、レシート不要という人も要るという人も、怒りモードで言ってくるのは何故なんでしょう?
心優しき誠ブログの読者様、どうかレシートを受け取って下さい。
レジスター製造業界の人にお願いです。お客さん側にレシートが出るようなレジ作ってくれませんか?
手抜きと思われるかも知れませんが、それが双方にとって幸せだと思うんですよ。