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【おでんは暑いからヤメロ!絶対にやるなよ!→ハイ、おでん始めますよ!←俺は芸人じゃない】

【おでんは暑いからヤメロ!絶対にやるなよ!→ハイ、おでん始めますよ!←俺は芸人じゃない】

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


毎日暑いですねぇ
皆さん、健康にはお気をつけ下さい

さて、この糞暑い中、私は元気におでんを売っています。無能なコンビニ本部は、「おでんを早めに仕掛けていきます」とか言ってきて、加盟店に大迷惑をかけています。

始めに、筆者はおでんの販売を完全に否定しているわけでは無い。商売になるのであればだ。問題は、「商売になるであれば」と、いうところです。早めにお客様に認知してもらうことで確かに販売ピークが伸びる理論も解かる。が、社員でもあった私は、多くの店で「商売」として成り立って無い事実を知っている。そのオーナー達の代弁者として、このブログに記するものであって、私の店はギリギリ商売になっている。それが、おでん販売を否定しきっていない要因だ。だから、私の正体を暴こうなどと、コンビニ本部も無駄な労力を使わぬようお願いしたい。

まずは、当店の昨年のおでん販売推移をご覧いただこう。

odenn.JPG日付、販売数は、個店が特定される可能性があるので、ご勘弁いただきたい。
ご覧になると、お気付きであろうが、突出したところは販売セールを行なった時期だ。注目してもらいたいのは、それ以外の場所である。販売数と廃棄ロス数がニアになっていることがお解りいただけるだろう。要は当店においても、販売セールを行わなければ利益ベースに乗らないということだ。まるで、いつも閉店セールを行なっている店のようだ。

ここで、本部様の言っている「おでんを暑い最中売る意味」とやらに突っ込んでいきましょう
◯「おでんが最も売れる時期は、10月や11月頃」とか言ってくる
これは、上のグラフからも判るように、販売セールによって作られたピークだと言うしか無い。その作られたピークの為に、8月の暑い最中からおでんを販売しているのだ。

◯「徐々におでんの時期がやってきたことを消費者に伝えていき、一気に10月に売り上げを獲得する」とか言ってくる
スタートを早めることで、販売ピークを最大にする為にと、いう理論だ。ピークは作られたものなので、作られたモノの数値から時期を早めるなど、端からナンセンス。結果、本当に寒い2月頃には、各店販売を自粛してしまうという本末転倒なことになっている。何故なら、販売セールのせいで通常価格に魅力が無くなるからだ。と、同時に一番気温が下がる時期には、販売セールを実施しないので、販売が利益ベースに乗らないのである。寒くなりたてが一番売れるというのは、伸長率が高いというだけで、高い販売を打ち出すのは一番寒い時でなければ嘘だ。アイスを見れば判る。やはり一番売れるのは暑い7月、8月なのだから。
※アイスの販売グラフ

アイス.JPG何故コンビニ本部はおでんを売りたがるのだ?
【建前】※これは店に対してよく言われることだ
◯ファーストフードは、他社との競合対策になる
~これは、当店だけおでんを販売しているなら競合対策になるが、競合もおでんを売っているのに、なんの競合対策なのかサッパリ分からん

◯ファーストフード程、利益率が高い商品は無い
~確かに、仕入れ時点での利益率は高い。しかし、廃棄ロス分は考慮していないので話にならない

◯ファーストフードを扱えるということは店のレベルが高いという証拠である
~確かにファーストフードの状態が良いということは、店のレベルが高いとイコールであるが、扱わないことと店のレベルが低いということはイコールでは無い

◯やれば売れる
~確かにおでんの販売は、各店の努力に比例する部分はある。しかし、コンビニがココまで大きくなったのは、システマチックな環境を店舗経営に導入してきたからではないだろうか。ココに陳列した方が、販売効率が高いとか、この商品は地域として売れているから、当店においても売れる可能性が高い。といった、販売戦略をしてきたのに、ことファーストフードは店の努力のみ。意味が分からん。

【本音】※これは私の考えであるので、否定されたらそれまでだが
◯利益率の高い商品を店に扱わせれば、本部は儲かる
~これを説明すると、長くなるので内容は改めてブログにしたいが、簡単に説明するとフランチャイズの仕組みだと、加盟店の廃棄ロス額がいくらであろうと本部の利益には全く関係無いのだ。だから、「早めに初めてお客様の認知を上げていこう」などと、スタート時の廃棄ロスを無視するようなことが平気で言えるのだ。
利益率の平均を高めるファーストフードを店に扱わせるということは、コンビニ本部にとってはヨダレが出てくる施策なのだ

これでも、10月、11月がピークだと言うのならば、1年間通して、販売セールを行わず販売してもらいたい。そのデータが、10月11月ピークを示したのであれば、文句を言わずおでんの販売を8月から始めようじゃないか。

では、加盟店におでん販売をやめる権限は無いのかというと、そうではない。別に販売するもしないも自由であるので、おでんの販売をしなくても良いわけだが、販売しないとどうなるかというと、逆賊扱いだ!!もし、おでんを販売しないと高らかに公言したら、ありとあらゆるプレッシャーが店に降り注ぐであろう。

そんな、おでん販売の季節がすでにスタートしました。
コンビニオーナーの皆さん頑張っていきましょう!!汗汗汗
一般読者の方は、コンビニでおでんを見かけたら「大変だなぁ」と、このブログを思い出していただけたら幸いです(笑