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「SharePoint」を使って社内報はできるか

»2013年10月13日
やまとぴBlog

「SharePoint」を使って社内報はできるか

山本 恵太

六本木ヒルズのIT系企業で社内広報を担当しています。

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「できるけど止めたほうがいい」というのが僕の現時点での結論です(会社としての意見ではありません。僕の個人的な意見です。念のため)。検討している方には「Movable Type」や「WordPress」の導入をオススメします。「SharePoint」を社内ポータルとして使っているから選択肢が無いという方もいるかとは思いますが、その選択肢からは全力で逃げてください。ベジータさんも言っていました。

「はやくしろっ!!  間にあわなくなってもしらんぞーっ!!」


■「SharePoint」が残念な3つの理由

1. HTMLソースがめちゃくちゃ

「SharePoint」の編集は、ほぼ「Word」を編集している感覚だと思ってもらえればいいと思います。画像を挿入したり、リンクを貼ったりとても簡単です。しかし、問題はそういった編集作業が後で問題を引き起こします。どうも編集作業の反応が遅いなあと思ってHTMLソースを見てみるのですが、驚愕します。どこまでも続く<div></div>タグの嵐。なぜか文章の途中で何度も指定されているフォントタグ。ソースにだけ存在する亡霊のようなハイパーリンクの残骸。HTMLを少しでも理解できる人が見たら発狂すること間違いなしです。

2. テーブルタグが不安定

不安定というかめちゃくちゃです。簡単にテーブルを挿入できるのは便利でいいと思うんですが、すぐ崩れます。なぜこのセルとこのセルの大きさが違うのか。なぜこのセルを削除しようとすると崩れるのか。編集ツールを使ってテーブルをいじろうとすると発狂します。最初の頃は「セルを追加するときはhogehogeなやり方で」「削除するときはpiyopiyoなやり方で」と崩れない方法を見つけたりもしていたのですが、あまりにも非効率なので止めました。HTMLを理解できない人でも発狂すること間違いなしです。

3. ページはリンクしない

カテゴリ機能がないと言えば意味がわかるでしょうか。タグ付けもできません。手作業でカテゴリページを作って、手作業でページ内にリンクを貼らないとページ間の移動はできません。更新頻度が少ないなら手作業でも問題ないですが、社内報だと毎日のようにページが作られるわけです。書いているだけで冷や汗が出てきますね。ただし、「SharePoint」にはブログ機能があって、それを使えばカテゴリの問題は解決できます。ついでに読者がコメントを付けられる機能もあります。でも僕はそれに気付いたのが使い始めて1年近く経ってからだったので、時すでに遅しという状況です。コンテンツの移行機能なんてないので、過去のデータを捨てて移行するか、現状を維持するか。現在は後者を選択しています(その理由は後ほど説明します)。

ほかにもありますが、だんだん愚痴になってきそうなのでこれくらいにしておきます。でも、仙道さんも言っていました。

「まだあわてるような時間じゃない」


■「SharePoint」のこと知らないくせに偉そうなこと言うな!

そうですね。僕が知っている「SharePoint」のことなんて、「SharePoint」のほんの一部でしかありません。ブログ機能を知らなかったように、調べるとけっこういろんな機能が出てきて、あらためて魅力に気付く。それはまるで結婚生活のようです。

本当に? 自分の持っている携帯電話が説明書を熟読しないと使いこなせないようなものだったらどうしますか? さっさとiPhoneに機種変更すべきです。iPhoneでも使い方が分からない。そんなときはどうしますか? さっさとググるべきです。じゃあ「SharePoint」もググってみましょうか。いや、ググることはオススメしません。なぜなら、検索結果を見て「役に立つ情報が見つからない!」と絶望する姿が想像できるからです。これがMTとかWPだったら、簡単に解決できるんだろうなあと頭を抱えながら。そう、導入してしまったものを簡単に変えることはできないのです。結婚してしまったら、簡単に離婚できないのと同じです。

導入する時点で社内報としても使うことを伝えて、使い方も教えてもらえば良かったんだと思います。でも、そんな使いにくいシステムだとは思っていなかったから、後で気付いたときには時すでに遅しだったわけです。仙道さんも言っていました。

「まだあわわ、あわわわわわわわわ」


■こうなったらもう文系エンジニアになるしかない

で、結局いまどうしているかというと、唯一の救いとしてHTMLソースを直接いじる機能があったので、直接いじっています。テーブルも直接HTMLを書いて、編集する際も同様にしています。まさかWeb3.0と言われる時代にHTMLをゴリゴリ書くことになるとは思っていませんでした。

しかしながら、いちいちゼロからHTMLを書いていたら非効率ですし、チームメンバーにそれを強要するのも酷です。というか非現実的です。そこで、エクセルを使って自動生成できるようにしました。記事をタイトルやらURLやらカテゴリやらで入力すると、それが素敵な関数たちによって変換され、ニュースサイトのようなページを作るHTMLソースが吐き出されるのです。あとはそれをコピペするだけ。まだ作っている途中ですが、カテゴリページも同様です。

素敵な関数たちと書きましたが、僕は未だにVLOOKUPがどんな機能なのかも知らないくらいエクセルの知識は皆無なので、ゼロから必要な部分だけググって調べるという状況で、僕の努力は本当に意味のあることなのかと問われると正直何とも言えないです。間違いなくもっと簡単にできたはずです。それに、コピペしなくても自動で更新されるツールを使ったほうが効率的です。自分で書いてて悲しくなってきました......。


■結論

「SharePoint」を全否定するつもりはありません。「Word」を編集するように使えるので初心者には使いやすいし、「SharePoint」を理解している人がいじればいろいろな機能があって夢は広がると思います。たぶん正しい使い方をすれば「SharePoint」の評価は変わるんだと思います。でも「SharePoint」を理解していない人が運用者になっている僕らの場合はダメです。ダメだけど頑張って使っています。

せっかくの「SharePoint」を何でそんなにもったいない使い方してるの!? と思った方がいたらぜひお声掛けください。御社のシステム丸ごと刷新しますよという方がいたらぜひお声掛けください(止めるロジック作りから予算を引き出すロジック作りまで相当ハードル高いですけど......)。

また社内広報担当の方が読んでいたら、ぜひお声掛けください。横のつながりがないので、情報交換できると大変ありがたいです。お待ちしております。