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パソコン市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション(4)-
»2012年9月 8日
消費者理解コトハジメ
パソコン市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション(4)-
株式会社コプロシステム取締役 商品計画研究所所長。携帯電話キャリア、電機・食品・化粧品各メーカー、エンタメ系企業等のブランディング、商品開発に関するプロジェクトを多数手がける。Mac大好き。
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「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」には「マーケットを知る」という機能があります。「お菓子」から始まって「よく行くお店」まで、14カテゴリー、63ジャンルのマーケットのブランドランキングとそれぞれのブランドのポジショニング分析ができるようになっています。
「消費者データから見るブランドポジション」として、2012年6月の最新データからそれぞれのマーケットのブランドポジションをご紹介して来ましたが、今回はパソコン市場です。ぺるそねの調査では有効回答数31.444人(男性:15,269人、女性:16,175人)の方にアンケートに答えていただいています。
【2011年9月調査との比較】
世の中、スマートフォンやタブレットの情報がもてはやされ、パソコン市場はなんとなく元気がなくなっているような気がします。海外のシンクタンクもPCの出荷予想を下方修正するなどもうピークは去ったかのような論調です。
今回ぺるそねでは31,444人の内、パソコンについて答えていただいた方は30,199人。この調査自体、インターネット調査で行っていますので、全員がパソコンを所有しているはずですが、自己所有のPC以外から回答している方もいるのかもしれません。世帯普及率は内閣府の調査で77.3%(2012年3月末)ということですが、今年のWINDOWS8の発売で、また勢いづくのでしょうか?
ブランドランキングについても上位はあまり変化ありません。昨年の9月の調査と比較し、10%以上の変化があったのは「FMV DESKPOWER」が9.5%→7.9%に減少。「VAIO/desktop」が7.6%→6.4%に減少、「Inspiron/notebook」が3.9%→3.0%に減少。「Inspiron/desktop」が2.7%→3.0%に増加。「MacBook」が2.2%→2.5%に増加。「MacBook Air」が1.1%→2.5%に増加、という結果でした。この中では「MacBook Air」は9ヶ月間で2倍以上にユーザーを増やしたことになります。大躍進ですね。
パソコンブランドランキング
【年齢×性別のブランドポジションマップを見てみる】
ベスト15位までのブランドを平均年齢×男女比にマッピングしてみると、上位のブランドは男女比に大きな差はありません。「NEC」と「富士通」のデスクトップは年齢層の高いユーザーが多く、「アップル」の製品は年齢層が低いユーザーが多くなっています。女性の比率が高いエリアにはあまり広がりが無く、特に女性に支持されるブランドは存在していないようです。
男性比率が高く、年齢層も高いエリアには「DELL」のブランドが3機種ポジションされています。また同じエリアに「Let's note」もあります。男性比率が高く、年齢層の低いエリアには「自作デスクトップ」と「MacBook Air」がポジションされています。
以前、ぺるそねの2011年9月のデータを元に「MacBook AirユーザーとLet's noteユーザーはどう違う」という記事を誠ブログに書きましたが、その時には両機種にここまで年齢と性別の差が無かったと思います。「MacBook Air」は若い男性と女性ユーザーを取り込んだようです。
ブランドポジションマップ(平均年齢×男女比)
【年齢と世帯年収のブランドポジションマップを見てみる】
世帯年収が最も高い位置にポジショニングされているのは「MacBook Air」でした。次に高いのが「Let's note」です。続いて「Inspiron」のノートとデスクトップ、「VAIO/notebook」「dynabook」と続きます。モバイルパソコンとして人気の高い「MacBook Air」と「Let's note」のユーザーは、ビジネスマンの比率が高いことが世帯年収の高さに表れているようです。
年齢が低く、年収も低いエリアにポジションニングされているのは「自作デスクトップ」のユーザーです。これはなんとなくそうだろうな、と納得できますね。平均年齢が高く世帯年収が高いエリアに最も多くのブランドがポジショニングされています。平均年齢が低く世帯年収の高いエリアにポジショニングされているのは「Apple」と「VAIO」です。
ブランドポジションマップ(平均年齢×平均世帯年収)
【POST PCの時代にパソコンはどうなる?】
スマートフォン、タブレットの普及が進むと、パソコンの役割が見直される日が遠からず来ることでしょう。全てのデータがクラウドに格納され、ユーザーはクラウドにアクセスして情報を入手したり処理したりする。その時のデバイスは必ずしもパソコンである必要が無くなってしまうからです。つまり、POST PCの時代に突入します。そのとき、パソコンはどうなってしまうのか?
iPadを発表した後、スティーブジョブズはインタビューの中で「タブレットはPCを置き換えるか?」という質問に答えて「農業が中心だった頃、自動車は全て荷台のついたトラックだった。しかし人々が都会に住むようになれば自動車のことを考えるようになる。PCはピックアップトラックのようになると思う。必要とする人はだんだん少なくなって行くだろう」と言っています。
ピックアップトラックが必要な人がいなくなるわけではありませんが、そのような人は少数だろう、というわけです。PCはこれから特定のニーズを持った人達が使う商品になってしまうのかも知れません。
*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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