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2013年、つべこべ言わずに社内広報やっちまった結果

»2013年12月29日
やまとぴBlog

2013年、つべこべ言わずに社内広報やっちまった結果

山本 恵太

六本木ヒルズのIT系企業で社内広報を担当しています。

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社内報の立ち上げから1年たったので振り返りをしてみたいなと。自分の1年を振り返って不幸でしたというプライベートな話をしても意味がないので、社内広報の話をして、この話で盛り上がれる仲間を増やしたいなと目論んでいます。

弊社の社内報はですね。まずは平日の平均DAU(Daily Active Users)を全社員の50%以上にしようという目標を掲げていまして、それを12月に達成することができました。パチパチパチっと。目の前の仕事で忙しい社員の皆さんが毎日、記事を読みに来てくれるってけっこう凄いことだと思っているんですが、会社からまったく褒めてもらえなかったので偉い人たちを恨みつつ、成果の見せ方も大事だよなあと会社ごっこの重要性を再認識しています。

目標を達成した要因はいろいろあって、チームが頑張ったというのはもちろんで、コソコソとドーピングしたり、イケてるコンテンツを並べたりもしたんですが、けっこう毎日の推移が同じ数値で安定していて、底上げの結果が大きかったなと考えています。月曜がめちゃくちゃ数値あって、それを金曜まで維持しながら平均値で達成したとかだと若干の微妙さが残るので、結果に満足しています。

そこから仕事納めまでは店のシャッターを閉め気味にして、振り返りの部分に力を割いてきました。前の職場で流行っていたKPT分析(Keep Problem Try)を今の職場でもやるようになったんですが、けっこう形だけだったりしてモヤモヤしていて、ちゃんとやろうということで、Keepだけで1時間とったり、KJ法モドキと組み合わせたり、試行錯誤しながらじっくりやっています(フレームワークはどうでもよくて、実施する環境の中で、課題に対してじっくり取り組めるかが大事ですね)。そして、ここにきてようやくロードマップを描ける段階に来たなと感じています。

僕は前職で「ねとらぼ」という新しいメディアの立ち上げに下っ端ながら携わっていたんですが、SWOT分析(Strengths Weaknesses Opportunities Threats)がけっこうあいまいで(ビジネスとして偉い人たちの中では握れていたと思うんですが、現場でどう動くかのレベルには落ちていなかったという意味で)、手探りの結果として、編集部の先輩たちからそんなんウケないんじゃねと言われながら(狙ったんじゃなくて自己満足で)取材した記事が話題になったり、その逆もありました(めっちゃ真面目に時間かけて出した記事がひっそりと忘れ去られていくことほど悲しいものはありませんね)。でも今は、ご存じの通り、ユニークなメディアとして確立しています。

誤解のないように言っておきたいのは、別に前職の上司をdisりたいわけでは全然なくてむしろ逆ということで、自分も社内報の立ち上げを経験して気付いたんです。新しいことに挑戦するとき、最初から誰もが納得して、よしコレとコレに取り組もうと思える明確な目標を立てたり、スケジュールを引くのは難しいというか、無理ジャンてことに。

プロジェクトの設計やサイトの設計、コンテンツの設計やスケジュールの設計など、新しいことを始めるときに設計しなくてはいけないことっていっぱいあると思うんですが、設計するためには素材が必要で、素材が少ない中で何かを作ったって後で変更しなくちゃいけなくなるし、下手したら変更する工数がすごいかかって、何であんなにガッチリ決めちゃったんだろうと後で後悔するのは、きっとエンジニアの方のほうが経験が多いんじゃないかと思います。

では素材をどうやって生み出すかいう話ですが、待ってても出てこないし、新しいことをやるってことはどこにどんな素材があるかすら分からない冒険みたいなものなので、とにかく前に進むしかないんですね。そこで僕なりに考えていることが「つべこべ言わずにやっちまえ」です。これは尊敬するリチャード・ブランソンの言葉で、ガチの冒険家から出てくる言葉は深いものがありますねと。やっぱ冒険家と起業家って似てるよなあーとか思うわけです。

大事なのは挑戦することで、それが成功するか失敗するかなんて重要ではないし(そりゃ成功したほうが良いんですけど)、失敗したから無駄な時間と労力を費やしたなんて考えるのはナンセンスなんですね。そこで得るべきは素材であって、失敗しても次から選んではいけない選択肢として、その素材は蓄積されるわけです。

だから最初からカッチリした目標を決めることは重要だと思わないんですが、一方で振り返りはすごく重要だなと思います。最近そう思っています。これまでできていなかったので、そこはこの1年を振り返ってみて一番反省しなくちゃいけないところだなと思っています。

昔、うちの社長が社員総会で言っていたことがあって、僕らはけっこう凄いことをしてきているんだけど、いつも忙しく挑戦を続けているから、それを忘れがちなんだと。だから(社員総会みたいな場で)振り返ることって重要だよねと。まさにそうだなと今さらながら思うわけです。

いろんなことに挑戦しても、ちゃんと振り返らないとちゃんと素材を蓄積することができなくて、ちゃんと蓄積できないから、素材を使って設計することができない。もしくは自分だけモヤモヤ頭の中で出来てても、チーム内でちゃんと共通認識が出来上がらないんだろうなと。はい。反省しております。

なので、来年は今年やったことをちゃんと生かしながら、社内報の一般的なKPIであるPVとかUUとか漠然とした満足度とかコメント数とかいいね数とか、達成すると会社の貢献になってるのかよく分からんKPIを捨てて(いやでも立ち上げという目標からすると重要なときはもちろんあると思うのですよ)、もっと社内広報の役割とか貢献度とかが明確になるようなKPIを立てつつ、頑張りに見合ったモノをもらっていきたいなという野心を持って取り組んでいければと考えております。

今年1年、ご協力いただいた皆さま、サポートしていただいた皆さま、勉強させていただいた皆さま、大変ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。